記事一覧

#20【サンフレッチェ広島レジーナvs INAC神戸レオネッサ|試合レビュー】勝利を手繰り寄せる修正と徹底|2024-25年WEリーグカップ決勝
WEリーグ杯決勝・INAC神戸戦は、先週の皇后杯に続いて同じ相手と戦うイレギュラーな状況となった。皇后杯では神戸のゲームコントロールに苦しみ、スコア以上の実力差を示される結果となったため、広島としては戦術面だけでなくメンタル面の切り替えが必要な試合である。 スタメンでは、怪我で出場が危ぶまれた中嶋が先発に復帰し、その他ではボランチに柳瀬、左SHに松本が入った。 前回の反省を踏まえたコートチェンジ大した話ではないが、前半広島はコートチェンジを選択した。理由としては、国立競技

#19【サンフレッチェ広島レジーナvs INAC神戸レオネッサ|試合レビュー】ゲームコントロールで生まれる差|第46回皇后杯準々決勝
皇后杯準々決勝・INAC神戸との試合はレジーナにとっては懐かしさもある広域公園第一球技場(現:サンフレッチェビレッジ)で行われた。INAC神戸はフェロン体制2年目のシーズンで、ゲームコントロールを軸にした巧みな試合運びで勝ち重ねる強豪だ。 前回対戦のリーグ戦第1節では、組織的なハイプレス戦術によって試合全体を通して優位に立ち引き分けに持ち込んだため、苦手意識がある相手ではない。 スタメンでは水曜日に行われたリーグ戦の影響もあり、島袋・古賀・李の3選手がスタメンとなった。温

#18【サンフレッチェ広島レジーナvs大宮アルディージャVENTUS|試合レビュー】当たり前の基準で差をつける|2024-25年WEリーグ第9節
WEリーグ第9節の大宮アルディージャVENTUS戦は、台風の影響で延期となった一戦だ。年末に皇后杯とWEリーグ杯・決勝を控える中で、過密日程ではあるものの、勝利を収めて勢いをつけたいところである。 スタメンでは、中嶋がベンチ外となったが(おそらく温存)、左山が2試合ぶりのベンチ入り、皇后杯では出場がなかった柳瀬・小川がスタメンに復帰となった。 優位に立つための守備とトランジションの設計試合全体のキーポイントになっていたのが、コンパクトな守備組織とトランジションの設計だ。今

#17【サンフレッチェ広島レジーナvs三菱重工浦和レッズレディース|試合レビュー】流れを取り戻す粘り強さ|2024-25年WEリーグカップ準決勝
連覇をかけて戦うWEリーグ杯準決勝が、2024年10月に開業したばかりの長崎のピーススタジアムで開催された。相手は1ヶ月前のリーグ戦で悔しい敗戦を喫した浦和レッズレディースだ。 スタメンでは、アンカーの笠原が復帰を果たしたが、CBの左山がベンチ外となった。その他には、普段は控えに回っている立花や松本、中村がスタメンに名を連ねている。 想定以上の結果を生んだ前半戦前半の展開としてはリーグ戦での対戦と近い構図となった。ボールを保持して攻め込む浦和に対して、広島はブロックを敷い

#16【サンフレッチェ広島レジーナvs日テレ・東京ヴェルディベレーザ|試合レビュー】やるべきことの徹底を|2024-25年WEリーグ第11節
1ヶ月間勝利から遠ざかっている状況で迎えるWEリーグ第11節・日テレ・東京ヴェルディベレーザ戦。 今季はカップ戦で2試合を戦い1分1敗と負け越しているが、メンバーを入れ替えた上での善戦を繰り広げたため、悪いイメージはないため、前回の対戦のように規律を保った守備から相手の隙を突くカウンターに勝機を見出したい所だ。 スタメンでは、怪我で離脱していた市瀬選手が2試合ぶりに復帰した他、笠原選手・渡邊選手がベンチ外となった。松本選手はリーグ戦今季初先発。 リスク管理を意識したベレ

#15【サンフレッチェ広島レジーナvsAC長野パルセイロレディース|試合レビュー】変えるべきは攻撃の”意識”|2024-25年WEリーグ第10節
直近3試合で2分1敗と悪くないゲーム内容ながら勝利から遠ざかっている中で迎えるWEリーグ第10節。今節の相手はカップ戦も含めて今季3度目の対戦となるAC長野パルセイロレディースだ。 カップ戦では2戦2勝と快勝したものの、長野も直近では公式戦3連勝中と広島とは対照的に勢いに乗っている。広島としては長野のコンパクトな守備を掻い潜りながら、ピッチを広く使った攻撃を仕掛けたい。 スタメンでは、怪我で離脱中の市瀬選手に代わって2試合連続で呉屋選手がCBに入り、次節以降のベレーザ・浦

#14【サンフレッチェ広島レジーナvsジェフユナイテッド市原・千葉レディース|試合レビュー】進歩と停滞のスコアレスドロー|2024-25年WEリーグ第9節
ベレーザ・浦和と続いた2試合で1分1敗と、快調だった開幕後と比較すると、流れが良くない中で迎えるWEリーグ第9節・ジェフユナイテッド市原・千葉レディース戦。前節の悔しい敗戦を払拭するためにも、是が非でも勝利が欲しい一戦である。 対する千葉はスペイン人指導者のイスマエル監督来日2年目のシーズンでもあり、攻守においてコレクティブをサッカーを志向している難敵だ。 スタメンは前節で怪我をした市瀬選手に代わり呉屋選手が左CBに入り、柳瀬選手がスタメン復帰となった。 中央を封鎖しな

