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なぜ陰謀論にハマるのか、私の経験。結局は進化的ミスマッチ(認知のバグ)を利用した詐欺商法です。


みなさんは陰謀論にかぶれたことがあるでしょうか?
闇の政府・闇の権力層(ディープステートやイルミナティ)などが世界中の学校教育やマスコミ、政府や裁判所を支配しているという理論です。

結論から言うと、陰謀論とは人間の本能を利用した思い込み、妄想です。


①「世界の支配者」「世界の真実」「世界の黒幕」などありません!

この世界で、99%の市民や労働者を支配して搾取している魔王のような人間は居るのでしょうか?
結論から言うと居ません。80億人という大量の人間を統一された意思でコントロールするのは不可能だからです。
既に資本主義の勝利により経済も、国家も、政治も宗教も、人間はコントロール不可能になったのです。

狩猟採集時代、古代の頃は「小規模の村落社会」で人は生きていました。
そこでは100人や1000人単位の集落・村落で生きていました。
そこでは「権力者が富や女性を独占している」場合、そいつをみんなでボコボコにすれば「再分配」が行われたのです。

こういった時代が、つい2000~3000年前は当たり前だったのです。
しかし大規模定住社会になり数万、数十万の共同体が生まれました。
フランス革命以降は、民族・国民・国民国家と言ったさらに超巨大な共同体が出没しました。
現代は技術革新により「グローバリゼーションの成熟化」によって80億人がインターネットで繋がれる「人類運命共同体時代」に突入したわけです。

人間の脳はそこまで進化してないので、認知能力は古代人のままなのです。

なので「この世界がおかしいのは、少数の独占者が大衆を騙して搾取しているからだ!」と思い込んでしまう(本能的に納得できてしまう)のです。

財務省が悪い!自民党が悪い!という言説に人々が騙される原因はこれなのです。
「この世の権力者を批判したら世の中が良くなる」と脳の機能により誤認識するのです。
「権力や政府への批判をやめたら世の中は悪が正されなくなる」もそうです。

「批判と監視」、弁証法(反対+提案=誘導先)という心理マジックは人間の本能だから強力なのです。
暇〇茜の信者もこれにやられてます。
ナニカグループなんて当たり前ですがありません。
「体系化されたNPOやNGOの公金チューチュースキーム」もありません。


②陰謀論は内容はどれも、「マスコミがひた隠す、少数の独占者が悪い」というもの

陰謀論とはなんでしょうか? それは

α「この世の理不尽な出来事には黒幕が存在している。それは少数の独占者・支配階層によって行われている。それらは政府を支配している。」

β「だから、人々はマスコミがひた隠すこの真実を知って、未来の子供たちの為に市民・民族を覚醒させないといけない。」


という内容です。

その独占者とは何でもいいのです。
イルミナティ、フリーメーソン、ナニカグループ、ディープステート、財務省、創価学会、統一協会、在日外国人、共産主義者、資本主義者、日米合同委員会、経団連、竹中平蔵、、。
陰謀論にも様々な派閥がありますがその世界は同じなのです。

これらを人間の脳が勝手に妄想するのは、村や群れの村長が腐敗したらボコボコにすれば良かった時代の名残です。
富や女性を独占する者をひたすらボコれば良かった、小さな共同体の時代の常識や倫理観で我々は生きているのです。


③経済格差は拡大していないし、戦争は抑止されているし、政治も宗教も正しく機能している


普通に生きていると我々は、この世はどんどん悪くなっている、政治も社会もめちゃくちゃだ!と思います。
人間は普通にしていると、不安や心配や憤(いきどお)りを感じるのです。

それは狩猟採集時代や古代では必要だったからです。
常に敵の侵入を警戒して、飢餓(きが)や疫病を心配していた個体が生き延びたからです。

なぜ人はいじめや差別や戦争をするのでしょうか?
なぜ精神病や妄想があるのでしょうか?
それは、排他的で攻撃的な個体や、妄想癖がある個体が生き延びたのです。闘争と逃走の能力が高い個体や群れが生き延びたのです。

なので被害妄想や余計な空想を人はするのです。
いつ敵が攻めてくるか分からない。いつ富と女性を奪われるか分からない。
先制攻撃や怒りや憎しみの衝動が強い個体が生きてこれたのです。

勿論、現代社会ではそれはあり得ません。
現代の都市文明と、小規模な村落社会ではルールも性質も異なるからです。
なので認知のバグが起きるのです。

怒ったり、憎んだり、妄想があるのは当たり前なんです。
陰謀論者はここが特化的に発達している人が多いのです。
そして「闇の支配勢力」なるものを認知のバグで作り上げてしまうのです。

普通に生きているだけで「世の中は悪くなっていく」と勝手に私たちの脳は思い込んでしまうのです。
しかし実際には技術革新により私たちは快適で自由な社会を生きているのです。GDPが下がっても、10年後はもっと良くなっているし、100年後はもっと良くなっているのです。

今でもウクライナやイスラエルでは確かに戦争はありますが、圧倒的に大多数の人間は平和に暮らしているのです。
核兵器が登場してから国家間の戦争は減っているのです。
世界は平和な方向に進んでいるし、資本主義には問題が無いのです。


④陰謀論を信じると怖くなる。でも実際にはそんなことは無い

私は中学生の時代からYouTubeで陰謀論者の動画をよく見ていました。
よくある911陰謀論、ユダヤ陰謀論とかイルミナティ陰謀論ですね。
この世の権力構造や社会の出来事の理不尽さが、点と点が線つながるように
納得できた、つじつまがあったから爽快でした。

しかし陰謀論者と視聴者は、最初はそれほど信じていなくても返報性の原理によってお返しがしたくなるのです。

その陰謀論者を擁護したり、批判から守ろうとしたり、動画の拡散をしてしまうのです。怖いですね。

そして陰謀論にハマる最大のデメリットは、「この世界は悪魔崇拝者のようなおそろしい集団に支配されているんだ」として世の中の事が恐ろしくなることです。
そして社会への恐怖を抱いてしまいます。
自分も闇の支配者に狙われるんじゃないかとか、人口削減や世界統一政府に迫害されるんじゃないかと恐怖心を抱きます。
完全にカルト宗教の信者を縛り付ける方法と同じですね。

しかしです。長年陰謀論をウォッチしてきた私からすると、
「陰謀論者の言っていることは99%外れます!」という事です。
今から20年前から「日本は無くなる!」「日本は終わる!」「徴兵制が復活する!戦争に成る!」と言っている人々です。
当たったためしがありません。

⑤「批判と監視」はマジで意味ないです

狩猟採集時代のなごりとしての「批判と監視」の使命感ですが、マジで現代では要らないです。
スクリーンの向こう側の世界は現実の0,001%の世界だし、スクリーンの向こう側の人とはあなたは結婚しないからです。
進化心理学や行動遺伝学を勉強したら、マジで無意味だと分かります。

人間は先祖からの特質や、古代の習性から自由になれないのです。
100人や1000人単位の集団なら有益だった「批判と監視」は80億人のグローバル世界では既に役割を終えているのです。
政府とか権力者とか金持ちとか、リア充とかを批判してもマジで意味ないです。自己投資と自己発信を考えましょう。


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