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<夫婦の顔が似る理由>eDNAと霊魂の正体


<夫婦の顔が似る理由>
長年連れ添った夫婦はどことなく顔が似てくる、、、年を取ると笑い方や歩き方まで似てきます。犬と飼い主然り。その謎を解く鍵が、近年やっとその挙動が解明され始めたeDNAにあるというのが今回の新説です。
さらには、多くが”迷信”として片付けられてしまっているもののいまだに世界に溢れ続ける、”霊や魂に関する噂話”たちの根拠となる可能性をお話しします。
このeDNA、まだご存知ない方が多いかもしれませんが、都市伝説業界(ひいてはスピリチュアル業界含む全てのとんでも業界)にとって一筋の光明となりそうです。

前談:蝶と死者の魂

まずは私の【体験談】からお話させてください。
祖父の葬儀でのこと。火葬場で祖父の棺を見送った直後、足元に一匹の蝶がいることに気づきました。火葬炉前の室内にどうやって入ってきたのか、踏まれてしまうかもしれないと思い手に乗せると、逃げることなくついてきます。庭に出ると植栽に向かって蝶は自然と飛んでいきました。
毎日たくさんの方が燃やされ灰になっていくこの場所に紛れ込んだ一匹の蝶。亡くなった誰かの魂が蝶に乗り移って、家族の元に舞い戻ってきたような気持ちがしました。

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西洋・東洋問わず、蝶は昔から死者の使いと呼ばれてきました。

仏教では極楽浄土に魂を運んでくれる神聖な生き物として、が仏具にあしらわれていたり、古代ギリシャ語で蝶を表す「ψυχή(プシュケ)」は「霊魂、心、精神」を表す単語と同一であったりします。

日本でも、不思議なことに『万葉集』『古今和歌集』『新古今和歌集』のいずれにも蝶(古名:かわひらこ)に関する歌は収められていません。これに対し、中世史家の網野善彦は「人の魂と考えられ、むしろ不吉とされていたからではないか」と語り、また、小説家丸谷才一の論考では「蝶は漢語で、和語はカワヒラコであった。しかしカワヒラコは死者の魂であるとされ、その名前を口にだすこと自体が禁忌とされ、そのうちに言葉そのものもすたれてしまい、死者の魂であるというイメージが薄れてからも、そのものを呼ぶための和語が見つからなくなってしまった。」と推測しています。

Googleで「蝶 死者」などと検索すると蝶が知人の魂を、という体験談が次々と出てきます。迷信といえばそれまでですが…、時に迷信という言葉は不都合な真実を隠すのにちょうどいいフタでもあります。きっと何かがあるという好奇心をくすぐります。

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   前談:蝶と死者の魂   
   Ⅰ. 魂の運び手としてのDNA

   Ⅱ.ウイルスから見たDNAの挙動
   Ⅲ.夫婦の顔が似てくる理由


Ⅰ. 魂の運び手としてのDNA

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①ハダカデバネズミのeDNA研究
今年(2021年)、空気中から動物のDNAを採取できたとする研究成果が発表されました。

英ロンドン大学クイーン・メアリー校(QMUL)のElizabeth L. Clareらの研究チームによるもので、ハダカデバネズミの生態研究の為、空気中のDNA採取を研究していたところ、ハダカデバネズミのDNAと同時にヒトのDNAが研究室内の空気中から採取された。そもそも空気中から動物のeDNAを検出した研究は初めて。
(eDNAir: proof of concept that animal DNA can be collected from air sampling [PeerJ] https://peerj.com/articles/11030/)

これら環境から間接的に採取されるDNAは、eDNA(環境DNA、environmental DNA) と呼ばれ、これまでにも水中には、その環境に生息している生物のDNA断片が多く含まれていることが確認されてきました(排泄物に含まれているものや、脱落した細胞のもの)。

今回の研究成果は洞窟内で生息するハダカデバネズミなど、到達困難な領域の生態系調査に役立つことに加え、eDNA活用全般の可能性を広げる進展と言えるそうです。

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Purpose-built eDNA sampling system

