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術後8日目:最後のドレーンが抜けた

退院は、胸に入れられたドレーンが抜けなければできません。目標の排液量は30mlでした。術後7日目は、排液量が50ml台。10mlずつ減っていっても、退院は2日後になりそうです。

ところが、朝食前に回診に来た主治医の先生が、ドレーンを抜くと判断してくれました。「目標の30ml台ではないけど、毎日退屈そうで可愛いそだからと40mlで退院しても良いでしょう。」といってくれたのです。

こういう時こそ、医師の経験値が物を言う気がします。

午前の回診時、ドレーンを抜いてもらいました。全ての管が、術後8日目にしてようやく抜け、身軽になりました。

急に、退院するにあたっての不安や恐怖が頭をよぎりました。

入院生活はある意味シェルター生活です。ストレスの多い日常生活から肉体的にも精神的にも隔離されています。

病院の外は違います。

この時、私が1番不安に思い、さらに怖さを感じたのは
自分の心です。

病院では、主治医をはじめ他の医師、看護師さん、理学療法士さんなどに気をかけてもらいながら療養生活を送っていました。だから、徐々に心を安定してきていると感じていました。

しかし、いざ退院となると入院前とは違う精神の不安定さに心がグラつきます。

手術が成功したことにより、家族をはじめ友人も元気になったと喜んでくれています。

確かに、体は元気です。

でも、心は元気ではありません。やはり、胸を失った現実は受け止め難い。

退院後、そのようにこの気持ちを隠しテンションを上げれば良いのか。

一晩寝たら、テンションをグッと上げて笑顔を見せられるのか。
そのプレッシャーに耐えられるのだろうか。

今となれば、自分で不安と恐怖を作り上げてしまっている状況です。
この時は、そなん風に思っていたのです。


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