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アナリーゼからピアノ上達!【読譜レッスン】ブルグミュラー25の練習曲~3.パストラル(牧歌)

楽器を上手に演奏するためには、楽器の練習だけでなく楽譜を読む力も必要です。ここでは読譜のコツだけでなく、読譜から演奏法を導き楽器が上手くなるコツをご紹介します。

さあ、楽譜を読んで楽器演奏も上達しましょう!


読譜レッスンの注意点

・ここに掲載している楽譜はパブリックドメインのものを使用しています。
・お手持ちの楽譜や現在出版されている楽譜と異なる場合があります。
・ここでの考え方は解釈の一つにすぎません。あくまでも参考として、応用してお役立てください。


参考演奏動画


参考楽譜

牧歌


曲の解説

「ブルグミュラー25の練習曲~3.パストラル(牧歌)」

a+b+a'+codaの形式です。16分音符が使われていませんので、ゆったりとした音楽の印象を受けます。情景をイメージしながら、ペダルで音が濁ってしまわないよう細心の注意を払い、綺麗に演奏しましょう。


楽譜を眺めるポイント

・ト長調 8分の6拍子。
・16分音符以上の細かい音符が使われていない。
・楽譜の白い部分が多く、スッキリした印象。


【楽曲分析~a】

①テンポは Andantino です。ゆったり感じつつ、前に進むことを忘れずに。

②2小節間の序奏はp(ピアノ)と dolce cantabile です。小さな音量の中で優しく歌いましょう。

③ここから主題が始まります。左手の登場で再度p(ピアノ)の指示があります。ハーモニー感を大切に演奏しましょう。

④2小節かけて cresc. しましょう。


【楽曲分析~b】

①mf(メゾフォルテ)で始まりますが、直前まで cresc. しています。音も4度下がりますので、テンションに気を付けましょう。

② ten. ですが、音楽は止めないように。弦楽器の弓使いのようなイメージで。

③音は属九のドッペルドミナントの準固有和音です。縦型アクセントが付いていますが、音のみでインパクトが十分ありますので、あまりやり過ぎないように注意しましょう。

④スラーとスタッカートが同時に指示されていますので、テヌートとして処理しましょう。

⑤松葉(クレシェンド~デクレシェンド)です。たっぷり歌いましょう。

⑥スタッカートですが、短くなり過ぎないように大切に弾きましょう。


【楽曲分析~a'】

①冒頭のテーマに戻ってきました。p(ピアノ)ですが、新たに dolce の指示があります。より優しく弾きましょう。

②ハ長調(下属調)へ転調していきます。2小節かけて cresc. しましょう。

③ここはアナリーゼの大事なポイントです。クレシェンドの頂点は1拍目ですが、デクレシェンドした先の2拍目にアクセントの指示があります。

この場合、音楽の頂点(音量も含む)は1拍目とし、アクセントのある2拍目は少し時間を使っても良いのでたっぷり歌いましょう(アゴーギグ)。その分は次の小節でテンポを戻し安定させましょう。


【楽曲分析~コーダ】

①3小節間の dim. e poco rall. です。音量やテンポの配分に注意しましょう。

②右手と左手の音の長さは違います。左手はしっかり4分音符分伸ばすように気を付けましょう。


終わりに

いかがでしたでしょうか。この曲を演奏するポイントは、音楽をスムーズに進めることです。短い曲ですが、楽譜を読むだけでもこれだけ演奏の仕方が浮かんできます。特にこの曲の25小節は楽曲分析し甲斐のある内容でした。楽器に向かうだけでなく、ぜひ楽譜を読んで皆さんのこれからの演奏にお役立てください。

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田畑 仁愛(指揮者、ピアニスト)
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