高麗人参の栽培と利用風習[2019-07-13]

高麗人参の栽培と利用風習

朝鮮人参は数千年前から人々の疾病治療や予防に広く利用された朝鮮の伝統的な薬剤である。現在、多くの国と地域で朝鮮人参を栽培しているが、その中でも朝鮮の中部にある開城地方を第一産地として挙げているのは、開城地方がその栽培に適した特有の土壌と水質、天候条件に恵まれており、栽培法と加工法が独特であるからである。

朝鮮人参は高麗の首都(918年~1392年)であった開城地方で産出されたものといって「高麗人参」、または「開城高麗人参」とも呼ばれている。

昔、この地方の娘が松岳山で自生する、赤い果実のついた草の根を掘り出し、それを煎じて食べたが、長い間患っていた病が治った。その草の根が民間では神奇と呼ばれる山参(野生朝鮮人参)であった。山参にたいする需要が増えると、この地方ではその種子を採種して人工的に栽培しはじめたが、その時から朝鮮人参の栽培歴史が始まったという。

セリ目ウコギ科に属する朝鮮人参は多年生の植物であり、高さ30~60cmの茎に3~6個の葉が生え、地下部に根茎と根がある。花は3年目の時から咲き始める。

主要薬用部分である根は人間の姿に似ており、人間がそれを栽培するということから人参という名前で呼ばれたという。

朝鮮人参は日光に照り付けられるのを嫌い、森林の樹木の枝や葉の間に差し込む陽光を好む。また、朝日を好み、日暮れ時の日光を嫌う。水気を好んでいるが、多すぎた水気には弱い。

このような生理的特性に合わせてこの地方の人々は、山に直接種子を撒いて栽培する方法、土器の鉢や木箱に植えて自然・気候条件に即して位置を移動しながら栽培する方法、わら囲いで日除けをして畑で栽培する方法などを編み出した。また、種子を植えて薬効がもっとも高い6年目に収穫する6年生栽培法も編み出した。地域別に家々で祖先から譲り受けた自分なりの独特の栽培法で朝鮮人参を栽培している。

開城には、大規模の朝鮮人参栽培専門農場とGMP基準に合致する朝鮮人参加工工場、朝鮮人参研究所、開城高麗人参展示場、開城高麗人参特産物商店がある。高麗成均館には高麗人参学部がある。

朝鮮人参は人間の生体機能を調整する神経系統、免疫系統、内分泌系統の機能を回復させる作用をするので、健康・長寿にもっとも理想的な補薬とされている。

朝鮮人参の強い抗癌作用と抗放射線被害作用は、すでに広く知られている。

60余年の歴史を誇る開城高麗人参加工工場では開城高麗紅参粉、開城高麗原型紅参などの有名な紅参製品と開城高麗人参茶、開城高麗人参エキス、開城高麗人参シロップなど50余種の加工品を生産している。

年毎に増えている良質の加工品は人民の健康増進に向けられており、外国にも輸出されている。

朝鮮人は人参を様々な方法で加工して特色ある健康食品、健康飲料などにつくり、それを食生活に利用している。

朝鮮人参の薬効を最大限に高める方向で創造し、発展させた伝統的な料理としては、サムゲタン、人参入りの鶏湯煎、人参薬飯、人参チョングァ(正果)、人参の和え物など数十種がある。

朝鮮人参には0.05%くらいの香物質が含まれているので独特な香りがし、また皮膚保護と美容によい作用をするため、化粧品の生産にも広く利用されている。開城高麗人参化粧品は国内だけでなく世界的にも人気を得ている。

高麗人参の栽培と利用風習は国家無形文化遺産である。

朝鮮産の高麗人参はきく

朝鮮産の高麗人参は効果がある、私自身が試したんだから間違いはない。私が朝鮮の開城でサムゲタンを食べたときに、そのなかには鉛筆ほどの大きさの高麗人参が日本も入っていた。その薬効は確かなもので、開城から平壌に帰ってから、もうハツラツですごいものがあった。

朝鮮でどのように高麗人参が作られているかはDPRKNOW氏の動画

「人参を訪ねて、開城」を見ていただけるといいだろう、私の食べた、サムゲタンも出てくる。

ああ、あの旨くて健康によいサムゲタンをまた開城に食べに行きたいものである。

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