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出雲旅行記④

空腹の救世主、島根のソウルフード

大変丁寧にじっくりとペーパーナイフづくりをさせてくださった「奥出雲鍛冶屋モノづくり体験工房」さんに14時半過ぎまで(12時半には到着したのでがっつり2時間)滞在した後、退去。

体験中は集中していたので気にならなかったが、終わって一息つくと感じた空腹。そう、昼食を食べていない。

体験工房の横山さんに近場でお勧めの蕎麦屋はないか教えてもらう。しかし時間も時間で14時を過ぎている。大半の飲食店がランチ営業14時までなのは知っている。
ダメ元で教えていただいた蕎麦屋さんを目指すがやはりやっていなかった。残念。

空腹がピークを迎えていたが、奥出雲の山道で飲食店の気配が全くない。
そこで昨夜、出雲市駅のコンビニで購入した「島根のソウルフード バラパン」を食べずに持ってきていたのを思い出し、耐え切れずこのバラパンでひとまず空腹を満たすことにした。

島根のソウルフードはとっても華やか


購入したバラパン

ここで「~のソウルフード」について言及してみたい。

出雲市駅のコンビニで「島根のソウルフード」として売られていたバラパン。
出雲市駅は出雲大社目当ての観光客が利用する駅であることは紛れもない事実。もれなく出雲土産もたくさん置いてあった。

出雲のコンビニを物色する中で、完全なる観光客の我々は「~のソウルフード」というワードにすっかり舞い上がってしまった。

しかし、ここで冷静になってみよう。ソウルフードとは「その地域で特有の、または親しまれている食べ物」といわれているが、はてさて自分の地元で「地元のソウルフード」を実際親しんで食べているかといったらそんなに食べていないという人の方が多い気がする。

ここで思う。「~のソウルフード」に踊らされてしまったのではないだろうか。

ちなみに静岡のソウルフードと言われているもののひとつに「さわやかのハンバーグ」があげられるが、これを静岡県民が皆好んでよく食べているかといったら決してそうではないと思う。(炭焼きレストランさわやかさんを貶めているわけでは決してございません。すみません)
案外、私の周りにいる地元民でさわやかのハンバーグをあまり食べないという人が割にいるのは事実である。

しかし余談ではあるが私の夫はこのさわやかのハンバーグに絶大の支持を得ており、勝手に非公式アンバサダーとまで名乗っている。


話がそれてしまった。

「島根のソウルフード」というワードに踊らされてしまった観光客であるが、実際のところ味はどうかというとこれが素朴ながらとても美味しかった。

まず見た目が素朴なれど、とても華やかである。
ふわふわと柔らかいパン生地が花びらにみたてて薄く切られており、その花びらにミルククリームがもうちょっと欲しいという絶妙な量で挟まれてくるくると巻いてある。そのまま大胆にかじってもいいし、花びらを一枚一枚ちぎりながら食べてもよいという、食べ方自体までも様々に楽しめる。

子供たちにお土産として買っていったが、これが好評だった。
長男はなかなかグルメなところがあるが、その長男がバラパンは静岡で売っていないのかと聞いてくるほどであった。ちなみにこの長男も静岡のソウルフード、さわやかのハンバーグは大好物である。

「ソウルフード」とは一部の人間の戯言ではないかとつっこみを入れてしまったが、はたまた一部の人間においては本当にソウルフードであるので、誰かが「これはソウルフードだ!」と言ったらそれはソウルフードでいいのかもしれない。

皆で手を繋いで踊ろう。


島根のソウルフードのおかげで空腹を少し満たすことができた我々は、「奥出雲で蕎麦」をどうしてもあきらめきれなかった。

Googleマップで「蕎麦屋」と検索。
地図上に表れる蕎麦屋がどれも定休か営業時間外。
さらに検索域を広げてみる。
と、目に入ってきた強ワード。
「鬼の舌震」

一瞬で記憶が蘇った。行きの道中で見かけ、その強ワードっぷりに一発でとりこになってしまっていたあの時を。


絶対に見逃せない


「鬼の舌震」

こわすぎる。一体そこに何があるというのだ。

鬼の舌震×蕎麦屋=行くしかない

という方程式が私の頭の中に完成した。
輪をかけるように目に入る店名。

「舌震亭」

名前がいい。定休日でもないし、営業時間も10:00~17:00となっている(Googleマップ調べ)。行くしかない。

帰り道から少しそれるがまあいいだろう。この空腹と舌震亭が距離を超えた。舌震亭に行こう!

そこで鬼の舌震に向けて走る県道270号。
そこから鬼の舌震方面に入るため左折しようとしたその交差点で、目に入ったのは「そば処 鬼蕎麦」の文字。

「蕎麦屋だ!!」

空腹だった我々。目の前の誘惑に本能が反応した。

「鬼蕎麦」

鬼の舌震を目指す我々にとって名前も申し分ない。
やっているのか!?いないのか!?
ドキドキの最中、見えた「営業中」の看板。

はい、ゴール。きみにきーめた!
外観もよろしい。車は一台も止まっていなかったが、雪降る平日の午後15時半である。そそくさと入店。


我々には営業中の文字が光って見えた

つづく





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