また、これまで体液や毛髪など物理的なサンプルから採取されてきたDNAが空気中からも検出可能になることは(混在するDNAの特定など課題はあるものの)、法医学や犯罪操作の分野でも実用化が期待されています。


②DNAの吸入・摂取方法
DNAと魂の関係について、かたや遺伝情報を運ぶ糖リン酸塩基からなる物質であり、観念としての魂はまだ科学的には証明されていないいわば迷信に過ぎません。
それでも多くの人がこの世界には物質以上の何かがあると信じていることも事実であり、たとえば、今回の空気中のeDNA発見という知らせが何かの糸口になりうるのではと期待してしまうわけです。
具体的には、eDNAという存在が、祖父の面影や先祖代々の記憶を運ぶ設計図としてのDNAと、過日火葬場で見た不思議な蝶を結びつけるキーワードになりえないだろうかという話です。魂という存在もまた、「まだ」証明されていない現在の科学の先にある可能性は十分にあります。

さて、火葬場に舞う死者のDNAの断片が蝶の体に入ったとき、何が起こるのでしょうか。

空気中に存在するeDNA、その挙動については未知に包まれているわけですが、そもそもDNA自体は、ごくありふれた物です。DNAは全ての細胞内にあり、およそ生物に由来するものには全てDNAが内包されていると言ってよく、日々の食事も言ってみればDNAの詰め合わせです。
とは言っても、食品として摂取されたDNAは糖と核酸塩基に分解されて吸収されるため、食品のDNAが人体のDNAに取り込まれるということはないとされています

最近は下火になっていますが、遺伝子と食品に関して「遺伝子組み替え問題」が話題になりました

キャプチャhttps://www.sankei.com/

<厚生労働省>は食品安全法にのっとり、国内に流通する遺伝子組み替え食品に関しては、アレルギーなどの健康被害のないこと、直接間接的な有害のないことなどを評価したもののみであり、遺伝子組換え植物とアレルギーや発がん性の関係を証明する科学的なエビデンスはないとしている。

では、それで話は終わりでしょうか?
根強い遺伝子組み替え食品に対する拒否感の背景には「安全とは言えない」という考えがあります。いくら危険でないことが説明されたとしても、私たちはまだ遺伝子組み替えの第一世代であり、今後の子孫に対する影響は未知数であること、これが「できれば遠慮」される背景であると言えます。
そしてそれは多くの新技術に対してなされる一般的な反応でもあります。

すぐに「安全性」を歌い上げるのはそれによって利益を得る人々であるという直感は大衆の知恵でもあります。
厚生労働省もまたその例外ではなく、多くの利権が絡む組織であることは周知の事実です。遺伝子組み替え食品の普及を前提とした結論ありきの「安全神話」を疑うことは、体制の奴隷とならない為の自律であります。
そして体制からは専ら迷信として片づけられてしまう「都市伝説」こそ大衆に残された切り札と信じてやみません…

…少し興に乗りすぎてしまいました。
話をDNAに戻します。

eDNAは動物の断片が空気中にもあるということを突き止めたわけですが、それは大発見というより、DNAの挙動としては至極当然の結果でした。

気になるのは、そのeDNAが他の生体に入り込むと何が起こるのか?
現時点の科学では「外来DNAは既存DNAに組み込まれることはない」の一点張りですが、そもそもDNAの研究は1953年のDNA構造の発見から2003年にようやくヒトの遺伝情報であるヒトゲノム解読が完了したところであり、まさに発展途上の領域です。【未知】が答えと言えそうです。

多種多様な生物に由来する外来DNAがeDNAとして空気中に漂う世界で、それらが人体に入り込んだ時どのような影響を与えるか、これからの研究が待たれます。

さて、ここからもう一つの微小物質の領域である「ウィルス」から空気中のDNAの挙動について考察します。ウィルスは何を隠そう最小単位のDNA(遺伝情報)伝達物質なのです。

