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【東京】台風近づく東京銀座。甘いギムレットに懐かしさを憶える(2/2) 2019年9月21日(土)-22日(日)

銀座「金の独楽」で呑み始めたわたしたち家族は、新鮮野菜料理と鮮魚に舌鼓を打ちます。程よく日本酒で酔ったわたしは、オーセンティックバーを目指します。
注)2019年9月の記事になります。


⚪︎「BAR オーパ」のクラシカルなカクテルを楽しむ

「金の独楽」で食事を済ませ、いつものように妻とムスメと別れた後、少し歩いてバーを探します。銀座のバーといえば、「テンダー」や宿泊したホテルのバーぐらいしか入ったことがないので、バー探しはかなりのワクワクモードです。

と、「BAR オーパ」という文字が目に飛び込んできます。もちろん知っていました、銀座でも有名なバーではないですか。

地下へと続く

重厚な階段を地下へ降っていきます。馴染みのない土地のバーは、正直なところ店に入るまで多少の緊張感がありますが、その緊張感がたまりません。それが銀座、さらに地下となると、なんとなく余計に緊張しますし、いっそう高揚していきます。

はじまりはジントニック

しかしです、足を踏み入れてみると、なんとも居心地の良いバーです。日本全国の旅先でオーセンティックバーを訪れていますが、こちら「BAR オーパ」の雰囲気は、トップクラスで素晴らしいものでした。

これぞ銀座のオーセンティックバー、といいたくなる品格ですが、敷居が高いということもなく、肩肘張らずに訪れることができる親しみやすさのようなものも醸し出されています。
雰囲気が一流なら、接客、バーテンダーの所作、カクテルの味わいをも当然一級品です。

カクテルは、ジントニックからスタートし、ギムレット、オールドパル、グラスホッパーと呑みました。会計をお願いすると5,000円強で済んだのも、驚きでした。
4杯呑んで5,000円だったら、盛岡をはじめ、地方都市でもあり得ますが、銀座のバーでこれはずいぶんお手頃だったでしょう。

この夜はもう、完全に満足してしまい、あとは大人しくしてホテルへ戻ったわたしなのでした。

⚪︎早朝の東京駅で明石焼きを食べてお台場へ

東京2日目の朝となりました。ホテルは11時までのチェックアウトとなっていましたので、ゆっくりの起床としました。わたしは、7時過ぎに蒸し暑さで目覚めました。

シャワーを浴びていると妻とムスメも起き出したので、ムスメと近くのコンビニへ朝食を買いに出ました。天気は曇りで風は涼しく、実に心地よい朝でした。

わたしは、軽めにインスタントスープだけ飲んで、すぐに散歩です。のんびり東京駅まで歩き、構内にある「にしむら日和」という明石焼きの店の暖簾をくぐりました。

おそらく、東京駅の中で一番朝早くから飲酒できる店であり(午前8時オープン)、使い勝手の良さもあって朝から呑みたいときに訪れている(口コミはなかなかの評価になっていますが)。

出来立てアツアツ
出汁にとぷん

早速生ビールを注文し、焼き立ての明石焼きが届いたところに、それをアツアツの出汁へ落とし、箸で半分に割って出汁と一緒に食べ、ビールを流し込みます。軽めの朝御飯代わりとしては、ちょうど良いものでした。 

さて、ホテルに戻り、午前11時となりましたのでチェックアウトをし、その足でお台場へ向かいました。台風が来て天気が崩れそうでしたので、「東京ジョイポリス」でムスメを遊ばせようかと考えていました。

「デックス東京ビーチ」に入っている、「bills」で昼食を取ろうとしていましたが、11時半ぐらいに到着すると長蛇の列です。完全に甘かったです。

仕方ないので、あまり混雑していないレストランに入店し、海を望めるデッキ席に座らせてもらい、生ビールを呑みつつオムライスやハンバーグやサラダをつついて昼食を済ませました。

昼食後、予定どおり「東京ジョイポリス」で遊んで、夕方前になって東京駅へ向かいます。帰りの新幹線が19時ぐらいだったので、東京駅付近で夕食をとることとしていました。

