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旅の途中の。Domaine Ponsot Chambertin Clos de Bèze 2010

今週の光る君へも良きでしたね。若紫の誕生回。「幼い日から、恋しいあの人のそばで、ずっとずっと一緒に生きていられたら…一体どんな人生だっただろう」もしまひろがそんな人生を歩めたのなら、この世に源氏物語は誕生していないんですよねきっと。想像の端を発する一つとして、昔から“たられば”があったんだなぁなんて思って見ていました。足りないくらいが、いいんですよね。

深夜に連絡が来て、ひゅーっと出かけちゃうことがまだまだある私。まだまだフットワークが軽い人間だなと感じつつも、疲れが残りまくるのでそろそろ辞めたい。でもそんなときに美味しいワインに出会っちゃったりするからね。

金曜の24時。この土日は仕事以外の予定は無し。めっちゃ幸せだ〜誰にも縛られない。とりあえず寝たいだけ寝れる。昼くらいから仕事できればいい。美味しいもの食べたいな。今週は原稿系の仕事が多くて、もう頭がパンク。無。お風呂上がり、髪を乾かして、やっとベッドに横になる。愛しい人からの、「寝たかな、おやすみ」が来る。

ああ、幸せだ。全然全然足りてないけれど、でもこの一瞬はそれでいいんだ。連絡は麻薬なのかも。

そんなときに、ほぼ親友(言い方笑)からの着信。この時間にそいつから連絡が来るってことは「営業終わって、今から飲もう」ってこと。ここ5回位は断っていたけれど、土日の予定の無さから、速攻OKしてしまう。

愛しい人よ、私は寝ずに、出かけます。

「ポンソ好きでしょ?シェゾーのグリオット飲みたいんよ」ってことでまずはこちら。

グリオットって、美味しいときもあるけれど、これは“足りない”グリオット。美味しいけれど、要素が足りていない。
足りないくらいがいいのは人生とかだけかも。できればワインは満ち足りていてほしい。

足りないワインを飲んでしまうと、足りているワインを求めたくなるのは本当にあるあるで。

どこを見てもお宝があるセラーで、どのお宝を掘り出すか。シェゾーを埋めてくれるのは、ポンソでしょ。どちらかと言えばカジュアルに楽しみたかったから、ジュブレシャンベルタンの2009だったかな、をピックアップしたんだけど、でも、何よりも光っていたシャンベルタンクロドベーズがやっぱり気になる。どうやら良いらしいから、やーーいっちゃえ!ってことで、ベーズに。

そもそもですが、ポンソってベーズ作ってたんですね。ポンソ大好き芸人なのに、知らなかった…。

深夜のさとり

これは満ち足りているワインだ。泉。
透き通った赤。ポンソらしい赤。ポンソの甘み。
ピュアandクリーンな入り口、そして飲んだ後の凝縮のタンニンはまだ若々しい。

気がつけば外が明るくなっていて、翌日は久しぶりにかなりの二日酔いに苦しんだけれど、力強くもピュアなポンソと出会えたからいっか。

私は飲んでるときに印象をメモしておかないと忘れちゃう人間なのですが、翌日メモを見ると「旅の途中のクロドベーズ」なんて粋な言葉も最後に残していました。タンニンがこなれた頃に飲めたなら、このポンソはもっと素敵な液体になってるんだろうなぁなんて“たられば”を妄想しながら、今週も土日が終わって行くのでした。


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