ガンサバイバーとなりました
疑惑
2021年10月。
婦人科系に少し不安を感じたわたしは、初めて、婦人科で子宮検査を受けました。その病院の院長が同級生だったこともあり「乳腺はいいの?」と訊かれました。婦人科検診が午前中。じゃあ乳腺科検診は?というと「夕方16:00しか空きがありません」と。うーむ、それはまた今度にしよう。と、一度キャンセルしたところ「13:00が空きました」との連絡。じゃあ、受けます。
コレまで何度か受けてきたマンモグラフィー検査。ですが「撮影し直し」されたのは初めてでした。結果「石灰化が見られます」と。「精密検査しますか?」との質問に、疑惑があるのならそりゃあ受けます。というわけで、1泊検査入院することになりました。
診断、悪性
2021年11月。
「検査入院の針生検で8本取ったうちの6本が悪性でした」。。。え?悪性?ああ。。。そうなんだあ。。。病理検査後のコタエが「悪性」だった時、ほんの一瞬目の前が「まっしろ」でした。ああ、人の声って本当に遠くなるんだなあ、と思いました。「まっしろの世界」から戻ってきた瞬間、ドクターに対して、妙に早口で質問した記憶があります。
患者さんの気持ちを考慮して「温存と全摘と選べる」ほど医学は進んでいます。で、医学的に考えたら?どっちなの?とドクターに訊くと「わたしは全摘を勧めるけれど」と。じゃあ取ろう取ろう、とわたし。「まだ考える余地はあるから」とのことでしたが、とにかくサッサと手術の予約を取りました。
ラーメン2年分
2021年12月。
年末、怒涛の検査ラッシュ。MRI、PET、CTなどなど。検査終わりに「帰りは何か糖質摂って帰ってくださいね」と言われて頭に浮かんだのはスイーツではなく、ラーメンでした。それからの1ヶ月間。コレまでの私のラーメン人生を考えると、12月だけでラーメン2年分くらい食べていました。手術後は当分お酒も飲めなさそうだし、年末のうちに飲んでおこうと思ってましたが思ってた以上に、お酒は飲む気にはなれませんでした。
入院
2022年1月。
のんびりと家族で過ごした年末年始。コレまでになく平和で穏やかな年末年始になりました。入院が近付いていました。母はギリギリまで「温存でいいんじゃないのか?」と私より辛そうでした。
入院。右乳房全摘手術。
入院中のリハビリは、身体の制限いっぱいにがんばりました。本も読んで映画も観て、シンガーソングライターらしく曲も作り、心もよく動かしました。わたしは鹿児島のMBCラジオで「東郷さくら〜音楽は想い出の目次」というラジオ番組を作っているのですが、思っていたより入院が長くなり、貯め録り分が足りなくなりましたので、病室でラジオも作りました。ついにはドクターをゲストにインタビュー収録までしました。
退院
2022年2月。
手術後の病理検査結果は、非浸潤ガン。ステージゼロ。正直ドキドキしていました。そして、手術後すぐの動けなかった自分を忘れてしまってるくらい楽しかった入院生活の終了。
退院。
早期発見早期治療だからこそ
「ステージゼロならたいしたことないじゃない」はい、だって早期発見のおかげで早期治療できたので。たった2年半で検査写真は大きく変化してました。2年半「も」検査してなかったのです。1年おきに検査しておけば、全摘の必要は無かったはずです。油断大敵。だからコレからはもっと行きます、検査に。
だって「ガンは予防できない」から。そして知らないことばかりでした。乳ガン、切って終わりじゃなかった!全摘手術の結果、リスクとの付き合いは、一生です。
でも生まれ変わったような気分も少しあります。失ったものと引き換えに得たものの、大きさ。
わたしは、ガンサバイバーとなりました。