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   前談:蝶と死者の魂
   Ⅰ. 魂の運び手としてのDNA
   Ⅱ.ウイルスから見たDNAの挙動
   Ⅲ.夫婦の顔が似てくる理由


Ⅱ.ウィルスとDNA

①ウィルスの生態
ウィルスは遺伝子情報(DNAもしくはRNA)と最小限の殻(タンパク質)で構成されます。ウィルスは自身のDNAを複製することを目的にしていると考えられ、宿主の細胞を借りることで初めて子孫を残せるという存在です。

画像5https://bio.nikkeibp.co.jp/

2020~2021年世界最大の関心事となったコロナウィルスですが、多くの謎に包まれたウイルスの生態もまた近年明らかになってきているところです。

2020年、東京大学医科学研究所 感染症国際研究センター システムウイルス学分野の佐藤准教授らは、大規模な遺伝子発現データの解析により健常なヒト体内に常在するウイルス群の様相を網羅的に解明したと発表した。
ヘルペスウィルスなど耳なじみのあるものも含めて少なくとも39種類以上のウィルスが健康な人体に常在していることが判明。居場所は肺や肝臓などほぼ全ての臓器で感染が確認された。

先の項であった、外来DNAが既存のDNAに取り込まれることはないという話に対して、同じ細胞内に同居することがむしろ一般的であるというこの事実は、科学の二面性を見せつけられているようです。外来DNAは取り込まれることはないが、取り込まれることもある、と言うのです。


②コロナ禍で詳らかにされた濃厚接触の人間性

画像6富岳によるエアロゾルシミュレーション:理化学研究所・豊橋技術科学大学・神戸大学

空気感染、3密回避、濃厚接触。どれもコロナ禍においてフィーチャーされたキーワードです。今ウィルスと言ったら、切り離せない新型コロナウィルスの話題ですが、これらのキーワードは
*実際には触れ合わずとも、多くのウィルスが人と人の間で交換されている
ということと
*人間的な交流の多くがそれに該当していた
という事実を浮き彫りにしました。

ウィルスとeDNAもまた似て非なるものであるということを忘れてはいけませんが、人間同士の密接な交流によってeDNAの接触・交換もまた行われているということは容易に想像されます。
飲み会がウィルスの感染経路としてやり玉にあげられるのは、それだけ飲み会が濃厚接触の場であるという証左です。そうしてウィルスと共に大量の
さて、もしあなたがDNAの遺伝情報を瞬時に読み取るという能力を持っていたとしたら、eDNAが容易に交換される飲み会という場では、摂取した相手のDNAからも相手の特徴が確認できます。相手の視覚情報や交わす言葉、そこに加えてDNAの形質も感じ取れたなら、それは初対面の人同士でもすぐ打ち解けてしまうという飲み会特有の現象が起きる理由になりえます。


Ⅲ. 夫婦の顔が似てくる理由


さて表題の「夫婦の顔が似てくる理由」について。

食べるものが同じ。キッスやセックスといった濃厚接触だけでなく同室内での日常生活全般を共にすることによる空気的な接触。これら全てにおいてDNAの交換と摂取が起こっていると考えられます。それはつまりお互いのDNAに常に曝露されている状態です。

その、大量に摂取された特定(配偶者)のDNAが人体に影響を与えた結果として夫婦の顔が似てくるのです。

犬と飼い主の顔が似てくることもまた同じ理屈であり、
もっと言えば飲み会で意気投合する不思議、マインドコントロールができる理由、はたまた巫女さんイタコさんの秘儀やあなたを守護する背後霊、霊や魂の存在までもがeDNAの所作として語られるかもしれません。
霊や魂が人やモノに乗り移る時、そこに物理的な媒体としてeDNAがあるとしたら、、
怪奇現象、迷信、霊的なものとして片づけられていたたくさんの事柄が科学的に解明される糸口になりえます。

斎場の蝶がDNAの欠片を運んでいく。それは亡くなった人の魂かもしれない。何も語らないが、ひらひらと名残惜しそうに飛んでゆく。
共に都市伝説が都市伝説でなくなる時を目撃しましょう。

                             (都築家)




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