No,87【辛い時こそ笑わなくちゃ 三話】
僕と妹は東京にボロアパートで一緒に暮らす生活が始まった。
妹は中学3年だったがまだ学校に行きたくないと言い、
家にいることになった。
残り2ヶ月で高校生になる。
家でも高校に行くための勉強はできる。
一生懸命勉強していた。
目標が見つかったような気がして僕は本当に嬉しかった。
そして、僕はと言うとここまで色々なことを経験して
本当に自分がやりたいことはなんなのか考えていた。
たどり着いた考えは芸能界に入りし有名になること。
この考えに至ったのは、もう後悔や悲しみに暮れたくない気持ちが
強かったからだ。
だから、漠然な目標でいいから『有名人』になりたいと思った。
僕は東京に何人か知人がいた。
まずは劇団入りし俳優業を磨き注目を集める作戦に出た。
ここに関しては結構あっさり決まった。
友達の紹介で劇団に入ることが決まったのだ。
友達は大歓迎してくれた。本当に感謝している。
僕は俳優業と夜のバイトを始めた。
キャバクラの黒服だった。
別にこの世界が好きなわけではない。
しかし夜の世界にはいろんな人が居て、
いろんなことを知ることができる。
だからこそ、この黒服のバイトを選んだ。
そんなこんなんで、自分の好きなことをやれて
少し充実してきたと感じて居た。
妹は自分で制服が可愛いと言う理由で好きな高校に入学し
学費も問題なく足りた。
今は妹もバイトを始め自分の分をしっかり稼いで居た。
お互いが好きな未来に進めている気がして昔より
気持ちの変化があった。
『東京にきてよかった。』
心から思えた。
そして、自分の俳優業も慣れてきた頃主役ではないが準主役的な役を出来ることが決まった。
とても嬉しかった。
僕はこのとき誰かに自分の姿を見てもらいたいと言う気持ちが強くなって居た。
承認欲求って言うやつなのかな。
僕の地元の北海道に親友がいる。
その友達に『東京で劇をやるから見にきて欲しいと連絡した』
すると『必ず行く。楽しみにしてる。』
返事は早かった。
僕はなんだか胸が熱くなった。目頭が熱くなった。
自分の存在を示すんだ。自分がここにいるんだ。
そして、ここから始まるんだと。
そして、今日親友が演劇を見にくる日だ。
どう思ってくれるかな。全力で頑張るだけだ。
よし。やろう。
三話 完