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会うことの意味

お世話になっております。

好きな女性のタイプは、「月に一度本屋さんまたは図書館に行く女性」と言っていましたが、新型コロナにより好きな女性のタイプを覆されました藤城です。

今日の曲は、youtubeで20/5/24現在2回配信している「寝言の時間」にどハマり中なため弾き語り配信をしている兄・辻村豪文の兄弟ユニットキセルより「富士と夕闇 / キセル」です。
(PCの場合、曲を聴きながらnoteを読めます。)


新型コロナの話題ばかりになってしまいますが、今回はテレワークの今後について朝日新聞の記事を読んだので、それになぞらえて書きます。

新型コロナウイルスの影響で、テレワーク(在宅勤務)やテレビ会議システムが浸透し始めた。緊急事態宣言下だった4月の東京都では、在宅勤務の実施率が感染拡大前の10%台から数倍伸びたとのデータもある。さらに、在宅勤務がコロナ後の働き方の「ニューノーマル(新しい常態)」になるとの見方もある。半面、対面で会うメリットやテレビ会議での物足りなさを指摘する声もあり、現場では手探りが続く。

僕の働く設計事務所も非常事態宣言の出る少し前からテレワークに切り替えていました。ちょうど、zoomを利用した会議もやり始めていたので以降はスムーズでした。
テレワークに切り替わり1ヶ月経つ頃には、「コロナ明けてからもこれ(テレワーク)で良くないですか?」という意見が出ていました。問題点など話しあった結果、

・基本、週に1度、リアルで会えば良さそうである。
・建材のサンプルは実物でないと検討できないためリアルの必要がある。
・模型は、模型写真やビデオ通話で対応できそうである。
・設計初期の案出しは、ラグが生まれず適度に雑談レベルの余白も必要なためリアルが良さそうである。

といった風になった。
また、まだ1年目の僕からしたら気軽に先輩に聞くということがしづらく相手に伝えるために何らかしらの資料を用意しないといけないため多少なりとも時間をかけないといけない上に、大きなミスにつながるミスの種かどうかわからないものを抱え続けるリスクもあると思う。

専門家に、対面時とテレビ会議でのコミュニケーションの違いを分析してもらい、ちょっとした工夫や技術的に進化した将来像についても聞いてみた。
 仕事で会う、飲むといった日本的なコミュニケーションを大事にしてきた建設業界。5月中旬、大手ゼネコンの男性幹部(57)は「在宅でも仕事の効率はそれほど下がっていない」といい、「資料作成などに慣れ、対面での会議が前提だったころのテレビ会議よりも相当スムーズ。日ごろからよく知るメンバー同士で、すでに進んでいる案件を昇華させるのには十分だ」と手応えを感じている。ただ、面識のない人との協力や、購買の決断、採用の可否といった詰めの作業には「現状は、まだ間もないので未知数」と男性幹部。ライブ演奏などをテレビ越しに見るより、会場内の方がはるかに迫力があることを例にあげ、「遠隔では何かが断絶し、不連続なものを感じる。ただ実際はこのテレビ会議ですでに事足りることがあり、逆にリアルが大事な場面にも気づくはず。『ゴルフができないと営業マンにあらず』と言ってきたゼネコン業界も今後は変わると思う」。

ゼネコンは古い体質だと言われるが、幅があると思う。
テレワークに切り替えられているゼネコンは比較的、フットワークが軽く、僕の知っているゼネコンは、会議では誰もパソコンを持ってきていなかったし、デジカメで現場写真を撮り荒い印刷をした紙で管理し、変更点はそれをコピーしてペンで描き加えてスキャンしてメールで送られてくる。見えない。また、FAXも健在。小学校以降初めて見たよ。
また、ひどいところはテレビ会議システムを全く使用せずに電話とメールのみでテレワークをしているゼネコンもある。

 手探りの状態は、大手企業だけではない。今年初めに独立し起業したマーケティングコンサルタント会社「照應堂」(東京)の竹井慎平さん(32)は、テレビ会議システムを使いつつ、対面する機会もあえて設けるようにしている。「初対面は遠隔でも結構うまくいきます。ただ打ち合わせが3回目ぐらいになると可能なら会います」という。
 理由は、遠隔には「信頼の始まりはあるが、それを深めるのが難しいからだ」という。「遠隔だと、『要件は何ですか』という理性的な雰囲気に終始し、雑談の余地が少ない。沈黙が許されず、終えてから通信を切るまでの1~2秒も、間の違和感がすごい」
 では、あえて対面する効果とは何か。竹井さんが感じるのは、例えば対面した時のちょっとした沈黙や雑談、気配りが、相手を知る手がかりにもなる。「いずれ映画のスターウォーズに出てくるホログラム(立体画像)で会話する時代が来るかもしれない。ただ、無駄と余白はビジネスにも必要だ」と話す。

これは、マッチングアプリを多用している僕もよく直面している問題である。
LINEだけでは、相手の顔色が見えないためどう考えているのかわからないことが多いし、たとえビデオ通話ができたとしてもリアルでのドキドキとは違う。恋愛の発展はしづらい。リモート合コンは成功率が悪いと聞くし、帰り道の駆け引きがないため醍醐味が味わえないという。(※筆者は合コンの経験がないため醍醐味がわかりません。)

