【 読書レビュー 】ブラックサマーの殺人
ブラックサマーの殺人 M・W・クレイヴン著/東野さやか訳
カリスマシェフのジャレド・キートンの徹底したシリアルキラーぶりが、おぞましい。。そんな人が作った料理が、人気だなんて…不思議な国、イリギス?
6年前、完全犯罪を企てたキートンが、ポーの執念の捜査によって娘殺しの犯人として逮捕された。しかし、その娘が生きていたことがDNA鑑定で証明され、ポーの冤罪が疑われることに。
ポーは、何度過去を振り返ってもキートンが犯人であることは間違いないと、自分の勘を信じて突き進むが、ついに逮捕令状が出てしまう。
191ページ目にようやく「ティリー、大変なことになった」とメッセージを送る。キートンの計画にはなかったことを…。
そしてようやく相棒の出番だ!
今作は、ティリーの活躍はパソコンでの分析に集中していて、ポーの推理によって掴んだ事実がまた次の事実を手繰り寄せ…という展開だった。
前作では嫌みなギャンブル主任警視が、今作ではポーの味方になり、「チーム・ポー」の団結力によって事件は解決する。最後は握手までするんですよ~。
前作の感想でも触れたが、ポーが住んでいるお気に入りの「ハードウィック・クロフト」が我が家とか自宅…という言葉には置き換わらず、必ずハードウィック・クロフトというのは英国流なのかな。クリスティーの「アッシュフィールド」や「グリーンウェイ」のように。
そのハードウィック・クロフトが実は、湖水地方国立公園の敷地内であることが判明する。そしてその国立公園はユネスコの世界遺産に登録されているので、改築したものを元通りにして返却しなければならないという事態に…。果たしてポーのハードウィック・クロフトでの暮らしは守られるのか…今後の展開が気になる。
事件よりも、ではないけれど。。
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