共創マーケティングとは「思わず語りたくなる感動の先にあるもの」 【POOLOゼミレポート】
こんにちは。TABIPPOのイベントライターで、POOLO1期生で2期コミュニティマネージャーのpatoです。
今回は、2月27日に行われたPOOLOの講座講義 「マーケティングゼミDAY3 コミュニティ/共創マーケティング戦略」の様子をレポートします。
POOLOのゼミでは、毎回最前線で活躍する豪華メンバーを講師に招いて講義をしていただいております。POOLOマーケティングゼミDAY3の登壇者は、早起きコミュニティ「朝渋」を運営している5時こーじさんです。
5時こーじさんとは
「朝渋」代表/MorningLabo取締役
東京・渋谷で、2016年に朝活コミュニティ「朝渋」を立ち上げ、会員とともに読書や英会話などさまざまな活動を行う。本の著者を招いたトークイベント「著者と語る朝渋」は累計1万人を動員する規模に発展。2018年、勤務先の企業を退職し、ライフワークだった朝渋に本格コミット。早起きを日本のスタンダードにすることを目指す。2020年3月書籍『昨日も22時に寝たので僕の人生は無敵です』(小学館)を発売。
参加者にとってのコミュニティの魅力とは
最初に、講義前のアイスブレイクとして「あなたにとってのコミュニティの魅力とは」という問いが投げかけられました。
・一人で出来ないことがみんなでできる
・新たな自分を発見できる
・自分のレッテルが貼られない
・受容される
・いろんな人がいる。
・自分を改めて知ることができる
POOLOというコミュニティに属しているからこそ、コミュニティの魅力をいろいろと感じることができるのでしょう。今回はそんなコミュニティという概念を活用した「コミュニティマーケティング」がテーマです。
朝渋というライフワーク
13時からスタートした講義ですが、「昼から話すの久しぶりです。5時から8時が一番調子いいんです」と、こーじさん。
もともと小さい頃から早寝早起きをしていたものの、社会人になってから、夜型に。毎朝ギリギリに出社して、終電で帰る生活という生活をしていたそう。
「やっぱり早寝早起きが出来ないと、成果が出ない」
その気づきから、早寝・早起きを実践し始めたところ、成果を出せるようになったそうです。友人に「社会的に意義のあることだからワークライフとしてやるべき」と言われたことをきっかけに「朝渋」をスタート。今では200人ものコミュニティとなっているそうです。
思わず語りたくなる感動体験の先に
5時こーじさんにとっての共創マーケティングの定義とは、「ブランドの熱量を持った人と一緒に、サービスを世の中に広めていくこと」。自分がハマっているものを知り合いにオススメだと話す、あの感覚に近いと言います。
例えば、5時こーじさん自身、Minimalというチョコレートにハマっているらしく、「Minimalは板チョコが千円以上もするので、誰が買うんだと思っていたけども、食べてみたら美味しくて、プレゼントしても喜ばれるし、経営者もとても素敵で......」と、ついつい語り出してしまう程、「好き」であふれていました。
(↑ついMinimalのチョコについての熱く語り出す、5時こーじさん)
提供者と享受者の距離があまり遠くなく、周りに話したくなるきっかけがサービスの中にないと、共創マーケティングは成立しない。「お金をもらってなくても、売る側の気持ちで、思わず語りたくなる感動体験の先にあるもの。それが共創マーケティングである」と仰っていました。
早起きに興味はないが本の著者には興味はある人々
4年前に朝渋を立ち上げた当初は、朝活したい人を募集しても、誰も集まらなかったそう。
そんな中、運営メンバーが読書好きだったことから、著者を呼んだ本のイベントを開いたら面白いのではないかということで、Forbes JAPAN Web編集長の谷本有香さんをゲストに招きました。
