日本のマネーの循環
日銀の資金循環統計を比較して、この2年で日本のマネーがどう動いたのか見ていきます。
まず2018年12月末時点での資金循環
次に2019年12月末時点での資金循環です。
資本主義社会の宿命でもあるマネーサプライの増加に伴って、家計や企業の金融資産は増えています。
金融資産の増加
家計
2018年末、1830兆円
2019年末、1903兆円
73兆円の資産の増加
企業(民間非金融法人企業)
2018年末、1142兆円
2019年末、1240兆円
98兆円の資産の増加
一般政府
2018年末、565兆円
2019年末、631兆円
66兆円の資産の増加
金融負債の増加
家計
2018年末、321兆円
2019年末、328兆円
7兆円の負債の増加
企業(民間非金融法人企業)
2018年末、1632兆円
2019年末、1835兆円
203兆円の負債の増加
一般政府
2018年末、1304兆円
2019年末、1328兆円
24兆円の負債の増加
金融資産の増減
ネットで見ると、
家計
+66兆円
66兆円の資産の増加
企業
-105兆円
105兆円の負債の増加
一般政府
+42兆円
42兆円の資産の増加
でした。
俯瞰してみると、企業が借り入れを増やして信用を創造しマネーサプライを増やす主体となっています。
また、一般政府=中央政府+地方公共団体+社会保障基金ですが、その全体で見るとB/Sは改善されてますね。
気になるのは、預金取扱機関(民間銀行)が、証券を全然増やしてないことです。
証券には、「株式」及び「債務証券」が含まれますが、預金取扱機関の場合は、主に債務証券の国債になります。
つまり、保有国債を増やしてないということになります。
増やしてないのは、単純です、利益にならないからでしょうね。
そもそも日銀の金融緩和が大きく縮小している面もあります。
2018年末、511兆円
2019年末、538兆円
1年間で27兆円しか増やしていないですね。
これぐらいの緩和なら、白川日銀総裁時代にもやっていた量です。
また、それを主に引き受けたのは保険/年金基金と公的金融機関など。
国債を公的機関が主に引き受けているということは、実質上のヘリコプターマネーとも言える状態になってますね。
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