アナリーゼからピアノ上達!【読譜レッスン】ブルグミュラー25の練習曲~2.アラベスク
楽器を上手に演奏するためには、楽器の練習だけでなく楽譜を読む力も必要です。ここでは読譜のコツだけでなく、読譜から演奏法を導き楽器が上手くなるコツをご紹介します。
さあ、楽譜を読んで楽器演奏も上達しましょう!
読譜レッスンの注意点
・ここに掲載している楽譜はパブリックドメインのものを使用しています。
・お手持ちの楽譜や現在出版されている楽譜と異なる場合があります。
・ここでの考え方は解釈の一つにすぎません。あくまでも参考として、応用してお役立てください。
参考演奏動画
参考楽譜
曲の解説
「ブルグミュラー25の練習曲~2.アラベスク」
a+b+a'+codaの形式です。ある程度早いテンポ感、はっきりしたリズム感が求められます。ペダルは使わなくても良いでしょう。
楽譜を眺めるポイント
・イ短調 4分の2拍子。
・左手4分音符のスタッカートの長さ、テンポが揺れないように注意。
・16分音符の形は滑らないように注意。
・所々にあるシンコペーションを見逃さないこと。
【楽曲分析~a】
①テンポは Allegro 表情は scherzando です。scherzando感を出すためにも、テンポは遅くならないようにしましょう。
②左手による4分音符のスタッカートで始まります。音を出す前からテンポを頭の中でカウントしてから弾きはじめましょう。
③ここから右手が入って leggiero とありますが、leggieroのために大切なのはむしろ左手のスタッカートです。曲の冒頭から意識しましょう。
④2小節かけて cresc. しましょう。
⑤ハ長調に転調し、気分が変わりました。1拍目の裏(E音)はスタッカートなので注意。
⑥右手の2拍目、D音はアクセントが付いたシンコペーションです。際立たせましょう。
⑦1番括弧はsf(スフォルツァンド)です。その後(うしろ)はデクレシェンドではなくアクセントだと考えられますので、sf+アクセントの強いインパクトのある音で弾きましょう。2番括弧は左手の音を切るタイミングに注意しましょう。
【楽曲分析~b】
①イ短調に戻ってf(フォルテ)で始まります。左手は滑らないようにリズム練習をしましょう。
②一時的にニ短調となります。右手はオクターブ跳躍してf(フォルテ)ですのでエネルギッシュに。
③8分音符で下降のスケール(音階)です。dimin. e poco rall. ですから、慌てず丁寧に。レガートは2小節間しっかり続けましょう。
【楽曲分析~a'】
①冒頭の形に戻ってきました。in tempo とありますが、a tempo で問題ないでしょう。
②7小節目と違いイ短調のまま進行し、p(ピアノ)dolce と書かれています。大事に演奏しましょう。今回は1拍目裏のスタッカートが2小節先もあるので注意。
③右手にアクセントと ten. の指示がありますが、音楽はp(ピアノ)なので注意しましょう。
【楽曲分析~コーダ】
①最後から2小節前のf(フォルテ)へ向かって cresc. しましょう。
② risoluto です。両手共にしっかり指を上げ下げし、はっきりした音で弾きましょう。
③sf(スフォルツァンド)+アクセントです。アクセントは左手だけでなく右手にも付けましょう。フェルマータを長くし過ぎないように。
終わりに
いかがでしたでしょうか。この曲を演奏するポイントは、テンポの維持とメリハリです。短い曲ですが、楽譜を読むだけでもこれだけ演奏の仕方が浮かんできます。楽器に向かうだけでなく、ぜひ楽譜を読んで皆さんのこれからの演奏にお役立てください。
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