Awaji島巡り~島に残る戦争遺跡~
今も残る、行者ヶ嶽砲台跡
福良湾を左に見ながら、うずしおライン(県道二五号線)を走ると鳴門海峡が見え始める。その途中に崖を下る道があり下っていくと南あわじ市福良鳥取地区という小さな集落に着く。鳴門要塞群関連の施設の中で最も良く残存している。そして、海に向かう「軍波止」(鳥取繋船場)の石垣が傾斜しながら海中に伸びている。釣り客は普通の波止場だと思っていることだろう。釣り場としても磯釣りに最適な所だ。磯にはワカメがびっしり育っていた。(刈り取りたいなあ!)
福良港からのうずしおクルーズ船が海峡へ行き来している風景写真を撮るならこの場所が最高に良い。
「軍波止」から山道を登っていくと行者ヶ嶽砲台跡が次々と道沿いに見えてくる。明治三十三年完成したということだが、ほとんどが崩壊しており、弾薬庫も赤煉瓦の壁が残り、倉庫の佇まいを残していたので貴重な平和教育の戦争遺産と言える。兵士用のトイレ跡、一番砲座は消滅して見つけられなかったが、二番砲座から六番砲座まで赤煉瓦で円形になっており、すべて鳴門海峡に向かっていることが分かる。そして、砲座の向かっている側は、断崖絶壁の場所だった。「鳴門要塞」跡で現存しているのはこの行者ヶ嶽砲台だけで、子どもの頃、門崎(とざき)へ遠足に行ったが、その頃は、門崎砲台が残っており、バスはその手前まで通っていた。射撃口のトンネルを歩いていくと烏帽子岩や岬の先には鳥居があった。今はその砲台の上に「みさき荘」が建ち、淡路バーガーで賑わっている。南あわじ市ホームページに懐かしの淡路島写真館に掲載されている。