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竜/芥川龍之介(1/1)

2024.01.01.辰年。
斜面で紹介されていたので読んでみた。
かの有名な『鼻』ではないが、でか鼻にまつわる話。大きな鼻をわらわれて不平をためていた鼻蔵は、ひとを笑うために『三月三日この池より竜昇らんずるなり』と嘘の建札を立てた。それはどんどん街中の大評判となり……――


自分で嘘の建て札を立てたくせに、周りの祭り気分にあてられてなんだかそわそわとほんとうに竜がでるんじゃないかと落ち着かないようすで自分の叔母と池をのぞく鼻蔵を思うと、滑稽でおかしくてすこしいとしくなる。


その後恵印は何かの拍子に、実はあの建札は自分の悪戯いたずらだったと申す事を白状してしまいましたが、恵門を始め仲間の法師は一人もその白状をほんとうとは思わなかったそうでございます。

青空文庫『竜』

登場人物


❏宇治の大納言隆国
平安後期の説話集『宇治拾遺物語』を編集した。文学者でもある。官位: 大納言。

❏陶器造の翁
大納言隆国の命で、大和興福寺に住む蔵人得業恵印の体験した不思議な出来事を語る。

❏蔵人得業恵印
興福寺に住む法師。
鼻の大きく、あだ名は「鼻蔵」。

❏恵門法師
興福寺に住む法師。
恵印とライバル。バチバチしてる。

❏叔母
摂津国桜井に住む、恵印の叔母。恵印が仕掛けた悪さを本当の事と信じ、池に観に来る。

芥川龍之介『竜』(青空文庫)  https://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/134_15262.html

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