木々

消防職員の可能性について思うこと

今回は消防の仕事の話ではなく、休みの過ごし方について思うことを書いてみたいと思います。

初めて書いたnoteに消防の勤務体制など書きましたが、僕の所属している消防本部は3交替制です。ですので、僕は一回の勤務の次は非番、週休と二日の休みがあります。最近よく、この二日の休み(勤務外)の過ごし方に消防職員の可能性があるのではないかと考えています。

僕が住んでいるところは、近くに山や森があります。そんな環境に住んでいますが、僕は自然の知識に乏しく、どちらかというと虫もまあまあ苦手です。せっかく自然いっぱいのところに住んでいるのに、それでは勿体ないと思い、月に一度、家族みんなで地域のNPO法人が主催している自然学習に参加するようになりました。木や野鳥の名前、どんな生き物が森には住んでいるのかなど、説明を受けながら森を散策します。子供たちは田植えや稲刈りなどもします。

自然学習でお世話になっているNPO法人の方々は自身の仕事を退職後、“地域の里山を守りたい、自然を介し子供たちの健やかな成長の手伝いをしたい”そんな想いで活動をされています。昨年は、台風や地震などの自然災害が多く、自然学習で散策している森も倒木やかかり木が目立っていました。メンバーの方々は高齢の方が多く、環境保全の活動は大変なんだろうなとの印象がありました。

そんな折、消防の後輩達から、ロープレスキューの訓練場所がなく困っているとの相談も受けていました。訓練のためとはいえ、勝手に他人の土地や敷地、公共の工作物を使用するわけにはいかず、困っているようでした。

家族で自然学習に参加するようになって半年以上が経ち、NPO法人の方々ともよいコミュニケーションがとれ、良好な関係を築けている感触がありました。また、里山の環境保全のお手伝いができればなとの想いも強くなっていました。思い切って、倒木やかかり木の処理のお手伝いをさせて欲しい事、そして、森での訓練を許可して欲しい事を伝えてみました。すると、是非、お手伝いしてください、訓練もしてくれて結構ですとの返事が貰えました。

チェーンソーの講習を受け、伐木作業ができるようになり、最近はよく、里山の環境保全活動を手伝っています。後輩たちも倒木やかかり木の処理を手伝う傍ら、訓練場所をしっかり確保できました。僕自身、今後も、里山の環境保全活動を続け、社会に貢献していきたいと考えています。

この体験を通じて、消防職員には勤務外にももっと活躍できる場があるのではないかと考えています。例えば、消防職員には学生時代、クラブ活動で優秀な成績をおさめたものが多数います。高校野球で甲子園に出場、レスリングで全日本に選出、100mを10秒台で走るなどなど、本当に凄い人がたくさんいます。中学・高校での部活動指導が教員の負担になっているとのニュースをよく目にしますが、この分野でも消防職員は活躍できるのではないかと考えています。消防職員が部活動指導を担当することで、その学校の防災力は上がります。熱中症に罹患する生徒は絶対に出しません。応急手当指導もしっかりできます。また、部活動指導でかかわる生徒らに消防職員としての毅然としたかっこいい姿をみせることで、その生徒たちが消防職員を志してくれるかもしれません。そして、消防職員になった生徒がまた母校の部活動指導に訪れるといった良い循環が生まれれば‥‥なんて事を考えたりしています。

現状、公務員の副業は認められていませんので不可能ですが、そういったあたりの規制が緩和されれば消防職員が勤務外でも地域に貢献できる可能性はさらに広がるんじゃないかと妄想しています。消防職員が休日に民間救急車に乗務、老健施設で介護士、観光地でのツアーガイドなどしている社会はどうでしょうか?地震など自然災害が多い日本では、そうした消防職員の需要はあるはずです。

日本は人口減少・高齢化が物凄いことになっています。 ”2065年には人口が8808万人、そのうちの約4割が高齢者(65歳以上)” というデータもあります。働く世代の人数が減り、様々な業種で人手不足が深刻化するのではないかと思います。そうした社会では一人の人間が一人二役三役しなければ生活自体が成り立たないのではないでしょうか。今からそうした社会を見据え、様々な働き方を模索する必要があると思います。長くなりましたが、消防職員の活かし方可能性についての自分の考えを書いてみました。

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