一生のパートナーは窮地にこそ現れる
私は昨日釈放された。
薬物で逮捕された人が普通の生活に戻れる可能性は低いらしい。
『そんなの乗り越えてやる』
思って1日たったが思っていたのと現実は違った。
美月:今日も誰からも来てないか.....
メッセージを開いても誰からも何も届いてない。当たり前だ。
人として最低なことをしたんだから。
そう思い気分転換のためにも外を歩いていると
美月:(やっぱり人目って気になるな
そう思いフードを被ろうとしたその時、、
?:あれ?美月?
美月:え...?
?:やっぱ覚えてない?いちおう幼なじみなんだけど
美月:幼なじみってことは〇〇!?
〇:そうだよ
美月:めっちゃカッコよくなってる。久しぶりだね
〇:久しぶりだね
美月:元気にしてた?
〇:まぁそこそこには元気にやってたよ
〇:というか美月顔色悪いけど大丈夫?
美月:人目が気になってしょうがないんだよ
〇:(そういえば逮捕されたって母さんから聞いたな
〇:ニュースにもなってないんだから大丈夫だって
美月:そうかもしれないけど...
〇:そんなに気にするなら俺の家くる?色々話したいことあるし
美月:行こうかな
〇:了解
〇:ここが家だよ
美月:でっか!
〇:まぁね
美月:でも部屋のなかは汚いね笑
〇:片付けは苦手なんだよ
美月:昔と変わってないね
〇:片付ける癖が全然つかないんだよ
美月:なんか家おっきくてびっくりしたけどなんか安心したよ
〇:美月は?なんかかわった?
美月:悪い方にはね
〇:そっか
〇:答えたくなかったら答えなくていいんだけどさ...
美月:うん
〇:美月ってなんで捕まったの?
美月:仕事に疲れててさ.....それでパンクしそうになったときに....
〇:手を出したと
美月:ちがう
〇:え?
美月:HBDに出会ったの
〇:あーなんか今それちょくちょく聞くな
美月:それ使ったらさ、、すっごい楽になるの
〇:へぇー
美月:でも使っていくうちに物足りなくなってさ
〇:あぁ
美月:それで今度は薬を使ってみようかなってなっちゃって
〇:そういうことか....
美月:こんなやつが幼なじみでごめんね
〇:いいよ。というかむしろ僕にとっては大切な幼なじみだし
美月:ありがとう
今まで思ったことはなかったが〇〇が神様のように見える
美月:正直...もう誰とも話すことなく人生終わっちゃうのかなってまで考えてたから〇〇の言葉はすごくありがたいよ
〇:そうか
〇:でもなぁ
美月: ....?
〇:そんなに仕事きついならもっと早く相談しろよ
美月:ごめん
〇:どうせブラック企業でしょ
美月:今考えたらそうだった......
〇:僕に相談してくれたらこっちで雇ったのに
美月:え?〇〇って会社やってるの!?
〇:そんなに大きくはないけど社長やってるよ
美月:すごい....(私とは全然違うな.....
〇:そういえば仕事は決まったの?
美月:たぶん私なんか雇ってくれるとこなんてないよ
〇:んー
〇:じゃあ僕のとここない?
美月:いいの?
〇:うん
美月:じゃあ行きたい!ちなみにどんな仕事なの?
〇:今の美月にはちょうどいい仕事だよ
美月:?
〇:秘書だよ
美月:なんで秘書が私にちょうどいいの?
〇:今は色んな人がいるとこでは仕事したくないだろうからだよ
美月:そういうことね。助かるよ
〇:でもまさかクラスの絶対的マドンナがこんなふうになるとはねぇ笑
美月:マドンナなんかじゃないから
〇:どこがだよ笑
〇:少なくとも俺とはクラスメイトからの扱われ方違ったぞ?
美月:それは〇〇がかわってる人なだけ
〇:それはそれでなんか嫌だな
美月:でもそのおかげで私は明日から働けるんだけどね
〇:明日からよろしくな
美月:うん!
ー次の日ー
美月:今日からこの会社に就職させていただきます山下美月ですっ!
〇:そんな真面目に挨拶しなくていいのに笑
美月:会社に就職するわけだししないとかな〜って
〇:それは2人だけのときじゃなくて営業の人とかと会うときにやって
美月:わかった
美月:にしてもデカい会社だね
〇:そうかな?
美月:うん。でもこんなデカいのに今まで秘書いなかったの?
〇:いたけど出産きっかけで辞めたよ
美月:そうなんだ
それから仕事をし夜になり
美月:秘書って意外と暇だね
〇:俺が同業者とあんまり関わりないから外出する予定も入らないしな
美月:こんなのでお金もらうの申し訳ないなぁ
〇:んーじゃあ経理かどっかの仕事手伝う?
美月:経理なら簿記が活かせる!
〇:何級とったの?
美月:2級
〇:ほぉほぉ
〇:ただ仕事はここ(社長室)ですることになるけど
美月:わかった
〇:でも絶対無理だけはするなよ?
美月:大丈夫だって
〇:ストレス感じたらすぐ言えよ
美月:心配してくれてありがとね
〇:まぁ俺くらいしか心配してくれる人いないもんな
美月: .....
美月:感動してたのに急に現実つきつけるなー!
〇:やっぱ弱みは握っとかないとな笑
美月:トンデモ企業だ
〇:まぁそんなひどいことはしないけどね
美月:〇〇が昨日からずっと神様に見えてたのに今はコレに見えたよ
〇:どれどれ?
美月:コレ
〇:怖っ
〇:俺こんな怖くないよ
美月:私にはこう見てたの!
〇:今後気をつけます
美月:フフ
〇:なんか秘書の尻に敷かれてる感がすごいんだけど
美月:変態!
