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「100日で描く遠距離介護と仕事の両立」Day 11: 叔母の混乱と不安の増大

第2章: 混乱と拒絶の6か月

Day 11: 叔母の混乱と不安の増大

敏江が「混合型認知症」と診断された後、洋子はその事実を受け入れようと努めていたが、敏江の心は混乱していた。診断を受けた直後、敏江は「私はまだ普通に暮らせるはずなのに…」と繰り返すばかりで、現実を拒絶していた。
「洋子、私は病気なんかじゃないわ。ただ年を取っただけなんだよ。」敏江は自分に言い聞かせるようにそう言ったが、洋子はその言葉にどう応えるべきか迷った。敏江が混乱し、現実を受け入れられない気持ちに対して、洋子もまた戸惑いを隠せなかった。
洋子は、「敏江さん、焦らなくていいから、一緒にゆっくり考えよう。」と優しく応じたが、その後も敏江は電話越しに「どうしてこんなことになっちゃったのかしら…。」と繰り返す。洋子は、叔母がこれまで見せなかった不安定さに戸惑いを感じつつも、どうにかして彼女を支えたいと強く思った。

記憶の不確かさと否定

敏江さんが「私はまだ普通に暮らせるはずなのに…」と繰り返す背景には、彼女の記憶が断片的で不安定な状態にあることが影響していると考えられます。この記憶の不確かさにより、敏江さんは最近の出来事や自分が置かれている状況を正確に思い出すことができず、それが彼女の現実の認識に混乱をもたらしています。
敏江さんにとって、病気の診断や日常生活で感じる変化が、「自分が病気であるからである」と思えないことにも理由があります。過去の記憶と現在の状況がうまく結びつかず、認知症という現実を理解するための一貫したストーリーを構築できない状態にあるのかもしれません。

認知症における「確からしさ」の喪失

認知症の人は、記憶が曖昧で一貫性を欠くため、日々の出来事や自身の状況について確信を持てなくなります。この不確かな状態は、患者の不安感を増幅し、「自分は病気ではない」「ただ年を取っただけ」というような認識に至ることがよくあります。

洋子さんの対応

このような状況において、洋子さんなどの周囲の人の対応は非常に重要です。敏江さんの言葉をそのまま肯定も否定もせず、彼女が感じている混乱や不安という感情に寄り添うようにしていきます。敏江さんに対して「一緒にゆっくり考えよう」と提案することは、彼女が感じている記憶の不確かさに対して、洋子さんが安全な環境を提供し、安心感を与えていると考えられます。

認知症の人の言葉には、肯定も否定もせず、感情に寄り添いながら、安心感を提供し、その人が自分のペースで現実に向き合える環境を整えていきましょう。

次回: Day 12 - 叔母の支援拒否
敏江は洋子が支援を申し出ても、積んれない返事しかしません。洋子はどうするのか?よろしければスキ・フォローをお願いします。次回をお楽しみに!



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