通勤の破壊と創造/丹野未雪(仕事文脈vol.22)
東京の郊外に住み、鉄道で都心に通勤している。週5日、通勤時間は片道1時間。オフピークとはいえぎゅうぎゅうに混雑している車両に乗り、大きなターミナル駅で乗り換えて、会社へ向かう。月曜日から週末にかけ、少しずつ蓄積していく疲労と、帰途あるいは週末のささやかな解放感を得ることでしのいでいる、いたってありふれた生活だ。
緑が多く家賃が安い郊外から、都心部へ働きに出る。都市開発で謳われる「田園都市」を生きてるじゃん、と思う。なけなしの給料でやりくりする、「健康的で文化的な暮らし」。