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大自然の中をレトロな列車が走る英領の国 マン島へ行ってきた

 イギリスの王室属領であり,独自の憲法の下で政府を持っている国(地域),マン島(Isle of Man)。おそらく日本人の殆どは聞いたことが無いだろう。
 私も最近まで知らなかったが,アイルランドに行きたいと思い地図を見ると,ブリテン島とアイルランド島の間に小さな島があることに気付く。気になって調べてみると,島の交通機関として蒸気機関車や馬車鉄道が走っていることを知り,興味を惹かれた。そこで,今回,アイルランドに行くついでに寄ることとした。


Fly to Isle of Man via London

NH211

 マン島へはロンドン経由で行く。今回はマイルで取ったANAの直行便でロンドンへと向かった。実はこのフライト,ウクライナ情勢の影響で北回りとなっており,機窓から凍てつく北極海が見られるということで,前から乗ってみたいと思っていたフライトでもある。

羽田空港の第2ターミナルから出発
ANAラウンジの食事
やはりタダ飯は素晴らしい
東京スカイツリーを眼下に都心を進んでゆく
霞ケ浦を過ぎて太平洋へ
欧州とは逆方向である
最初の機内食はビーフオアチキンで親子丼
鶏肉が美味しかった
離陸から4時間でアラスカとロシアの海峡を通過
雲に覆われて陸地は見えなかった
アラスカ付近で一旦日は沈むが,真っ暗にはならずずっと焼けた空が続く。白夜では無いものの,日の入から日の出まで焼け空が続くのは不思議な光景である。
北極海上空では雲に覆われていてうっすらとしか氷の漂う海が見られず残念。これが目的でこのフライトにしたのに…
グリーンランド上空も曇りが続き,うっすらとだけ凍てつく大地が見られた。
到着前の機内食はフィッシュオアパスタで焼魚の旨煮弁当
ブリテン島が見えてきて間もなくロンドンに到着
北回りのフライトの経路はこんな感じであった

 見たかった北極海の景色は充分に見られず非常に残念であったが,長いフライトもそこまで退屈せずロンドンに到着した。

U2839

 ロンドンの到着は夕方であったので,一泊して翌朝のフライトでマン島へと向かった。

ガトウィック空港からイギリスのLCCであるeasyJetに搭乗
曇り空の中,マン島が見えてきた。

Isle of Man

Port Erin

 マン島に着いたらまずは島の西端の Port Erin へ向かった。

Port Erin のビーチ
海が青く美しかった

 Port Erin を散策していると,先ほどまで曇っていたのにきれいに晴れて,美しい海を見ることができた。しかし,気温はめちゃくちゃ寒い。まだ9月の上旬,東京は30℃もあるのに,こっちは10℃であった。

Isle of Man Steam Railway

 Port Erin からは,マン島の保存鉄道のうちの1つである,蒸気機関車に乗って首都の Douglas へ向かった。

停車中の客車と蒸気機関車
Port Erin 発は機関車の向きが逆のよう
客車の車内もレトロである
途中の Castletown ですれ違い
のどかな田園風景が続き,車窓からは放牧された動物たちが見られた。 
車窓からの眺めがのどかで美しい

Manx Electric Railway

 Douglas からは駅を移動して Snaefell という山へ行く登山電車に乗ろうとしたが,強風で運休らしい。仕方がないので,電気鉄道に乗ってマン島東端の Ramsey へと向かった。

マン島でいちばん行きたかった場所に行けず残念…
レトロな電車が到着
車両を前後付け替えて,ポールの向きを変えて折り返し。
せっかくなので窓のない客車に乗車
自然の風が心地よいが寒い
途中の Laxey ですれ違い
Laxey を出ると先ほど通った橋が見えた
箱根登山電車の出山みたい
海沿いののどかな風景を見ながら進んでゆく
まるで美瑛のような景色
虹が出ていた!
終点の Ramsey に到着
電気鉄道は再び向きを変えていた

Peel

 Ramsey からはバスに乗って島の北西にある Peel という街へ向かった。

Ramsey は小さな街であった
Ramsey にあったおしゃれな教会
さすがイギリス領らしく2階建てのバス
海沿いののどかな道を進んでゆく
Peel にあった Ruins of St Peter's Church という教会跡
歩いた先に Peel Castle が見えてきた
かつての王家の城である Peel Castle
道が繋がっているが St Patrick's Isle という島である
逆側には Peel の街
Peel Castle 側から先ほどいた高台を望む
Peel Castle の裏には荘厳な景色が広がっていた