⚪︎「宮崎料理 万作」にて宮崎の郷土料理を堪能

夕食をとる店は、東京駅丸の内北口の目の前にある、「KITTE丸の内」に入っている「宮崎料理 万作」を予約していました。

その名のとおり、宮崎の郷土料理を供してくれる店でして、妻とムスメも宮崎料理は初めてでしたので、こちらにお邪魔しようと計画していました。

宮崎料理 万作へ

こちらの「万作」は創業80年になるといい、豚タン焼きと湯豆腐が名物の店だと、宮崎の友・イグチさんから事前に教えてもらっていました。

加えて、ハウス焼酎は大堂津の古澤醸造合名会社の「八重桜」とのことで、2015年にイグチさんたちと蔵にお邪魔したことがある身としては、ぜひとも「八重桜」も呑まねばと意気込んでいました。

ぶどうカンパチ

まずは、「ぶどうカンパチの胡麻漬け」を注文しました。このカンパチは、宮崎は五ヶ瀬町ワイナリーと漁業者が連携して生み出したブランドカンパチであり、養殖カンパチの餌にぶどうの乾燥粉末を混ぜて与えているということでした。

ワインの製造過程では必ずぶどうの搾りかすが出ますから、これは良いアイディアです、SDGsです。日本酒やビールの製造過程で出た搾りかすを、牛や豚の飼料に混ぜるのは聞いたことがありますが、養殖魚では初めて聞きました。

こちらの一品、さっぱりとした脂に胡麻の風味があいまって、なかなかに美味しいものでした。

酒は、なんと宮崎諸塚の川崎醸造所の銘酒「園の露」がありましたので、まずはこちらの湯割りを注文しました。

こちらの蔵も、イグチさんに案内されて2015年に訪ねており、蔵ではだいぶお世話になったのですが、残念なことに、ご当主の川崎一志さんは今年1月に逝去なされていました。丁寧に丁寧に美味い焼酎を造り続けてこられた方だっただけに、本当に無念でなりません。

ふっくら味がしみている

届いた、「綾町野菜と霧島鷄の旨煮」は、野菜だけの水分で炊き上げたとのことで、旨味がとても濃厚でした。こういった、どこか地域性のある郷土料理は嬉しいものです。また、具の中に硬めの麩が入っているのが、珍しく感じました。

串焼きもしっかり大ぶり

「霧島鶏レバーの串焼き」は、迫力あるレバーが4つ5つ連なっていて、食感、舌触り、風味とも上々。

と、ここで、焼酎は大堂津・古澤醸造の「八重桜」の湯割りとします。趣向に、ふっくら漂う甘い香りを合わせていきました。

肉巻きたまご

続いて供されたのは、「よかもよか卵とぶどう豚の肉巻き玉子」という一品も贅沢な酒肴でした。

「よかもよか卵」というのは宮崎県都城市のブランド卵、「ぶどう豚」は宮崎県綾町のブランド豚で、「ぶどうカンパチ」と同様にぶどうの搾りかすが飼料に混ぜられているとのことでした。

いやはや、宮崎はさすがの食材王国です。まいりました。

焼酎湯割りがすすんで仕方ない

湯割りがすすんで仕方ないところへ、「ウルメイワシ丸干し」を注文し、都城市の柳田酒造の「青鹿毛」の湯割りとします。こちらもイグチさんに案内してもらった蔵です。

「青鹿毛」は、パンチのある麦の風味が特徴で、ものすごく美味しい焼酎です。麦焼酎の中ではトップクラスに愛している銘柄です。

こんがり焼かれたウルメイワシは、まるまる太っていて、十分な脂乗りでして、これまた美味しかったです。

日向灘に面する宮崎県は、お隣の大分県と並んで魚介が豊富に獲れますので、われわれも三陸のの海の幸に日々触れられるとはいえ、とても羨ましいような感情が湧いてきました。

締めに冷や汁

締めといえば、やはり冷や汁でしょう。これを食べずして、宮崎の郷土料理を堪能したことにはならないでしょう。

さっぱり涼しげなこの郷土料理は、九州でも宮崎にしかない料理ではなかろうかと思っていたわたしでしたが、後から調べてみると、山形や埼玉でも類似する料理は存在するようでした。

冷や汁を家族三人で分けあっていただき、最後に温かいお茶を出してもらって満足の中で夕食を終えました。

このあと、急いで帰りの新幹線に乗り込み、缶ビール一本を呑みながらiPadで映画を観つつ盛岡へ戻りました。
盛岡に21時半ぐらいに到着すると、駅のホームは肌寒く、完全に秋が訪れていることを感じさせられたのでした。

なんにせよ、台風の影響を受けずに新幹線が時間どおりに運転してくれて助かりました。

(おわり)

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