香港の長くて四角いお箸の理由
香港のお箸は日本のお箸より長く、重い。
おまけに先が尖っていないから食べにくい。
「食は香港に在り」といわれているのに、どうして中華料理のお箸はこんなに使いづらいの? と感じた方はたくさんいると思います。
まず、お箸の長さと重さですが、これは食事の時の習慣の違いに由来します。
香港では大皿に盛られた料理を取り分けるのですが、その時に、主人が自分の箸でそれぞれに取り分けるのが最上級の接待だとされているのです。
つまり、お料理と食べるひとの距離が違うんです。
だから、取り上げたお料理の重さに耐えられるようにお箸も重く頑丈になりました。
また、先が尖っていないのは、料理が取り分けられた時には食べやすい形になっているので、お箸の先を使ってむしったりする必要がなかったからです。
お箸の形状ひとつにも、食文化と生活習慣の違いが存在するのは楽しいですよね。
(2022/10/08楊さちこ)