Douglas

 Peel からは再びバスに乗り,マン島の首都である Douglas へと戻った。フェリー乗り場である Sea Terminal の東側には美しい海沿いにプロムナードが続き,そのプロムナード沿いに多くの宿がある。私の泊まった宿もその中にある。

Sea Terminal を望む
反対側には美しいプロムナード

マン島のマクドナルド

 その国のマクドナルドに行くのが私にとって海外旅行のひとつの楽しみであるが,せっかくマン島に来ても例外ではない。とはいえ,マン島にはマクドナルドは1店舗しかないので,その1店舗のためのメニューなどなく,UKと同じメニューであった。

期間限定メニューを頼んでみた
Philly Cheese Stack というバーガーは香ばしいオニオンが入っていて美味しい
サイドは韓国のマクドナルドにあるような Mozzarella Dippers というチーズスティック
デザートには Galaxy Chocolate Mini McFlurry. 何かのお菓子とコラボだろうか。
夜の Douglas の街並みも美しかった

Castletown

 翌朝は前日に Port Erin に向かう途中で通った Castletown という街へ向かった。Castletown は19世紀中頃までマン島の首都だったそうである。

小さな港町である
街並みも美しい
Castle Rushen はこの街のシンボル
美しい海も広がっている
朝日が眩しい

Douglas Bay Horse Tramway

 Castletown から Douglas に戻ったら,今度は馬車鉄道に乗る。馬車鉄道は電気鉄道が発着する Derby Castle 駅からプロムナード沿いを10分ほどかけて走るトラムである。馬車鉄道などという大昔の乗り物が残っているということに加え,美しい海をゆっくり眺めながら乗ることができるのが格別である。

まずは人力で客車が出される
そして馬を連れてきて連結
馬車は観光地によくあるが,馬車トラムというのが面白い。

Snaefell Mountain Railway

 馬車鉄道を1往復乗ったら,前日は運休で乗れなかった登山電車がきょうは動くということで,Snaefell へと向かう。時刻表上は登山電車も Douglas から載っているが,これは Laxey で登山電車に接続する電気鉄道の時刻のようで,Laxey までは前日も乗った電気鉄道に乗ってゆく。

Laxey で登山電車(右)に乗り換え
Isle of Man TT というバイクレースで有名らしい道を渡る
山頂に近づくとダム湖が見下ろせる

 Snaefell はマン島最高峰(といってもスカイツリーより低い621m)であり,眺めが良いと聞いていたので,マン島の中で最も行きたかった場所であったが,山頂に着くと残念ながら雲の中であり,辺りは真っ白であった。
 しかもとても寒いので,電車の折り返しまで駅併設のカフェで暖を取っていると,まるで天気の子のように一気に晴れて素晴らしい眺めが広がった
 マン島の面積は淡路島より少し小さいくらいだそう。それにも関わらず,小さな島とは思えないほどに壮大な自然が広がる光景には,非常に感銘を受ける。

山頂は雲の中で何も見えず…
そのうえ麓より気温が低い中の強風でめちゃくちゃ寒い
と思っていたら,しばらく経ったら一気に晴れた。
この前の安達太良山かよ。
雲が晴れると海まで見られる大パノラマ
期待以上の素晴らしい景色であった。
車窓からは鉱山の跡が見られる
車窓には絶景が続く

Laxey

 登山電車で Laxey へ戻り,電気鉄道への乗換の合間に軽く散策した。Laxey は鉱山の街であり,鉱山の跡が残っている。

Laxey 駅
駅から少し歩くと Lady Evelyn Wheel という小さな水車がある広場に出る
さらに駅から10分歩くと Great Laxey Wheel という,かつての鉱山から鉱石を取るのに使った巨大な水車がある。
Laxey からは再び電気鉄道に乗り Douglas へ
前日はトロッコ車に乗ったのでこの日は電動車に乗ったが,こちらもレトロな雰囲気が良い。

マン島は素晴らしい場所であった

 Douglas に戻ったら,バスで空港へ行き,今度はアイルランドへと向かった。
 マン島は,淡路島程度の小さな島にも関わらず,レトロな列車がたくさん走っており,また大自然が広がっており,素晴らしい場所であったと思う。

Douglas のプロムナードの海は青く透き通っていて美しい
空港前にあるマン島のシンボル,Legs of Man.

 ということで,次回はアイルランドの旅行記をお届けする。

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