「100日で描く 遠距離介護と仕事の両立 叔母が望んだ生活を支えた6年」Day 4: 初めての病院付き添い
Day 4: 初めての病院付き添い
洋子は、ついに決心して敏江を病院に連れて行くことにした。遠距離ではあるが、仕事の合間を縫って高速バスで敏江のもとへ向かった。
敏江の家に着くと、知っている叔母の姿とは異なっていた。家の中を見渡すと、整理されていない場所が目立ち、敏江が本当に助けを必要としていることが明らかだった。洋子は、敏江に悟られないように小さくため息をついた。「さあ今日は病院に来ましょう」というと、敏江は黙ってうなずいた。
病院の待合室で、敏江は少し不安げな表情をしていた。「病院なんて、行く必要ないわよ。大丈夫だから」と敏江は言うが、洋子は優しく手を握り、「念のためだから、一度診てもらいましょう」と微笑んで答えた。
診察室に入ると、温かみのある笑顔を見せる医師、ひつじ先生が待っていた。優しい口調で敏江に話しかけ、洋子の不安を和らげるように丁寧に説明をしてくれる。ひつじ先生は、敏江のことをじっくりと聞き、これまでの経過を踏まえて慎重に判断する姿勢を見せた。
診察が始まると、医師は丁寧に敏江の話を聞き、まず血圧測定と問診を行った。敏江の血圧はやや高めで、ひつじ先生は「最近、物忘れが増えたということですが、これまでの健康状態はいかがですか?」と尋ねた。敏江は少し戸惑いながらも、「特に問題はないと思いますが…」と答えたが、その言葉には自信がなかった。
医療・介護の知識: 初期診断と医療機関受診の重要性
認知症診断の初期対応
認知症の疑いがある場合、早期に専門医を受診することが重要です。初期段階での診断により、進行を遅らせるための治療やケアプランが立てられます。主な検査内容
診断には、長谷川式認知機能スケール(HDS-R)やMMSE(Mini-Mental State Examination)といった認知機能テストが用いられます。また、MRIや脳血流検査などの画像診断が行われることもあります。家族の役割
家族が付き添い、日常生活での変化や症状を医師に伝えることが、正確な診断につながります。診察の際に、家族が感じていることをしっかりと伝えることが大切です。
サービス紹介: 初期診断に向けたサポート
地域包括支援センターの利用
地域包括支援センターでは、訪問して相談に乗ってくれます。認知症の疑いがある場合に、適切な医療機関を紹介してくれます。また、要支援のケアプラン作成も支援してくれます。受診前の準備
日常生活で気づいた異変や症状をメモにまとめ、受診時に医師に伝えることが重要です。また、これまでの病歴や服薬状況も把握しておくと、診断がスムーズに進みます。認知症初期集中支援チーム
ご本人が通院を望んでおられない場合や、ご家族も認知症に対する理解が乏しい場合もあります。そのような方の心配をされている場合は、市区町村の高齢者相談窓口や地域包括支援センターに相談することをお勧めします。初期集中支援チームは全市区町村に設置されており、医師、看護師、薬剤師、作業療法士などがチームとなってご自宅に訪問して、診察やアドバイスを受けられる制度です。費用は基本的に無料で約6か月間にわたり、本人や家族にとっての必要な支援を検討してくれます。
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12600000-Seisakutoukatsukan/0000035310.pdf
早期診断で安心を。家族と一緒に受診し、正確な診断を受けましょう!
次回: Day 5 - ひつじ先生との出会い優しい医師、ひつじ先生との出会いが、洋子に安心感を与えます。続きが気になる方は、フォローして次回をお楽しみに!
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