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ビジョンプロセシング
『ビジョンプロセシング』 中土井僚 2024
ビジョンプロセッシングは著者の造語です。
「いかなる環境・状況であろうとも、自分自身や周囲の主体性と創造性の解放を可能にする姿勢と手法」を示しています。
自然のあり方が表現されているようで、とっても納得できました。
波乗り型プランニングは、まさに自然がやっている事だと思います。
自然は「目に見えない領域」を察知していると思うし、人も出来ていたこともあったように思います。今は封印しているのかもしれないです。
ビジョンプロセッシングの方法が具体的に書かれています。読まれることをお勧めします。
以下に一部を引用します。
従来のゴールセッティングの限界は「ゴールを設定し、それに向かって邁進すれば、いつか達成できる。そして、そのゴールを達成すれば明るい未来が待っている」という前提に縛られている点です。
私たちが生きている世界は、物質・物体・事象など、実際に目にしたり触れたりすることができる「目に見える領域」だけでなく、認知・行動・感情・文化といった「目に見えない領域」が存在しています。「目に見える領域」は、ある行動に対する結果を予測することが比較的容易です。(中略)
それに対して「目に見えない領域」は、いくつかの厄介な特性がある故に、扱いづらいのです。
・現実認識の歪曲性
・問題発生要因の無自覚性
・自己制御の限界性
・実感・理解の一致不可能性
・他者介入の限界性
「「創造すること」と「問題を処理すること」の根本的な違いは簡単である。
問題を処理する場合、私たちは「望んでいないこと」を取り除こうとする。
一方、創造する場合は、「本当に大切にしていること」を存在させようとする。
これ以上に根本的な違いはほとんどない。」
ピーター・M・センゲ(マサチューセッツ工科大学上級講師「学習する組織」提唱者)
パフォーマンスと学習効果を高める「やりたいサイクル」
無自覚な恐れによって駆動する「やらねばサイクル」
山登り型プランニングは
・明確なゴール(山頂)を到着到達地点として設定する
・現状(出発地点)とゴールのギャップを明らかにする
・そのギャップを解消するための計画を立てる
波乗り型プランニングの三つの基本動作
1.「本当に大切にしていること」を明確にして、活動のど真ん中に据える。
2.刻一刻と変わる状況(波の動き)を微細に察知し、情勢判断する
3.「何が今、問われているのか(課題)」を自らに問いながら、次なる活動に舵を切る
Uプロセス
・ただ、ひたすら観察する
・一歩下がって、内なる叡智の出現を受け入れる
・即興的に行動する
創発(emergence)とは、部分の性質の単純な総和にとどまらない性質が、全体として現れることである。局所的な複数の相互作用が複雑に組織化することで、個別の要素の振る舞いからは予測できないようなシステムが構成される。
たとえば生命は創発現象の塊である。
創発の例は自然界にあふれていますが、そのうちの1つが「蟻塚」や「蜂の巣」です。
インテグラルチーミング手法SOUNDメソッド
いかなる環境・状況であろうとも、自分自身や周囲の主体性と創造性の解放を可能にするために体系化された意思決定と協働活性化手法
SOUNDメソッド「5つのコアステップ」
・現状の見える化と安全な場づくり(Status)
・憧憬型ビジョン・アウトカムの共創(Outcome)・・・「本当に大切にしているもの」
・構造とねらい目の見極め(Understand)・・・謎解きパート
・抵抗・摩擦の洗い出し(Negative Check)
・アクションの選定と実行(Drive)