リモート結婚式は、本人たちがやりたければやればいいと思うが、初めて聞いた時に感じた違和感は、そのドキドキが味わえないことと近いと思う。喜びの伝播、祝福の伝播、ドキドキ・ワクワクの伝播がないのではないか。

マッチングアプリでマッチングしたとしても会ってみないとわからない。たとえ相手が臭くたってビデオ電話じゃわからない。

 コミュニケーションで交換するのは具体的な情報だけではない。動物のコミュニケーションを研究する東京大学教養学部の岡ノ谷一夫教授(生物心理学)によると、コミュニケーションは「内容の伝達」と「意図の伝達」からなり、動物の世界では「意図の伝達」がほとんど。「動物たちが鳴き声で交わしているのは、具体的な情報というより、仲間であることの確認とか、自分の資質の誇示である場合が多い。人間の無駄話はこれに相当します。お互い敵意はなく好意があるよ、と伝え合っているのが大事」と語る。
人間は実際の対話のなかで、意図と内容を伝え合っていて、岡ノ谷氏は、テレビ会議システムでは「内容のみが伝えられて、意図が脱落することが多い」と、対面時との差を強調する。
 また、岡ノ谷氏は、人間は会う相手や場所を変え、人格の使い分けをしながら豊かな人生を作っており、「それができない現在のような状況だと、疲労や鬱屈(うっくつ)にもつながる可能性もある」という。
 ただ、テレビ会議システムのコミュニケーションで、工夫次第でより良い時間にできるという。オンラインの飲み会では、互いの発言にのみ集中しすぎないように、例えば飲み物だけでなく、相手と同じ「おつまみ」を食べたり、同じ場所に双方で書き入れながら会話したりするのも方法。要はテレビ会議システムでのコミュニケーションにも「遊び」となる仕掛けが効果的なようだ。

「内容の伝達」と「意図の伝達」という話がとても面白かった。今回、それで筆を持つことにしたほどである。

先ほどの仕事の話につなげれば、
「設計初期の案出しは、ラグが生まれず適度に雑談レベルの余白も必要なためリアルが良さそうである。」というのが「意図の伝達」であり、この余白という部分がクリエイティブな仕事をする上で必要不可欠なのである。

先ほどの出会い系の話につなげれば、
好きな趣味の共通性から話を広げたとしても話が会うだけであり、深い話はできないため表面をそーっと撫でているだけで"つまらない男"になって終わりである。いかにそう言った「内容の伝達」だけでなく、お互い敵意はなく好意があるよ、と伝え合う「意図の伝達」が必要不可欠なのである。

それらを踏まえたうえで、岡ノ谷氏は、ビジネスでも授業でも「最初は会って気心を知る機会を作っておけば、途中の作業の一部はテレビ会議に置き換えることは可能」といい、「まとめの段階では、表情や動きなど、言葉以外の『正直な信号』を実際に会って交わし、信頼にもとづく結論を導く。そうすればすべてを遠隔でやるより成果があがるのではないか」という。

 進化を続けるテレビ会議システムでは、ホログラムでのコミュニケーションも絵空事ではないようだ。オフィス家具製造販売のイトーキ(東京)と、MR(複合現実)ベンチャーのホロラボ(同)が共同で研究開発するのはMRと最新の3Dセンサーを活用した遠隔コミュニケーションシステムだ。自分と同じ場所に、遠隔にいる参加者がホログラムのような画像で出現、会話できる仕組みという。

次世代通信規格「5G」の普及もみすえ、両社は今後、立体的なコンピューターグラフィックス(CG)などのコンテンツを含めて対話をしたり、相手の人となりや雰囲気などの非言語情報を増やしたりしていく考えだ。研究開発担当者は「MRによって文字情報も浮かび上がらせるなど、対面で会った時よりも得られる情報が効果的に伝わるコミュニケーションを目指している」という。
 岡ノ谷氏は、テレビ会議の場合は「行動の可能性が対面よりも限定されるため、違いはあるが、デジタル技術の進歩で対面に近づけるだろう」とみる。ただ、技術的に進化した将来には「遠隔に慣れてしまい、リアルで対面した際に支障が出る可能性はある。うまく対応を切り替えられるかも課題です」という。

なるほど、良い結果を残すためには最初と最後はリアルで会うべき。これはわかる。この記事を読んでよかった。

リモートなれしてしまうことによるコミュニケーション障害は生まれそうである。リモートコミュ症。僕が次世代の子供で今の年齢になった時は「リモートなら緊張しないんですけどね、リアルじゃどうしても話せなくて」という理由で童貞だろう。


テレワークの割合がビフォーコロナよりも増えることは確実だろう。

wi-fi環境」(これの不安定によるストレスは何者にも代えがたい)
iPadとapple pencil」(データに対して手書きで意図を伝えられる)
いい椅子」(筆者は座骨神経痛になり今現在、歩けない状態である)

が、ウィズコロナ以降の世界=リモートの世界三種の神器である。
これさえあれば、今後の世界を生き残れるだろう。

それでは、一旦やめさせてもらいます。

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