ケーキ処分金額を87%削減し、大幅な食品ロス削減に成功。TABETE導入後にホールケーキ予約数も増加【株式会社ブールミッシュ様】
1973年、渋谷の公園通りに「ブールミッシュ」一号店を構えられてから49年間、本格フランス菓子の店として新しいお菓子の開発を続けられている株式会社ブールミッシュ様。2004年にオープンされた銀座本店では、洋生菓子、焼き菓子だけではなく、ビジネス贈答品や、ブライダル向け商品等、幅広く扱われています。
まだTABETEにおける洋菓子業態での導入実績が少ない中で、ケーキ処分金額の87%削減に成功された株式会社ブールミッシュ様に、TABETE活用の秘訣をお伺いしました。
SDGs推進に向け、食品ロス削減の取り組みを強化。来店動機をつくれることがTABETEの強み
篠田:最初に、松澤さんがTABETEを導入いただいたきっかけについて教えていただけますか?
松澤さん:会社としてSDGs推進の取り組みを強化していく方針にあり、より積極的にPRとして発信できるような取り組みを探しておりました。ちょうどその時、TABETEさんからご連絡をいただいたのがきっかけです。
当初はフードバンクや食品ロス削減サービスを検討しており、TABETEさんのようなテイクアウト型があることは知りませんでした。
篠田:SDGs推進の中で、取り組んでいけることを探されていたのですね。EC型と比較した時に、TABETEを選んでいただいた理由も教えていただけますか?
松澤さん:EC型は郵送対応など乗り越えないといけないハードルがあり、実際にケーキなど生菓子を郵送で対応するのは難しいのでは、と考えておりました。
また、コロナ禍で人流が滞ってしまっているので、来店動機を積極的に作るようにしております。その中で、実際にお客様が来店されるテイクアウト型のTABETEは、来店動機をつくれることも大きな決め手でした。
自前で出来る取り組みは、「発注調整」が限界だった
篠田:TABETE導入前は、どのような食品ロス削減対策を実施されていたのでしょうか?
前田さん:発注量の調整が自前で出来ることの限界で、それ以上に踏み込んだ取り組みは実施できておりませんでした。
雨の日など天候の影響でロスが出やすくなってしまうのはもちろんですが、緊急事態宣言下は特に苦労しました。数を減らすにも、ご来店したお客様が楽しくお選びいただけるよう品揃えや見栄えも必要となりますので、ある程度ロスは出てしまう状況でした。
ブランディングを保つため、店頭値引きは出来ない
篠田:店頭値引き等は実際されていたのでしょうか?
松澤さん:店頭値引きは、ブランドとしての方針もあり実施しておりませんが、商業施設内の店舗限定で、商業施設のスタッフ様向けに社員販売として割引で販売を実施しております。ブランディングの観点から、今後も店頭値引きの実施は難しいと考えております。
篠田:TABETEでは元値より価格を下げて出品いただいておりますが、その許可が社内でおりた理由についても教えていただけますか?
松澤さん:ひとつは、SDGsの取り組みとして食品ロス削減に積極的に取り組む必要があったという理由になります。
もうひとつは、TABETEというブランドが食品ロス削減として既にメディアを通して浸透していると感じていたので、アプリ内のユーザー様だけに見られる状況であれば問題ないと判断いたしました。
TABETEを通して食品ロスへの関心が強い50万人の方にアプローチすることができるので、大変ありがたいと感じております。
松澤さん:店頭での管理や出品方法が簡素化されていて、短い出品時間でも対応できることも、導入を決めた理由として大きいと思います。
事前に打ち合わせさせていただいた中で、これなら運用できそうというイメージが湧きました。
「大変という印象は全くない。」懸念していたオペレーションも煩雑にならず、誰でも操作可能に
篠田:TABETE導入前に懸念されていたことはありますか?
松澤さん:オペレーションの部分が心配でした。どのように出品できるのか、実際に店舗で使用してお店がまわるのかが心配でした。正直、新しいツールの導入は、かなりオペレーションが煩雑になるのでは?と思っていました。
前田さん:実際にTABETEのマニュアルをいただいた時に、かなりシンプルで驚きました。シンプルですが、最低限の情報は全て収まっていたと思います。
TABETEの使い方に関する動画があるのも大変助かりました。スタッフ同士に説明・共有するときに、実際に目で見てもらったほうがわかりやすいので。
篠田:TABETEを使用する際のオペレーションで、工夫されたことはございますか?
