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ノヴム・オルガヌム

『ノヴム・オルガヌム』新機関 ベーコン著 桂寿一訳(1620)を読みました。
人は思い込みがあるけれど、全く思い込みが無かったら生きていくのに選択するのが困難だと思います。思い込みがあることに気づいているのが大切です。
思い込みは人に安心感を与える依存のようなものです。時には居心地が悪いところに参加したり、価値観が合わない人と対話してみるのもいいかもしれないですね。そして自分の中で考える時間を持つこと。

『ノヴム・オルガヌム』に書かれている4つのイドラ(偏見、先入観)。

種族のイドラ

1つ目は種族のイドラです。これは、人間という種族に共通に備わった感覚による偏見のことを指しています。人間の感覚は完璧ではなく、時に思い違いや見間違いをしてしまうことがあります。しかし、日々の生活の中で、私たちはこの事実にあまり意識を向けていません。

洞窟のイドラ
2つ目は洞窟のイドラです。これは、個人的な境遇や体験からくる思い込みや偏見のことを指しています。人は洞窟のように狭い世界で生きていて、体験、経験だけを頼りにしていると考え方も狭くなっていきます。

市場のイドラ
3つ目は市場のイドラです。これは、うわさ話や聞き間違いなどによる偏見のことを指します。多くの人が集まり、様々な噂話が飛び交う市場の様子からこの名前がつけられています。ベーコンは、市場のイドラこそが最も厄介なものであり、正しい知識を得る際には特に注意が必要だと述べています。

劇場のイドラ
最後に、4つ目のイドラは「劇場のイドラ」です。これは、有名な人物や社会的地位の高い人物の言葉を真実と見なし、盲信してしまうことによる偏見を指します。劇場で行われる手品や芝居が観客に本物と思わせる現象にちなんで名付けられました。
人類の歴史を振り返ると、権威ある人や組織が語る嘘や偽情報であっても、それが真実味を帯びて広まり、多くの人が盲目的に信じる事例が数多く見られます。


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