#13【サンフレッチェ広島レジーナvs三菱重工浦和レッズレディース|試合レビュー】その差は実力か、ディテールか。|2024-25年WEリーグ第8節
WEリーグ第8節・三菱重工浦和レッズレディース戦は前半戦の正念場だ。中2日で迎える試合ではあるが、首位争いに食らいつくためにも負けられない。 さらに、前年のリーグ王者でもある浦和L相手に、今季積み上げてきたサッカーがどれだけ通用するかを確認する上でも重要な試合である。 スタメンは左SHに早間選手が入った以外はいつものメンバーだ。浦和LはCBの高橋選手がFWで出場していた。(ビルドアップが下手な高橋選手がCBであればボールを押し付けて嵌める選択ができたけど当てが外れた。チク

#12【サンフレッチェ広島レジーナvs日テレ・東京ヴェルディベレーザ|試合レビュー】ミッションコンプリート|2024-25年WEリーグカップ第6節
WEリーグ杯第6節の日テレ・東京ヴェルディベレーザ戦は、グループリーグ突破に向けた大一番である。広島としては勝ち点1差でグループ首位に立っているため、引き分け以上であれば準決勝進出が決まる。 スタメンは大胆なターンオーバーを敢行した。次節に中2日で浦和戦が控えているのに加えて、前回のホーム・ベレーザ戦では負けたものの、ターンオーバーでも互角に戦えていたのが選考の理由と考えられる。 ゲームプランとしては保持で強みを出せる面子ではないため、守りを堅めながら無失点を目指していく

#11【サンフレッチェ広島レジーナvsAC長野パルセイロレディース|試合レビュー】コンパクトな守備は広げて攻めろ|2024-25年WEリーグカップ第5節
公式戦10試合を終えて7勝2分1敗と上々のスタートを切っているサンフレッチェ広島レジーナ。11試合目となるWEリーグカップ第5節・AC長野パルセイロレディース戦は、カップ戦の連覇を狙う上で負けられない戦いだ。 長野は今季の初戦で快勝した相手ではあるものの、コンパクトで粘り強い守備は簡単には崩せない。広島としては冷静にボールを動かしながら相手の守備を攻略したいところだ。 スタメンは前節から大幅に変更しており、ほぼターンオーバーといった陣容である。次の週には中3日・中2日の3

#10【サンフレッチェ広島レジーナvsセレッソ大阪ヤンマーレディース|試合レビュー】相手の守備のルールを攻略して圧倒|2024-25年WEリーグ第6節
WEリーグ第6節の相手は昨季4戦4勝と相性が良いセレッソ大阪ヤンマーレディースだ。”西のベレーザ”と勝手に呼んでいるが、ほぼユース出身選手で構成されたチームは、細かな連携に強みがあり、個々の選手の技術も充実している。 広島としては4連勝中(全て無失点)で波に乗る中、安定した守備から試合を作っていきたいところだ。 スタメンは前節からの変更では、右SBに近賀選手ではなく、塩田選手が入っている。(※10/22に近賀選手の怪我が発表されました) コンパクトなプレスで自由を奪う序

#9【サンフレッチェ広島レジーナvsアルビレックス新潟レディース|試合レビュー】相手への対応と的確な修正|2024-25年WEリーグ第5節
3勝1分の負けなしで臨むWEリーグ第5節。相手は昨年WEリーグ杯決勝で死闘を繰り広げたアルビレックス新潟レディースだ。 新潟は橋川監督就任後、男子チームと似通った価値観で丁寧なボール保持を展開するチームに生まれ変わっており、一筋縄ではいかない厄介な相手でもある。 広島としては今季積み上げている守備戦術を中心に流れを掴みながら、相手の保持の隙を突くカウンターで得点を狙いたい所だ。 スタメンでは、SHが立花選手ではなく上野選手は入っている。立花選手のパフォーマンスが上がって

#8【サンフレッチェ広島レジーナvs大宮アルディージャVENTUS|試合レビュー】相手の配置と可変を攻略した攻撃の形|2024-25年WEリーグカップ第4節
WEリーグ杯では、前節のベレーザ戦で敗れたため、これ以上の敗戦は許されない状態で臨む第4節大宮戦。スタメンはこれまでの主力組と控え組のミックスした陣容だ。 そして、U-20W杯帰りの早間選手が今季初先発。クオリティのある左足で先制点を演出し、自身のスペシャリティを示した。 試合全体を通しては、保持では相手の守備構造を見極めた攻撃を展開し、非保持では規律あるプレッシングで大宮の攻撃を封殺した。大宮のシュートを3本に抑え、1−0ではあるものの内容としては完勝と言えるだろう。

#7【サンフレッチェ広島レジーナvsノジマステラ神奈川相模原|試合レビュー】狙い所の共有と変更|2024-25年WEリーグ第4節
リーグ戦はここまで3節まで終わって2勝1分と負けなしをキープしており、好調な滑り出しとなりましたが、トップ3に食い込むためにはできる限り負けない試合を続けなければなりません。 今節の相手は昨季シーズンダブルを達成した「ノジマステラ神奈川相模原」。特に苦手意識はないものの、昨季途中から監督が代わり、強度の高いプレッシングをベースに戦うスタイルに変わっているため、どのような試合になるか気になる所です。 前節からのスタメン変更はFWの「髙橋選手→上野選手」のみ。徐々に吉田監督の