20人集まれば良いと思っていたら、朝7:30から60人もの人が集まりました。とても密度の濃い1時間半を過ごした参加者に「実は朝活コミュニティをやっていて.....」と打ち明けると、そのうち10人が活動したいと言い始めたそうです。
そこで5時こーじさんは、
①まず本のイベントで朝活を体験してもらう
②参加者にまたこの体験をしたいと思わせる
③朝渋の紹介をする。
このサイクルを今まで180回以上やって来たそう。まずは1回でも、朝活の経験をしてもらい「朝活=良いものである」「これからも続けたい」と思ってもらってから、朝渋に招待をすることで、徐々にコミュニティが形成されてきたといいます。
値段設定と完遂率
「コミュニティは、参加者が能動的になってくれるかが大事」とこーじさん。例に挙げられたのが、早起き習慣を本気で身につける短期集中プログラム「朝渋KNOCK」です。
これまでプログラムの価格設定は2万〜5万円と変更してきたそうです。価格を上げた際は、もちろん内容はアップデートしたと言いますが、価格設定で完遂率が大きく変わってくるといいます。
組織の入口管理を意味する「エントリーマネジメント」として、「価格=本気度」と考えたときに、(お金が全てではないにしても)価格によって参加者の気持ちが変わって、参加者に能動的に動いてもらえる。つまり、コミュニティを運営する際は、価格による質と量のマネジメントが重要であると、こーじさんは仰っていました。
心地の良いコミュニティ設計
現在、朝渋コミュニティで能動的な人の割合は、毎月のオフ会参加者数でいうと80人。全体で180人のコミュニティであるため「めちゃくちゃアクティブ!」と参加者から驚きの反応が。
そのようなアクティブ率を保てる理由として、こーじさんは「オンラインサロン=情報を受け取るだけになりがちだが、その割合を高くしないような設計をしている」と話します。
その設計とは......
・入会して、一番熱量が高い24時間以内に連絡をとり、マストで自己紹介をお願いする。
・自己紹介をすると、2~30人からコメントが飛んで来て「ウェルカム感」を感じて、心理的安全性を感じる。
・新人だけの歓迎会をしたり、チームでのモーニングをしたり......
1回自己紹介をしただけで、次々につながりが出来ていくようなコミュニティ設計なのです。
コミュニティの根元にある40、50人の熱量がとても大事。また、熱量は、長くても半年で無くなってしまう。だからこそ、コアメンバーは随時入れ替えており、今一番朝渋を楽しんでいる人が中心にいるような設計をしているそうです。
つまり、「熱量がなくなった数人が抜けて、その分、熱量を持った人が入ってくる」のではなく、「熱量高い人たちで協力して燃やし続ける」システムとなっているわけです。
本当に売りたいものと認知させたいことをズラす
朝渋コミュニティへの入会経路は2パターンあります。
▷1つ目がコミュニティ内の感動体験の共有。
コミュニティでの「感動体験」がクチコミという形で勝手にマーケティングになって広がっていくそうです。
▷2つ目は本のイベント。
フォロワーの多い著者の方が、朝渋のイベント登壇を告知することにより、朝渋という名前と活動内容を広めて貰える機会となっているということです。(ちなみに朝渋の1回のイベントで、なんと500~1000冊の本が売れることもあるそうです)
ここでのポイントは、本当に売りたいものと認知させたいことを「ズラす」こと。
本のイベントという形で、朝活を体験してもらい、体験した人の中の3〜5%の方の「朝の時間を有効に使いたい」「新しい関係に飛び込んで新しいことにチャレンジしてみたい」という潜在意識に訴求出来ればいいと思っているそうです。
・本の著者:本を売りたい
・参加者:著者から直接本の話を聞けてハッピー
・5時こーじさん:早起きの良さに気づいて朝渋コミュニティへ入会する
このような三方良しのサイクルを生んでいるのです。
続いて質疑応答が行われました。
Q1:ズラすのが大切だということは分かったが、ズラし方によって興味を持ってもらえる割合が変わると思う。どのようにズラすことを考えているか?
