「車でお遍路(御本尊)」 大日如来とは
自身の体験談として、お遍路で結願をしたものの「もっと御本尊の知識があればなぁ」との後悔もあり、自身のため、そしてこれからお遍路を計画している方のために「御本尊」についてまとめてみました。
お遍路がより有意義なものになることを願っています。
はじめに
お遍路の札所には、必ず本堂に「御本尊」、大師堂に「大師像」が祀られています。
その御本尊は、札所により異なっているため、本堂で読経時に、祀られている「御本尊」のご真言を唱えます。
それでは、「御本尊」ごとに、特徴をお伝えします。
では、四国霊場6札所が祀っている大日如来について。
大日如来
正式名称
摩訶毘盧遮那如来
大遍照、大日遍照、大光明遍照、などとも呼ばれている。
「大日」とは「偉大な太陽」を意味し、智恵の光であまねく一切を照らし、慈悲活動が永遠不滅であることから名付けられた。
特徴
浄土は、密厳浄土。
三身(仏の三種の在り方、法身・報身・応身)のうちの法身※。
(※法身とは、色形のない永遠不滅の身のことで真理そのもの。現実に生きる生身に対する言葉。)
大日如来は、真言密教で最高位の仏さまであり教主。
森羅万象を創造、万物の慈母であり宇宙の中心となる仏さま、大宇宙を身体としてあらゆる如来、菩薩、明王、神々を生み出す根本仏と考えられている。
大日如来には、金剛界と胎蔵界と2つの異なる法身があり、
この2つの法身は分かつことが出来ない一体化したものである。
その大日如来の徳の現れ方を多くの諸尊との関係、悟りの世界を図示したものを、
金剛曼荼羅と胎蔵曼荼羅、
この両曼荼羅を総称して両界曼荼羅という。
この二つの曼荼羅により、一つの世界が表されます。
お姿
他の如来とは異なり、頭髪は螺髪ではなく結い上げ、宝冠をはじめイヤリングなど豪華な装身具を身に纏い、大きな光背がある王者のお姿。
「金剛界」の大日如来は、左手の薬指を立て、その指を右手で包み込む智拳印を結ぶ。
・智拳印が表すのは、「菩提(悟り)」と「煩悩(迷い)」は本質的に同じという「煩悩即菩提」。「胎蔵界」の大日如来は、中台八葉院の中央に位して、お腹の前で両掌を仰向けにして親指をつけ全指を伸ばして組み合わせる法界定印を結ぶ。
・法界定印が表すのは、この世の「真理」。
ご真言
ご利益
諸願成就の仏さま
大日如来は、すべての仏さまの根本仏であることから、
あらゆるすべての願いを救済するご利益がある
四国八十八箇所霊場で大日如来を御本尊とする札所
さいごに
仏さまを含めて森羅万象を創造した大日如来は、他の仏さまとは異なり、優しいお顔、そして豪華な装飾品を身に纏う王者のお姿で、諸願成就の御利益がある。
だからこそ、弘法大師の「真言宗」の御本尊は大日如来であり、神仏習合の解釈では、天照大神と同一視されるといいます。
真言密教の根本道場である高野山金剛峰寺根本大塔に御本尊として祀っており、最高仏とまで言われているのも納得です。
大日如来について纏めてみましたが、本来は両界曼荼羅を理解する必要があるようだけど、かなり奥が深い世界なのでこれから徐々に学んでいこうと思ってます。
※ヘッダー画像は、第62番札所香園寺の御本尊(金剛界)を描いた御影です。
【参考】
・高野山霊宝館
・Wikipedia
・Discover Japan
・文化庁
合掌