出校日にする話
教員の最もゆっくりできると言ってよい時期「夏休み」真っ只中…ほっと一息つけますね。
さて、そんな長い夏休みの中に「出校日」が設けられている学校も多いと思います。「夏休みにみんながどう過ごしているのかの途中経過を知るため」とか「2学期のスタートに向けての準備」とか意義はある程度あるのでしょうが、実際のところは”宿題点検”で終わってしまうことがありませんか?ただでさえ「なぜ出校日なんてあるんだろう」と思っている生徒もいる中、それでは寂しいものです。「友達の元気な顔を見ることができた」と喜んで帰ってくれればよいのですが、ここは一つ先生の話で生徒の気持ちを盛り上げてあげたいものです。
と言っても「海に行ってバーベキューをして楽しかった。」ではプロの話とは言えません。では、どんなことを話せばよいのでしょうか。
”先生が夏休みに学んだこと”はどうでしょうか?
高校や大学が主催のものや、自治体の教職員研修でもよいでしょう。そこでどんなことを学んだのか、感じたのかを生徒に語ってやるのです。すると、生徒は「先生も勉強するんだな」「新しいことを知るって楽しいな」「僕も勉強がんばろう」などと思うものです。また、生徒に話すネタをつくろうという姿勢で参加すると、自身の学びも深いものになります。
たとえば今年度の私であれば、次のように話します。
①どんな研修だったのかを伝える。
私はこの夏休みに「ロボットは数学の大学入試問題をどうやって解くか?」という授業を受けてきました。大学の先生のお話を、高校生に混じって聞いてきたんだ。とてもおもしろかったよ。
②その研修の内容の面白さを簡潔に伝える。
今、囲碁や将棋の世界ではAIが人間を負かす時代だよね。東大入試はどうだと思う?興味があるよね。分野によって得意不得意はあるけれど、問題文をコンピュータが処理する”論理式”というかたちに直して、思考して、かなりよい成績がとれるようになってるんだって。
③そこから教員が学んだこと、生徒に感じてほしいことを伝える。
AIが苦手なことって何だと思う?大学入学共通テストが今年度から変わったんだけど、そこで多く取り入れられるようになった会話文からヒントを得たり、図を読み取ったりすることなんだって。読解力を鍛えることが、AIに負けず、人間らしく生きる道かもしれないね。今の私の話を正しく聞いて、理解できた人はきっと大丈夫。今私がどんなことを言ったのか、そこから何を思ったのかを隣の子と確認してみよう。
…といった具合です。出校日に向けて、学んだことを整理して、生徒への夏休みのお土産にしてみませんか? 山芝T