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 年度末の3月31日、こども政策担当大臣名義で、「こども・子育て政策の強化について(思案)」というペーパーが発出されました(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodomo_seisaku_kyouka/pdf/kyouka_siryou1.pdf)。

 

そこでは、少子化という現状を確認するとともに、政策の基本理念として、①若い世代の所得を増やす、②社会全体の構造・意識を変える(企業・男性・地域社会・高齢者や独身者を含む)、③すべての子育て世帯を切れ目なく支援する(妊娠時~2歳の支援強化、伴走型支援強化)、が述べられています。
 これは、こども・子育て政策の課題として、①若い世代が結婚・子育ての将来展望が描けない、②子育てしづらい社会環境や子育てと両立しにくい職場環境がある、③子育ての経済的・精神的負担感や子育て世帯の不公平感が存在する、の3つを主に考えているからです。
 
 時間軸として、2030年までの6~7年で、「こども子育て支援加速化プラン」を実施するとしています。2030年以降、若年人口は倍速で急減するとの見通しを持っているためです。

 具体策は、というと、
「1.子育てに係る経済的支援の強化」策として、①児童手当の高校卒業までの延長、②「出産・子育て応援交付金」(10万円給付)の制度化、出産育児一時金の引き上げ(42万円→50万円)、③自治体のこども医療費助成について、国民健康保険の減額調整措置(国の負担金減額)を廃止する、学校給食無償化に向けて実態を把握し、課題を整理する、④高等教育費の負担軽減(奨学金対象の拡大、後払い制度)、⑤住宅支援の強化(公的賃貸、多子世帯用)、などが挙げられています。
 財源の問題は、今後も段階的に検討されるようです。とりあえず、児童手当拡充の対象や金額は、今年夏までに決定される「骨太の方針」までに結論を出すとされています。
 ②については、既に単回として実施済みであり、制度化に着手ということですね。給食費の無償化に、国が言及した意義は大きく、推移を見守りたいと思います。
2.全てのこども・子育て世帯を対象とするサービスの拡充」策として、①産前・産後ケアの拡充、②幼児教育・保育の質の向上(職員配置基準を含む)、③「こども・誰でも通園制度」の創設(当面は未就園児のモデル事業の拡充)、④放課後児童クラの待機児童解消、⑤ひとり親の雇用における企業への支援、資格取得支援制度の活用拡大、などが挙げられています。
 ②については、上の10万円給付と合わせた伴走型支援サービスが、今年より、始まっています。③など、保育園に誰でも通える仕組みが一日も早く待たれます。
「3.共働き・共育ての推進」策として、①育児休業の目標取得率や給付金を引き上げる、②子どもの就学前の短時間勤務など勤務形態を柔軟化、2歳未満の短時間勤務の給付を創設。③週20時間未満勤務の方にも雇用保険の適用を拡大する。
「4.こども子育てにやさしい社会づくりのための意識改革」策については、こども家庭庁発足後にとりかかり、今夏をめどに取組みをスタートさせるとしている。子育てを終えた方や高齢者を含めた住民参加型の子育て支援を展開している自治体、育休者の担当業務引き継ぎ者への手当支給を行っており、育休を取りやすい環境をつくっている企業などの好事例を共有し、すべての人が、こども子育てにできることを取組んでいくという機運を醸成していく、としています。こども家庭庁は、「こどもまんなか」をうたっています。こどもが中心にある社会は、日本や私たち、地域が取り組んでいく新たな挑戦です。手に手をとって、実現していきましょう!




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