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機械の魚を描く理由〜「嫌い」「怖い」の裏に隠れたドキドキ・ワクワク感
■魚嫌い・虫嫌い
いきなりですが、私は魚が嫌いです。なんかヌルヌルしてていて、グロテスクだし…気持ち悪い。ちなみに虫も嫌いです。子供の頃から嫌いです。小学校の頃など、いじめっ子にカマキリを机の上に置かれたりして、いじめられてました。
だから、節足動物全般があまり好きであありません。エビやカニも動いているのは苦手。川エビの唐揚げを食べるのも勇気がいります。気持ちを引き締めて「これは食べ物だ!」と自分に言い聞かせてから食べます。
で、こんなイラストを描いているとよく「子供の頃、虫とか魚とか好きだったでしょ」なんて言われます。「いやいや、全然ダメで…」と答えると驚かれます。
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■描いてみたら…
じゃあ、なんでこんな魚や節足動物を描いているのか?水彩画で空想の機械とか乗り物を描き始めた頃、潜水艦の形をデザインするのに、魚の形をモデルにしたイラストを描きました。わりとよくある発想ですね。それが、なんかうまくハマったのです。
カッコよく描けた!
魚は、あまり好きじゃなかったけど、その形をデザイン化して描くと結構オモシロイ!その後もいろんな機械のイラストを描いてきましたが魚をモデルにすると、なんかいい感じに描ける。ちなみに子供の頃から機械や乗り物・ロボットなんかは好きだったです。
そんな経験が積み重なって、気づけば深海魚やら古代生物やらのグロテスクな生き物を機械化して描くことを繰り返していました。
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■コントロールされた「怖い」という気持ち
話は変わりますが、子供ってオバケや妖怪が好きですよね?怖いものが大好き。実際は怖いくせに、怪談話とか大好きだったりして。。
これって、「怖い」という気持ちにドキドキ・ワクワク感が隠れているからだと思うんです。「怖い」とか「気持ち悪い」という感情にある種の気持ちを高ぶらせる、興奮状態をもたらす効果がある。描くとか、デザインするというコントロールされた「怖い」は快楽になるというか、そんな感じです。
ヌルヌルした魚を触るのは嫌でも、水族館で泳いでいる魚はキレイに見えるとか。メチャメチャ軟弱な感じですが(笑
そんなわけで、苦手な魚や節足動物なんかをロボット化してグロテスクなんだけど、キモカワイイ機械生物にして楽しんでます。たくさん描いてきた機械の魚たちは、今ではカワイイ子供のような存在です。