会社を辞めたらこうなった〜16日目〜
4月19日、会社を辞めて16日目。
「小学生向けに、授業をやりませんか?」とお誘いをいただいたので、腸内細菌と発酵食について話すことにした。
面白いネタが無いかなと思いつつまた過去の記憶を遡る・・・
元々好奇心が旺盛なのと「郷に入ったら郷にしたがえ」の精神で、基本出されたものは全部食べるので、過去色々なものを食べてきた。
*本日はちょっとグロテスクな画像もあるので、NGな方は、回れ右するか、一気に下の方までスクロールしてください。
一部をご紹介。
・中国料理➡️「カイコの素揚げ」エビの巣揚げみたいでサクサク。
・アフリカ料理➡️「アリ」最初はギョッとしたが、途中からふりかけみたいだなと思って食べてた。(写真は通販で購入できる。、タイ産のもの)
・オーストラリア料理➡️「ワニ」ちょっと硬いが、あっさりしてて美味しい。鶏肉に近い。オーストラリアではBBQでワニの手が焼かれてたりする。
「蛇」も「サメ」も「サボテンの実」も、その国の人たちが食べてるものは基本なんでも食べた。
そんな中でも一番思い出に残っているのは
モロッコの「羊の脳味噌煮込み」である。
パーツを聞かれた気がするのですがあえての、「MIX」でオーダー。
現地の人いわく、イスラム最大のお祭り犠牲祭(毎年行われて日付けは年により変わる)の時食べるご馳走らしいのですが、フナ市場というところでは年中食べれるようです。
味は・・・今まで食べた中で、1位、2位を争う衝撃でした。
ぜひモロッコに行かれた際はどうぞ。🔽
この「羊の脳味噌煮込み」と唯一タイマンを張れるのが、
世界で1番臭い食べ物として不動の地位を獲得した、
ノルウェーの発酵食「シューストレミング」
である。
ということで今日は「世界一臭い発酵食 シューストレミング」について。
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「会社をやめたらこうなった〜16日目〜『世界1臭い食べ物』」
私と世界で1番臭い食べ物「シューストレミング」との出会いは大学生の時であった。
「発酵」の研究室の先輩から呼び出され、のこのこと集合場所まで行くと、大きな校庭に、雨でも無いのにカッパを着た先輩と、人だかりが出来ていた。
先輩が見つめるその視線の先には、小さな缶詰が置いてあるだけ。
異様な緊張感がただよっていた。
先輩はゆっくりと缶詰に近づき、切り込みを入れた。
「プシュ」
っという音と共に、一気に悪臭が漂い始める。
生ゴミを夏場に1ヶ月くらい放置した後に、足の匂いと混ぜたような、
今までに嗅いだことのない匂い。
先輩は悪臭漂う中、キコキコと缶切りで缶詰を開けていく。
あまりの臭さに、その場から逃げ出したい思いを我慢して、缶があくまで見届けた。
その後はもちろん実食。囲んでいた学生たちが代わる代わる、その得体の知れない臭いものに挑んで悲鳴をあげている。
もちろん私も・・・
少量口に入れた瞬間、「これは食べてはいけないもの!!!」と体が警告を出してくる。必死に飲み込んだが、胃の中から生ゴミの臭いが上がってきて、その後どれだけ水やブレスケアを飲んでも、歯を磨いても、数日間気持ち悪いままだった。
もちろん服はあまりの臭さに洗濯を断念。
流石世界一と名のるだけあって、過去類をみない「臭さ」を体感すると共に「発酵」の秘めたる力を思い知った。
・シューストレミングとは?
ではいったい、世界1臭い食べ物「シューストレミング」とは何者なのだろうか?
シュースーシュトレンミングは、主にスウェーデンで生産・消費される、塩漬けのニシンの缶詰。
その強烈な臭いから世界の臭い食べ物ランキングは堂々の「第1位」である。
スウェーデン語で「スール (sur)」は「酸っぱい」を、「ストレンミング (strömming)」は「バルト海産のニシン」を意味している。
・シューストレミングの歴史
中世ヨーロッパでは食肉の代わりに塩漬けの魚(タラ、ニシン)が盛んに流通していましたが、保存には塩が必要でした。
ですが、北欧に位置するスウェーデンではニシンは豊富に獲れるものの、製塩に必要な日射も薪も乏しく、塩は貴重品でした。
そのため、用いられた樽で薄い塩水に漬ける保存方法は、固形の塩と層状に詰め込む塩蔵保存に比べ、腐敗は防げても発酵は止められなかったのです。
塩を節約して(通常では耐え難いほどの臭気を発する水準まで極度に発酵するが)ニシンを保存できることは、14世紀頃にはすでに広まり、17世紀には王軍の主要な糧食とされるに至ったのです。
・シューストレミングの入手方法
なんと、日本ではインターネットで購入できます!
開封する際は、場所は迷惑がかからない屋外で。
服装は捨てる覚悟で。
また、食べた後は洗っても洗っても洗っても、ゴミ箱の匂いが取れないので、数日間人に会う予定を入れないことを強くお薦めします!
ちなみに世界で2番目に臭い食べ物は、カモメをアザラシの中に詰めこみ、地中に長期間埋めて作る「キビヤック」。
その作り方に驚きつつ、発酵食の奥は底なしに深いなと思いました。
まだ「キビヤック」は食べたことがないので、機会があればチャレンジしてみたいと思います!