LINEヤフーは卒業しますがエンタメPMキャリアは歩み続けます
2024年11月末日をもって僕はLINEヤフー(入社時はLINE)を卒業します。
2020年に新卒入社してから約4年半、内定者アルバイト時代を含めると約5年半様々な経験と出会いがありました。本当にお世話になりました。
有休消化期間がもう終わってしまうので、在職期間を振り返りつつ今後の意気込みを書いていこうと思います。
LINE × 音楽にこだわった5年半
初めてLINEという会社で働いたのは2018年のサマーインターンでした。
就活時から好きなドメイン × 企画職という軸を持っており、エンタメサービスの幅とタッチポイントの大きさという魅力からLINEのサマーインターンに参加しました。
会社の雰囲気を実際に感じて志望度が非常に上がったことを覚えています。(以下がその時の記事なのですが、内容が学生すぎるし尖りすぎてて恥ずかしい…)
その後もLINEや音楽への愛が冷めることはなく、選考はめちゃくちゃ準備して行った記憶があります。以下が就活関連の記事です。
無事に内定をいただき、その後約1年間のLINEチケットでの内定者アルバイト期間を経て新卒入社。サービスとして初の新卒社員として念願のLINE MUSICへ配属されました。
2020年春はちょうどコロナが流行し始めたタイミングで、入社式も研修も配属もリモート開催でした。初の新卒を慣れないリモートで受け入れるという前代未聞の状態をMUSICのメンバーは暖かく熱心に対応してくれました。改めて感謝しかないです。
学生時代に講義でプロダクトマネージャーという役割を知り目指したいと思っていたため、常にWhy&Whatを意識して働いていました。その結果1年目からLINE MUSICで振り返る2020という新規企画の企画兼プロジェクトマネージャーを任せていただけました。
そこからの約3年半は本当に色々な経験をさせていただきました。
CSとプロダクトチームの連携改善から始まり、日本&韓国の横断組織でのプロダクトマネージャーや事業重要指標のプロジェクトオーナーなど。最終的にはチームマネージャーも任せていただき、日々悩みながらも採用も含めたチームマネジメント経験をさせていただけました。フットワーク軽く福岡/京都/韓国などへ出張し、出来る限り多くの人と直接向き合って仕事をしてきました。皆さんすごく会社とユーザーへの愛が強く、同じ熱量で仕事を進めることができたのですごくありがたかったです。
体験改善による事業成長が僕のやりがい
機能企画にもたくさん携わらせていただきました。おそらくこの4年半で細かいものを合わせたら50個くらいは担当した気がします。アプリのアップデートのたびに何か携わった機能がリリースされていました。
僕自身が大の音楽好きということもあり、「こういう機能が欲しいな」とか「このユーザーボイスはこの体験で解決できるな」とかを考えるのが非常に楽しかったです。
とはいえ体験だけ考えていてもHowすぎて事業成長には繋がりません。体験改善を通じて事業を成長させる意識を常に持って取り組んでいました。
前提として僕は「既知体験の延長線上」「既知体験の代替」「既知体験のアップデート」でしかほとんどのユーザーは動いてくれないと思っています。なぜなら未知の体験は利用を想定できないからです。利用を想定できないと利用もできない、即ち利用しないと分からない価値は価値ではなくなってしまうんです。どれだけ事業成長につながる機能を考えても同じことです。
ゆえに以下のようなプロセスで機能企画することを心がけていました。
上記のことを踏まえて、思い入れのある「よく聴くアーティスト」機能の話をさせてください。
ユーザーの再生継続パターンを分析した結果、多くのユーザーが同じリストを繰り返し聴く傾向や、アーティスト単位で音楽を聴く習慣があることがわかりました。自分自身も同様の傾向だなということに気づき、機能開発を検討しました。
ただ、よく聴いているアーティストをもう一度聴くにはライブラリか検索で探すしかありませんでした。それは手間です。
そのため、アーティストをリターゲティングするというアプローチを行いました。プレイリストやアルバムをリターゲティングする機能は他のサービスでもありましたが、あえて他サービスと異なるアプローチをしてみたんです*1。直近でよく聴いているアーティストをまとめた機能をホーム画面*2に配置しました。
その結果再生が伸びただけではなく、想定外の目的でSNSに投稿されました。それは「再生の振り返りと共有」です。その機能に出ているアーティストをスクショし、SNSに投稿するユーザーが現れたのです。「やはり私はxxx一筋だってことが証明されたね」とか「意外とこのアーティストたくさん聴いているんだな」とか。その内容も含めてSNSで神アプデとか便利と言っていただいたので非常に記憶に残っています。その後偶然会ったLINE MUSICユーザーの方たちからも、この機能から毎日再生してますと言っていただけて本当に嬉しかったです。モチベーションがすごく上がりました。
*1: 現在は他のサービスでも行われているアプローチ
*2: LINE MUSICホーム画面の正式名称はトゥデイ
少し毛色が異なりますが、社内の外部組織と連携して開発した韓国語歌詞ふりがな機能も非常に記憶に残っています。カラオケ採点機能も含めて業界初の機能を体験から考えてリリースしていくのは非常に良い経験になりました。この辺は事業というよりも市場などが関連する部分なので先述したプロセスとは少し異なりますが、とても刺激的でワクワクしました。
新卒でLINEを選んで良かったのか?
