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廃棄商品ゼロへの道ーフードロス対策アプリで新規顧客の増加 【食品ロス対策先進国イギリスの事例】

今回はTABETEと同じフードロス対策のアプリToo Good To Go(以下TGTG)を使用しているロンドンのベーカリーにインタビューを行いました。
 
香港系アジアンベーカリーOng Ong Bunsは、菓子パン・惣菜パン両方の商品を1年前ほどから「レスキュー」されてきました。ロンドンの中華街に近かったり、アジア系商店であることから、ターゲットが広がりにくい点がありました。
 
しかし、TABETEと同様なフード対策アプリToo Good To Go(日本では未展開)を使用した結果、「レスキュー」した顧客同士の口コミが広がり、より幅広い顧客層にリーチすることができました。今回のインタビューはその経緯を探ります。
 
【今回お話を伺った方】
・アーロン・モーさん(Ong Ong Buns)
 
目次
使い始めたきっかけは、フードロス対策への関心から
ロックダウンで途絶える客足と増えるロス―TGTGが改善?
今後の課題
日本のパン屋さんに向けてメッセージ
最後に

使い始めたきっかけは、フードロス対策への関心から

――TGTGを導入されたきっかけは何ですか?
実は、私自身が以前、新聞でこのサービスを知って、それ以降TGTGのユーザーとして、売れ残り商品をレスキューしていました。なので、消費者側の視点から見ても魅力的なサービスだと思っていました。特に、ロンドンで飲食店がひしめき合う中、新しく穴場的なお店を開拓したい時、よくTGTGのアプリを使って地図上でお店を探していました。

ロックダウンで途絶える客足と増えるロス―TGTGが改善?

――コロナ後にTGTGを導入された理由は何ですか?
そうですね、コロナのロックダウン明けで飲食店再開し始めた際は大変でした。知っていたお店に行っても閉店されていたり、どのお店が空いているのか、ネームバリュー的にはリセットされたような状態でしたね。
 
その時は顧客や商品の需要がガラッと変わったり、来店客の上下が激しかったり、ただでも経営がやっとな中なのに、ロスが増えてしまっていました。そこで、TGTGでレスキューできる商品を皆さんに楽しんでもらおうと思い、導入しました。
 
――そうなんですね。まさに大変な時期だったと思います。実際導入してみて、食品ロスは改善されましたか?
導入した効果は期待以上に大きかったです。消費期限が近いだけでなく、外観で見劣ってしまうが味は全く変わらない商品など、普段では廃棄対象にせざるを得ないパンが利益に変わっていきました。
 
ただ、それ以上にレスキューされる商品を別途パッケージングする工程を踏むことで、従業員の間でもフードロス対策の意識が高まりました。今現在は、そもそもレスキュー対象となるような商品が激減して、TGTGの会社から「サービスを使っていないが大丈夫か」と電話をもらうくらいになりました。
 
――なるほど、レスキュー対象になる商品自体が減らせたのは、大きな成果ですね。
そうですね。ただ、一番個人商店としてありがたかったのは、サービスを通して新しいお客さまが次々と来店されたことでしょうか。普通に近くの飲食店を検索すると、やはり口コミ数が多かったり、バズったお店がお客さんの目を惹いてしまいます。
 
ただしTGTGなどのアプリでは、商品が値引きされていてお得感があり、初期投資を抑えて試食できるメリットがあると思います。また選べるお店が多すぎないので、いろんなお店に目が通しやすく、お客さんが、普段行かないお店に足を伸ばすきっかけになります。

今後の課題

――そうですよね、TGTGでは商品の概要だけ記載されていて、福袋みたいな感じもあって、ワクワクするので僕も結構使っています。ただ、これだけ聞くと良い事ずくしですが、課題もまだあるかと思います。その点についてはどう思われていますか?
 
TGTGならではの問題なのですが、サービスの一部の機能で、予約をキャンセルすることができるのですが、これが厄介ですね。お店としては、やっと売れると思った商品の買い手がいなくなってしまうので、ひやっとします。
 
――実際そうなった時ってどう対処していますか?
アプリ上では、キャンセルされた商品が再度掲載されるので、お店としては次のレスキューされる方を待つだけですね。時折レスキューされる方が見つからない時もありますが、大抵の場合はすぐに別の方にレスキューしていただけています。
 
――ロンドンという好立地が影響しているかもしれないですね。
確かに人口密度が高いからか、TGTG上の出店の規模も、売り切れのスピードも凄いですね。あとは、宗教や文化の多様性から生まれる食のニーズがあるので、それに答えられているお店が評判だったりしますね。

日本のパン屋さんに向けてメッセージ

――なるほど、ロンドンならではのニーズがあるんですね。最後に、フードシェアリングを導入するか決めかねている方にアドバイスなどありますか?
 
そうですね。食べ物を売る以上、廃棄対象になってしまう商品が出てしまうのは仕方がないですね。ただ、生じてしまったフードロスに対する意識は、販売する側が変えていくことでしか広まりません。フードシェアリングサービスを通して実感したのは、同じような意識を持った、新しいお客様と繋がるきっかけが生まれる、ということですかね。

――ありがとうございます。ぜひこのメリットを活かして、新規顧客獲得に繋げていただきたいですね。本日はどうもありがとうございました。

最後に

今回のインタビューでは、イギリスを拠点としたToo Good To Go というサービスを通じて、フードロスを「レスキュー」されているOng Ong Buns様の、実際の食品ロス改善の様子を取材しました。このサービスと同様なTABETEは、日本国内のフードロス対策に貢献しています。

同じパン商品を扱われている日本国内のお店には、ヴィドフランス様などの有名チェーン店から、個人商店まで幅広い層がTABETEに登録されています。ぜひこの機会に、以下のリンクより、TABETEについて知っていただければと思います。


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