【農家の3Kイメージを覆す生産者たち】牛の砂に2億円かけた牧場が目指す酪農の新世紀とは【前編】
農家の3Kイメージ「きつい・汚い・給料低い」を覆す生産者たちを大特集!農業をビジネスとして成立させるための「クリエイティブな」視点に迫りました。彼らのマインドは、一次産業界だけでなく、幅広いビジネスシーンで通じるはずです。
酪農界のマーケター
”チーズケーキに合う牛乳”。
チーズケーキに合う牛乳と聞いて、「牛乳は全て一緒じゃないの?」そう思わないだろうか。しかし、藤井牧場ではタンパク質や乳脂肪を濃くしたり、牛の餌を変えたりすることで、チーズケーキに合う牛乳を作ることができるのではないかと考えている。
酪農界において、新しいマーケティングの挑戦が始まろうとしている。
なぜマーケティングなのか?
2018年の4月に酪農の大きな規制改革があったんですよね。今までは、いわゆる農協系に出すか、乳業メーカーに出すか、酪農家が売り先を考えることはできなかったんです。だけど、4月に制度が変わって、売り先を農家が自由に選べるようになったんですよ。
これまでの酪農ははっきり言って、農協に出荷するしか道がなかったので、あまりマーケティングやブランディングとか、売るということに対してほとんど考えてきてなかったんですね。ところが、その規制改革によって、大きく業界が変化したんですよ。一番重要なのはやはり、マーケティングのできる酪農をやっていこうと。このことは9年前に代表になった時から考えてはいましたね。
最初に台湾に取り組んだのは、台湾は日本との親和性も高いし、海外進出の入り口として考えていました。台湾に一つ足がかりを作れれば、そこから韓国だったり、上海だったり、そういったところに展開していきたいというのは考えていましたね。ただ、なかなか難しい部分もありますので、他企業さんと連携してやっていきたいという風に考えています。
そうですね。数年いろいろな取り組みを行なってきた中で、製造から販売から流通まで全部やるとなると体制が重くなりますし、海外で戦うのは大変なことだということがわかりましたね。うちは生産ではトップクラスだという自信はあります。ですが、製造や販売は勉強不足なので、より強いところと組んでいきたいですね。最近では、北海道のアイスメーカーが台湾に工場を作り、富良野産という名前を使って、一緒に商品を作りたいということでオファーがきたんです。このように世界に勝てる商品を作っていかなければいけないですね。
こうして始まったのが、日本の未来の「食」を考える、「新世紀牧場」である。
しかし、「販売の展開より、一番大切にしたいのは生産現場ですね」と藤井さんは言う。
その生産現場を大切にしたい理由とは何なのか。後編につづく。
書き手:山村奏
農家の3Kイメージを覆す生産者たちシリーズ
記事まとめやイベント情報はSNSへ!
フォロー&いいねで応援お願いします♪
Twitter はこちら
Instagramはこちら
Facebookはこちら
TABETAIで活動したい学生ライターや運営メンバー募集中❗️
詳細はこちらの記事をご覧ください。