新卒でLINEを選んで良かったのか?これは間違いなくYESです。
僕はありがたいことに新卒選考者向けの説明会などに登壇させていただくことも多かったのですが、そこで話したことは全く嘘ではありません。
新卒からプロジェクトマネージャーとして大きな裁量を与えていただき、多くのユーザーからの反応を得ることができる。こんな経験なかなかできることではありません。加えてAI組織、メディア組織、メッセンジャー組織などと組んで最適解へ突き進むこともできます。中途社員が多い企業ですが、みなさんフラットかつ熱量を持って接してくれるので本当に偽りなくホワイト企業だなと思います。他の企業では1つ機能やサービスを広めるだけでも非常に難しいと思いますが、担当した機能や施策は自分が企画した内容に限りなく近い形でユーザーに届けることができます。
ただその分自分の責任範囲が広く大きいことは間違いないです。良くも悪くもユーザーからの反応はしっかりと返ってきます。そこから学ぶも学ばないも次のアクションをスピーディに行うのも全て自分次第です。自分の行い次第では何もアウトプットがないまま数年が経過してしまうこともあるでしょう。とはいえ、他人次第ではなく自分次第で望んだキャリアを作れることは他社と比べてかなり大きな魅力だと思います。
そして何よりも僕は新卒の同期/先輩/後輩に恵まれました。企画職の同期は30名程度で色々なサービスに配属されたため、色々な相談が気軽にしやすかったのは非常にありがたかったです。先輩後輩含めて真面目な話もフランクにできる人が近くに多くいるのは非常に良い環境だと思います。オンライン入社にも関わらずこれだけ多くの人たちと仲良くなれたのは本当にありがたいです。新卒人事にも感謝です。
ではなぜ卒業する?
自分が目指しているキャリアの解像度が少し高まったからです。
新卒入社時は何が正解かも分からなかったので、とりあえず実体験を活かせる音楽分野を選びました。
ただ、30歳を迎えた僕はこれからの10年で自分はどうなりたいのか?と考えるようになりました。4年半色々経験して得たものもあったし、良くも悪くも答え合わせができたことも多かったです。そこで、「人々に生きがいとなるようなワクワクを届ける」という自分の軸はぶらさずに少し大きな目標を掲げて次の挑戦をすることにしました。
それはエンタメドメインに特化した代表的なPMになることです。この4年半PMをやってみて気づいたことが2つあります。1つは「サービスやドメインにおける理解とリスペクトが円滑に企画を進める上で必要になること」そしてもう1つは「サービスやドメインへの熱量はPMにとって武器になること」です。この2つの気づきと自分自身が出してきた結果がエンタメPMを目指すことに対して背中を押してくれました。最終的には市場を変えるくらいの体験改善を提供できないのであれば僕にとってPMをやっている意味はありません。
エンタメPMとして僕が実現したいことは大きく以下の内容です。
まだ少し漠然としていますが、上記の軸を持ちつつキャリアを歩んでいこうと考えています。
次の挑戦は12月から始まる予定です。音楽サブスクから見ると斜めに位置するエンタメサービスで価値創出と事業成長へ貢献していきます。
最後に
僕は本当に人にも環境にも恵まれていたと思います。
部署内のチームだけでなく国、サービス、会社を超えて多くの方々と業務させていただく機会がありましたが、本当に好きな人ばかりでした。こんなに熱量と優しさを兼ね備えた人たちがいる企業ってあるんだって思うくらいに。だからめちゃくちゃ寂しいです。最後の1ヶ月は自費で福岡チームのメンバーに会いに行ったり、なるべく出社したりして多くの人たちと話しました。最終出社後も出張で遠方から来たメンバーには会いに行ったりもしました。
バンドで「方向性の違いで脱退します」という話ってたまにあると思うんですが、近いかもしれません。会社がとか人がとかではなく、「自分が」進みたいキャリアが見えたから今は挑戦してみようと思います。
改めて内定者アルバイトを含めた約5年半、非常にお世話になりました。ありがとうございました。引き続き何卒よろしくお願いします!