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【再読】青列車の秘密とミモザ

アガサ・クリスティーの長編のみをまた再読している。
生涯読み続けるマニアとしては当然のことで、わざわざ書くまでもないことだ。

1928年に発刊された「青列車の秘密」
あらすじや内容についての感想はこちらに書いています。興味があれば…。


今回読んでいて目についたのが、花の「ミモザ」の描写だった。

セント・メアリ・ミード村でお金持ちの老婆の話し相手になっていたキャザリン・グレイが、老婆の遺産を相続する。
その記事を新聞で読んだ従妹のタムリン子爵夫人の登場シーンだ。

彼女は《デイリー・メイル》の大陸版を下におおくと、地中海の青い海のかなたを見つめた。彼女の頭上にたれさがっている金色のミモザの枝が、この美しい景色の効果的な額縁の役目をしていた。金髪と青い目のタムリン子爵夫人は、とてもよく似合うネグリジェを着ていた。

本文より

このタムリン子爵夫人がいる場所は南仏のリヴィエラである。
地理に詳しくない私は、世界地図やネットで検索。
リヴィエラとは、もともと イタリア語 で「 海岸 」「湖岸」「川岸」を意味する普通名詞である。 景勝地・避寒地としての用法. フランス の トゥーロン 付近から イタリア の ラ・スペーツィア 付近までの 地中海 沿岸地方の名称。 19世紀からリゾート地として著名。(wikiより抜粋)

更に、ミモザで検索すると、「南仏ミモザ街道」というのがあるらしい。
ミモザの街道かぁ…。
日本でいえば、秋の銀杏並木のイメージか?でも、花じゃないし、違うでしょ。

南仏ミモザ街道はボルムレミモザ村がスタート地点の、冬の花ミモザが美しい8つの町や村を通り、香水の町グラースまで続く130kmのルートです。ここ南仏でのミモザの花の歴史は19世紀に英国人によって南仏コートダジュールに植えられたのが始まりです。現在は温暖な南仏の気候に定着し、無くてはならない南仏冬の風物詩となっています。コートダジュールの海側を通り、カンヌから北に上がりグラースへ。グラースではミモザも香水の原料ひとつの植物として、現在も使われています。

ボルムレミモザ観光局サイトより

抜粋記事ばかりで申し訳ございません💦

地中海の青い海に、鮮やかな黄色のミモザが垂れ下がる木が庭園にあるなんて、素敵な光景だろうなぁ。想像するだけでうっとり🥰
ヨーロッパ、行くならミモザの咲いている季節に行こう!ナンテネ…


2021年にミモザが欲しくて
アレンジメント教室の先生のお花屋さんで購入。

ミモザは黄色い房状の花なのだが、切り花にするとふわふわしている時間はあっと言う間で、すぐにドライフラワーのようになってしまう。


こんな感じ。

さて、小説の話からはだいぶズレたが、こんなに読んでいるのにまたしても「犯人誰だっけ?」状態で、最後まで楽しめた~~😅

青列車での事件の真相を閉じる最後の一幕に、再びミモザが登場する。

もうミモザの花もさかりをすぎてしまった。ムッとするようなかおりをかすかにのこして、花の香が空中にただよっていた。タムリン夫人の別荘の手すりにそって、ピンクのジェラニウムの花が二列に咲いていた。そして、もっと下の方に植えてあるひとむれのカーネーションの花が、あまいかおりをただよわせていた。地中海はその濃紺の色をましていた。

ミモザの季節は12月から3月。
冬のリヴィエラを彩るミモザと濃紺の海を思い描きながら、「青列車の秘密」を読み終えた。



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