前田さん:どのスタッフでも使えるように、まずスタッフ全員に動画をみてもらうようにしました。その後実際にタブレットで操作してもらって、数日以内にはすぐに使いこなせるようになりました。管理画面が非常に分かりやすいですね。
商品登録は最初にTABETEさんの方でやっていただけたので、あとは個数と時間を日々変更するだけで、操作は非常に簡単です。
レスキューされた時の通知も、電話・メール・管理画面上にも表示されますので、取り逃がすこともありません。
出品後、売れ行きによっては途中で出品を停止こともあるのですが、それも管理画面上ですぐに対応することができています。
特にこちらの店舗では、店頭販売とTABETEの出品を並行していますので、店頭の売れ行きに応じてワンクリックで出品と停止操作が簡単にできるので、とても助かっています。実際にオペレーションを回してみて、大変という印象は全くないですね。
最初はお店は忙しいので影響が出てくるかなと思っていたのですが、実際にやってから負荷は感じていません。逆に、捨てることに対する心理的負担が軽減されたので、ありがたく思っています。
松澤さん:私も店舗経験がありますが、「食べ物を捨てる」という行為にいつも心を痛めていました。その気持ちを軽減していただけるだけでも、大きいですよね。
TABETE導入後、ケーキ処分金額を87%削減に成功
篠田:実際に使い始めてから、どのくらいの量の食品ロス、または廃棄率が削減されましたか。
松澤さん:実際にデータをとってみたのですが、TABETEを導入した2021年11月は、他の月と比較して処分金額を87%大幅削減できました。
特に、銀座本店ではブールミッシュの旗艦店ということもあり、品切れをしないように注意している分、食品ロスが出やすい傾向にありました。
ブールミッシュ全体の平均廃棄率が5%と比較しても、本店は15%と他店舗よりも処分金額が高くなっていたため、ここまで食品ロスを削減できた効果は大きいと思います。
前田さん:銀座本店では客層的にビジネスマンの方が多いので、特にホールケーキが購入され辛い傾向にあります。出品してからユーザーさんにレスキューされるまでがとても速く、驚きました。
篠田:食品ロス削減以外の効果は何かございましたか。
TABETE導入後、ホールケーキの予約数も増加しました。TABETEとの完全な相関があるかは不明ですが、実感としてTABETEで新規来店いただいたことが、ホールケーキの予約にもつながっているのではないかと感じております。
「SDGsへの取り組み」が注文を受ける前提に
篠田:導入までの意思決定プロセスと、その過程で(ご担当者)様がされた工夫について教えてください。
松澤さん:私の方でまず内容を理解して、社内の役員に対して情報を提供しました。そこから社長の方にも許可を得て、導入決定となりました。
SDGsについては経営の観点からも、必ず取り組み強化が必要になってくると考えています。
具体的には、各企業様から大口注文(千~1万単位)の検討をいただく際に、SDGsの取り組みを実施しているかどうかが前提条件に入ってくるようになりました。弊社としても先んじて取り組んでいく必要を感じております。
まだまだ小さい取り組みが多くなってきてしまいますが、プラスチックの削減や食品ロス削減等、できるところから少しずつ進めていく予定です。
TABETE活用については、会社として一つの大きなプロジェクトとして育てていこうと考えております。
洋菓子業界全体で、廃棄が出てしまう現状を改善していきたい
篠田:今後、洋菓子業態のみなさまに向けてアドバイスなど教えていただきたいです。
前澤さん:洋菓子業態は、どうしても廃棄が出てしまうのは事実としてあります。ですが、それもいま転換時期にきていると思います。そのきっかけが、TABETEさんのような食品ロス削減サービスだと思っています。
1社1社が食品ロス削減に向けた取り組みについて考え、業界全体を変えていければと思っています。他の洋菓子業態のブランド様もTABETEにどんどん参加していただきたいです。
前田さん:導入するまではTABETEのことは知らなかったのですが、実際に自分が関わるようになってから友達にもアプリを紹介しています。
販売員にとっても、お客様にとってもwin-winな取り組みですし、食品ロス削減は喫緊の課題となっていますので、ぜひ他の洋菓子法人様にも導入していただきたいと思っています。
取材・編集・文=篠田沙織(@0815Sama)/撮影=伊作太一(@fuzz139)〉
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今後もTABETEを導入している店舗様へのインタビューや、フードロス削減の工夫についてnoteで発信していく予定です。フードロス削減にお困りの店舗の方は、ぜひ以下URLからご連絡ください。
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