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第2回・文学フリマ大阪12に出す『少女の祈り』についてちょっと語る

今回の文学フリマで販売する『少女の祈り』は元々声劇用のシナリオとして書いたものだ。
声劇の界隈に於いて有名ライターでもなく、ヒット作が有る訳でもない、書くよりも演じる回数の方が俄然多い私の作品の中では、比較的多くの人に触れてもらった作品だと思う。
今は亡き声劇アプリに投稿した『少女の祈り』から私の事を知り、仲良くしてくれた人もいるくらいだから、この作品には感謝するところも多い。
今回はそんな『少女の祈り』に加え『処刑人の祈り』と『悪魔の祈り』も合わせて小説にした。

これが表紙

私は基本的にプロットを立てずに文章を書く。しかも、頭から順に書いていく。だから結末がどうなるのか、書き始めた時点では何も決まっていないことが多い。何かを表現したいだとか、書きたいストーリーがあることは本当に稀なことで『少女の祈り』も、「教会に悪魔が居たら面白くね?」というただそれだけの考えから書き始めたのだった。(書き始めた時点では教会だったが、私は教会を礼拝堂へと置き換えることにした。教会としてしまうと、なんとなく特定の宗教を思い浮かべてしまう気がして、それは良くない気がした……このお話はフィクションです!!)

最初は何も考えていないとはいえ、書き終わりまで何も考えていない訳ではないので、そこは安心して欲しい。そもそも滅茶苦茶な話なら人前には出せていない……。

それにこの作品。個人的には、悪くない出来だと思っている。綺麗に纏まっているんじゃないかなと自画自賛しておこう。(シナリオを演じるのは難しいと何度も言われたけれどね!)

『少女の祈り』の登場人物は少女と悪魔。二人サシの会話劇が完成して、悩んだ挙句に私はタイトルを『少女の祈り』とした。礼拝堂で女神像を前に祈る少女の話だから『少女の祈り』。まんまである。
束子にタイトルを付けるセンスが元々無いのはさておいて………一応これには理由もある。

少女が祈っている事は何なのか?

そこに焦点を当てて読んでもらうことが、この作品のストーリーを楽しむ一番の方法だと思ったからだ。
作中、少女が祈りっている事はふたつある。そのふたつを見比べて欲しい。
そして、少女の嘘にも注目してもらえたらと思う。

演じてスッキリするような派手な話ではないと思うので、声劇シナリオとしてよりも、小説として、読み物としての方が元々楽しめる作品だったのかもしれない。

今回小説版に書き直す際にも、その会話はほとんど削らずそのまま引用した。ストーリーの改変もない。やはりそこは元の声劇用台本として要素は残しておきたかったからだ。
なので、当時演じて遊んだよという人にも、初めて読んでみるよという人にも、抵抗無く読み進めてもらえると思う。

実は正式な続編としては発表していなかった『処刑人の祈り』も同様に会話をそのまま引用している。
シリーズ扱いしていない、声劇アプリが小説アプリに変更されるというゴタゴタの所為で、『処刑人の祈り』は2週間程しか人前には存在しなかった。
なので、こちらの知名度は『少女の祈り』よりもドン底に低いのだが……私という立場の人間が書いて良いのか!?と当時心配された。大丈夫ですよ、この話はフィクションですよ!!!!!

そして初めてお目見えの『悪魔の祈り』。この短編三作でこの話はひとつ完結する。

そう長い時間を取られず読んでもらえると思うのだが、私は『少女』➪『処刑人』➪『悪魔』のこのストーリーをあくまで無数にルートのひとつだと明言している。
他の話を交えることで、こうはならなかったルートも存在はしていて……この結末に至らないルートも当然のように存在している。あくまで、これはひとつの結末だ。

別のルートや別の結末も、いずれどこかに出せる日が来ればなと、個人的にはこっそり思っているのだが……どうなることやら。そこは私の気分次第。気も筆も乗る時にいつか書いてみようと思っている。
                     


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