〇:なんでだよ!
〇:とにかく明日もよろしくな
ー次の日ー
カタカタカタ
〇:タイピング速いな
美月:前の会社だとこの速さでも残業だらけだったよ
〇:ウチの会社の2日分くらい働いてたんじゃない?
美月:たぶんやってるね
〇:そりゃ〜ストレス溜まるわ
ー3時間後ー
美月:ハアハアハア
〇:美月
美月:(やばい....仕事するとやっぱ欲しくなる...
〇:美月っ!!
美月:んん!?
〇:ちょっと休憩しよ
美月:いやまだ.....
〇:ダメ! 一旦休憩だ
美月:わかった
〇:完全に発作起きてただろ
美月:うん.....
〇:紛らわしになるかわかんないけどとりあえずコーヒーとお菓子用意した
美月:ありがとう
〇:禁断症状みたいなのって本当に起きるんだな
美月:私どんな感じだったの...?
〇:覚えてないの!?
美月:うん
〇:息が切れててちょっと苦しそうだったし手が震えてたよ
美月:やっぱ私ダメダメだね
〇:なんで?
美月:みっともないじゃん。人の前でそんなことになって、、、
〇:でも1人だったら使ってたでしょ?
美月:どうだろう、、でも使ってたかも
〇:じゃあ俺がいてよかった
美月:うん...〇〇でよかった
〇:止めた時の症状って他にあるの?
美月:なんか太るらしいよ
〇:ストレスの解消の矛先が暴食に変わるのかな
美月:太るの嫌だなー
〇:じゃあ帰りにお化け屋敷いく?
美月:なんでそうなった?笑
〇:叫んだらストレス解消になると思ってさ
美月:〇〇が行くならいく
〇:提案者だし行くよ
美月:じゃあ決定!
〇:なんか余裕そうだね
美月:お化け屋敷なんて所詮人が作ったものだからね
〇:そういうことをゆーな
美月:はーい笑
そして定時になり
〇:お化け屋敷なんて久々くるな
美月:うん....
〇:最近のお化け屋敷どんな感じか気になるし行こう!
美月:そうだね....
いざ中に入ると
美月:ギャーっ!!
〇:美月怖くねぇんじゃなかったのかよ!
美月:こわいー
〇:こどもか!
スルスルスル👻
美月:ギャー!!
〇:耳が終わるからちょっと声抑えろ
美月:声下げようとしても ギャー!
〇:...もういいや、早く行くぞ
そういって手を握る〇〇
美月:うん!
〇:やっと出れた、、けど鼓膜が....
美月:喉が.....
〇:お互いダメージおってんな
美月:でもストレスは解消できたかも
〇:ならよかった
美月:でもすごい疲れた
〇:あんだけ叫んで疲れない方がおかしいだろ
美月:今日はすぐ寝れそう
〇:寄り道せずに帰れよー
美月:小学生じゃない!
〇:笑笑
〇:またな
ー1年後ー
ロビーを歩いていると
女社員:社長ー!
〇:ん? あ〜経理の(女社員)さんか
女社員:覚えてもらえてるんですね。ありがとうございます
〇:頼れる社員さんだから覚えてて当然だよ
女社員:いやいやそんな
〇:ところで僕になんか用?
女社員:今年の決算のことなんですけど
〇:あーうん
女社員:帳簿残高と実際有高が誤差なしでした
〇:おーよかったよかった
〇:ありがとう
女社員:山下さんのおかげですよ
〇:なんで美...山下さん?
女社員:山下さんミス見つけるのが速くて何回もミスみつけてもらってるんです
〇:山下さんすごいな
女社員:あの人をとってきた社長さすがです
〇:たまたまだよ
女社員:そうですかー?
女社員:秘書の仕事もミスなしだしあんな人になりたいです
〇:それ山下さんに言ったら喜ぶよ
女社員:今度言っときます!
〇:そうしなー笑
女社員:それでは失礼します
〇:はーい
話し終わる頃には社長室につき
美月:さっき(女社員)さんと話してたでしょ
〇:うん。決算のことだった
美月:なんだそのことか....
〇:なに?俺が女の人と話してて嫉妬したの?笑
美月:そんなことは、、、ある
〇:一応社長だから許してくれ
美月:うん
〇:そういえば美月みたいになりたいって(女社員)さんが言ってた
美月:私なんかに?嘘でしょ?
〇:本当だよ
美月:こんな人生どん底まで落ちたような人になりたいなんてかわってるね
〇:でもそこから這い上がってるじゃん
美月:まぁね
〇:それにこれは個人的な意見だけどアレ使ってる奴って何かに秀でてる人な気がするんだよね
美月:例外がここにいるよ?
〇:美月だってすっごい仕事できるじゃん
〇:前の会社ではそれが適正評価されてなくて美月が空回りしてただけ
美月:そっか。〇〇はそういう考えなんだ
〇:でも美月だからっていう補正もあるかもだけどね
美月:どういうこと?
〇:俺美月のこと好きだもん
美月: 、、え?
〇:中学の頃にはもう好きだった
美月:そのとき言ってくれればよかったのに
〇:言えるはずないよ。失敗する気しかしなかったし
美月:そんなことは無いと思うよ?
〇:なんで?
美月:だってそれ両想いだもん
〇:うそ!?
美月:両方が片想いだったんだね
〇:なら言えばよかった...
美月:でもこうやって伝えてもらって嬉しいよ
〇:なら付き合ってくれる?
美月:もちろん!
〇:立派なところで告白...とかじゃなくてごめんね
美月:ハハ
美月:そんなの〇〇にも私にも似合わないよ笑
〇:たしかにそうかも笑
〇:これからが楽しみだよ
それから美月は再犯することなく会社は今まで以上の勢いで業績をあげていた
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