前川建築 ②弘前中央高校講堂
8棟ある弘前での前川國男建築の2作目、弘前中央高校講堂。
木村産業研究所初代理事長であった木村隆三氏の兄、当時弘前中央高校PTA会長の木村新吾氏からの依頼で、中央高校創立50周年を記念して建設され、1954年(昭和29年)竣工の建物です。
建物に入ると講堂2階座席の階段状の構造を剥き出しにした白く美しいホワイエが目に飛び込んできます。
ゆるい曲線のフォルムを持つ講堂の客席は2階席を合わせて806席、「前川國男の建物を大切にする会」の方々をはじめボランティアの方々の手により老朽化した背板は補修され、今も当時のままの姿を残して使用されています。
のちに前川國男が手がけていく音楽ホールの先駆けとなった建築としても重要で、この建物を日常使っている中央高校の生徒さんはなんて贅沢な毎日を送っていることか。
扉一つとっても丁寧な仕事に見惚れます。
白を基調にフレンチブルーに塗られた鋼板の外壁、軒裏の赤色など色彩も前川らしいこだわりに溢れ、昭和29年に建てられたとは思えないモダンさ。
学校の建物ということで、普段から見学が出来ないのが残念ですが、ずっと大切に使っていってほしいものですね。
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