A.5時こーじさん
最終的に落とし込みたいところの高揚感を想起させるようなキーワードからズラしていく。
例えば、サウナ=一人の時間を設けられることが良いとした場合。一人で映画を見ることが良いということで毎月映画の紹介イベントをし、最後に一人の時間を映画だけでなくてサウナで過ごすことを提案するという落とし込み方。「一人の時間は良いことである」という実感をしているため、サウナへ興味を持ってもらえる割合は高いのではないか。
Q2:潜在層のターゲットを拾い上げるにはどうしたらいいか?
A.5時こーじさん
大企業で、何万人という数を振り向かせないといけない場合は、潜在層マーケティングは必要となるが、そうでない場合は顕在層だけでなんとかなる。
実際のユーザーなど、顕在層に近い人にヒアリングをすることによって、自分たちが刺さると思っていたこととは違うことが見える。遠い顧客をみる前に、近い顧客を見よう。近い顧客と同じ感覚を持つ人は1万人くらいいると思っていい。顕在層は自分が思っているより多いので、相互理解を深めることが必要。
Q3:早起きが成功する人と、失敗する人の違いは?
A.5時こーじさん
素直か素直じゃないかがめちゃくちゃ大事。「早起きするにはどうしたらいいですか?」という問いに対して、「携帯をいじらないようにしましょう」と答えたら、「それは出来ない」とか「その方法以外の方法はないか」と、言われたことをシンプルに実行できない人は失敗することが多い。
また、早起きしたい理由が手段となっている人は定着化する。とりあえず早起きして何かしてみたいという、早起きが目的となってしまっている人は継続理由が無いので上手くいかないケースが多い。
だからこそ早起きをして何がしたいのか、どうしたいのかが明確で、早起きが手段となっている人は成功して継続していく。
Q4:コミュニティの中で自分の見せ方はどのようにしているのか?
A.5時こーじさん
コミュニティ内ではポンコツみたいな扱いをされていて蔑ろにされるくらい権威は全くない(笑)。しかし、朝起きる象徴になっている。
毎朝5時台に起きて800文字のコラムを毎日投稿している。それを見て「やっぱり早く起きるって良いことなんだな」「明日も頑張ろう」というモチベーションになったり、背中を押すようなシンボルでいたりすることを意識している。
また、コミュニティに入ってくれた人に、何故早起きしたいのか、理由をきちんと書いてもらい、立ち止まった際にはモチベーションを上げてもらうため、コーチングに近いコミュニケーションを行っている。
体験することが大事
早寝早起きによって人生が良くなったという経験があるからこそ、早起きコミュニティ「朝渋」を運営できるんですね。
講義の最後に、5時こーじさんは「コミュニティを学びたいのであれば、朝渋だけでなく、いろいろなコミュニティに入ってみて体験することが大事だと思っている。ぜひ朝渋もトライのきっかけにしてほしい」と話しました。
(↑参加者による今回の講義のグラレコ)
5時こーじさん、素敵な時間をありがとうございました!
POOLOとは
POOLOとは、TABIPPOが2020年8月に次世代のグローバル人材が育つ
あたらしい大人の学校として第2期生150名を募集し、「共に学び、共に遊び、共に創る」そんな精神を大切にしたオンラインを中心としたコミュニティです。
専門講義、ゼミ、サークル活動、部活動を通じて、、コミュニティを大事にしながら1年間を通して21世紀型のグローバル人材に育っていくというプログラムです。コミュニティに興味ある方は学びながら楽しむ事ができると思うので3期に応募して入ってみてはいかがでしょうか!?
詳細については、POOLO公式サイトをご覧ください。
また、POOLO3期の募集を10月中旬から開始します。
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取材・文:pato
沖縄でワーケーション事業のベンチャー企業でマーケターとして勤務。
最近ハマっていることはホテル巡り。人と繋がる事、体験を創る事が好きでPOOLOのコミュニティマネージャーに。海外、国内共に旅する事が好きなので将来旅やホテル暮らしをしながら働ける様に様々なことにチャレンジ中。
編集:五月女菜穂
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