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約束と契約
転職失敗マスター様
拝啓。お世話になっております。社会人になった時、メモを取ることを教えられました。言った、言わない・・・と言う論争はよく聞きます。なので、あえて電話でなくメールで伝えたりすることもあります。しかし、面接と言う場所は、口頭で確認することが多く、口約束にならざるを得ない環境です。録音していたら良かった。。。
私の名前は、山野 信也。今年で35歳になります。前職は大手スーパーにて働いており、平日も休日も早朝から深夜まで仕事に明け暮れていました。仕事に熱中するタイプで、生活の大半は仕事でした。それを陰で支えてくれる妻は、とても良き妻でした。
ある日、妻が風邪をこじらせてしまい入院することになりました。咳が酷かったので、念のため入院しましたが、結局2日で退院し病状は大したことありませんでした。
しかし、今まであまりにも多忙の為、家庭に目を向けていなかった私は、このことで私の家の現状を知りました。少し誇張した表現になりますが、帰って寝るだけの家だったので、その家がどうなっているか見ていませんでした。
妻が入院した2日間は、休みを取り家事をしました。
ぐちゃぐちゃな冷蔵庫、食器棚の中、成績が悪い息子、リビングや寝室以外の部屋の散らかり様はまさに悲惨でした。私は反省し、妻が退院してからは少し家事の手伝いをするようにしました。
家事をするようになると見えてくる妻の負担。この時から私は家庭に使う時間の必要性を知り、転職を考える様になりました。スーパー以外で働いたこともないので、同業で少し時間にゆとりが出来るところがあったら、転職したいと考えました。その空いた時間で妻のお手伝いが出来ればと考えました。
あるスーパーに面接お伺いした際に、面接官から
「山野さん、すごくいいよ。私と一緒にこのスーパーを変いこう。いいスーパーを君と一緒に作って行きたい」
と熱いオファーを頂きました。このドラマの様な展開に興奮し、私自身もすごく乗り気になってしまいました。
しかし、今回の転職は、家庭に目を向けたく始めたもので、採用条件に関して質問しました。
「今回、私は勤務時間、残業時間や勤務地に関してこだわりを持って活動をさせて頂いております。勤務時間、残業時間はどのくらいでしょうか?また、全国展開されている御社は、転勤は頻繁にありますでしょうか?」
「山野さん、その辺は気にしなくていいよ。うちは営業時間が21時までだし、18時以降は当番制で回しているから。それに、私が君を転勤なんてさせないから。私と一緒に大阪店からこのスーパーをいいスーパーに変えていこう。」
そんな面接を受けた私は、当番の日は21までで、残業は少しはありそうだが、少なくとも転勤は無いものだと思い込んでしまいました。
そう思い込んでいた私は、前職より給与が下がるが、家庭の為にはこれがいいと思いましたし、何より熱意が嬉しかったので、このオファーを受ける事にしました。
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