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同志で集い、働く(part3) 「platform3」 (仕事文脈vol.25・特集1 どう、集まる?)

書店や飲食店など個人経営の店では、夫婦や男女カップルという単位で運営されていることが少なくない。そこでは男性が店主として表に立ち、女性は裏方というケースもしばしばだ。店を営むうえで、夫婦・家族経営、あるいは店主と雇われスタッフといった以外では、どんな関係性があるのか。共有する考えのもと、対等な関係性で店を続ける人たちに話を聞いた。(取材・文:編集部)


共通点も違いも見つめて「同志になれそう」な3人

platform3

種を蒔く人、水をやる人

東アジアを中心にフェミニズムやクィアなどをテーマにした本を扱うloneliness booksの潟見陽さんと、インディペンデントな出版ユニット(TT) pressの丹澤弘行さんとともまつりかさん。platform3は、その3人が東京・東中野ではじめた書店・オルタナティブスペースだ。

3人が親交を深めたのは、2023年夏のソウル。潟見さんがモデレーターを務めたZINEのワークショップに、丹澤さんとともまつさんが参加したことがきっかけだった。

潟見さんは大久保の自宅を使ってもともとloneliness booksを予約制の書店として運営していたが、いずれ予約制ではない店舗を持ちたいと考えていた。しかし一人ではなかなか計画が進まず、色んな人に「一緒にやりませんか」と声をかけていたという。この提案に興味を持ったのが丹澤さんだった。

「潟見さんから『(TT) pressで一緒にやるのはどうですか?』と言われて、面白そうだと思いました。最初はあまり現実味がなかったけど、次に潟見さんと会った時も同じ話をしていたから、ともまつさんにも伝えてみたんです」(丹澤さん)

話を聞いた時、ともまつさんは「楽しそうだけど、本当にできるのかなと思った」。そこで、まずは(TT) pressの2人でどんなお店だったらやりたいかを話し合った。

「自分がお店やスペースを運営をするとは考えたこともなかったけれど、この3人ならうまくいくだろうという予感がありました」(丹澤さん)

「色んな人に共同運営の話をしていましたが、その場では話が弾んでも具体的に動くことはなくて。2人は行動力があるから、どんどん進んでいきました。僕は自分だけだとなかなか動けないから、誰かがやってくるのを待っていたんでしょうね。種を蒔いたのが僕で、水をやってくれたのが2人です」(潟見さん)

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