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株式会社太平社「ちとせBASE」

太平社の新たな生産拠点「ちとせBASE」が2022年3月末に竣工しました。
太平社が事業を営むため、社員が安心して働けるために生産拠点の見直しが必要でした。
太平社のお客様にも主力の「社内報」を中心とした製品を確実にお届けするために生産拠点の見直しはBCPの面からも、経営課題の優先事項でした。
そうした生産拠点の建て替えと「ちとせBASE」に込めた思いについて記載しました。

「ちとせ」の由来

太平社は墨田区の両国に本社を構えています。
都内に立地していることでお客様からの問合せ、お客様への訪問、急な納品対応等に迅速に対応できるので重宝していただいています。
本社は両国ですが、この度完成した新たな生産拠点「ちとせBASE」は本社から歩いて5分ほどのところ、住所表記では墨田区千歳にあります。

「千歳」という言葉や、響きは縁起がいい。

ウキペディアでも上記の通り。

そんな縁起のいい言葉を使わない手はない。事業が長く続くことを願って地名を名称に入れることにしました。
さらに、やわらかい印象を持たせるために、ひらがなで「ちとせ」と表記することにしました。

「BASE」に込めた想い

先ず、印刷とか、製本とかいう言葉を入れたくありませんでした…。
確かに、新たな生産拠点では印刷機や製本機材があり、稼働をさせるのですが、それだけの建物ではないという想いがありました。
工場は、英訳すると、「FACTORY」や「PLANT」が一般的です。「BASE」は直訳すると「基地」になります。生産拠点を表現するのに、どういう言葉を使うか…これは迷いました。
太平社の生産拠点「基地」としての役割を持たせたい。
単に印刷物だけでなく、新しい生産方式、運用、新しい働き方など様々なモノ、様々な新しい価値を生み出す「基地」であってほしいという願望を込めて、「FACTORY」や「PLANT」ではなく、「BASE」としました。

今回、名称を決めるにあたっては、社員から実際に案を募りました。

  • 千歳工場

  • プリンティングファクトリー

  • ちとせファクトリー

  • プリントプラント

  • T-FACTORY

  • T-GATE

その数20案ほど。それぞれに想いや理由付けもされてきました。どれも捨てがたい名称でした。
そうした社員の想いも含めて、役員会で検討を行い、今の太平社に合っているのはどんなものが良いのか考え、最終的に「ちとせBASE」としました。

建物リノベーションの理由

太平社はホームページを見ていただくとわかる通り、本社・ちとせBASE(旧第1工場)・第2工場・第3工場と四つの拠点を持っています。

「ちとせBASE」竣工以前は、本社には営業・制作・総務など、第1工場は印刷工場、第2工場は製本工場、第3工場は倉庫・発送部門となっていました。
本社と第1工場は平成のはじめごろの竣工で35年程経過しており、建物としては少しガタが来ているという感じです(まだまだ使えるけど、人と同じでメンテナンスにお金がかかります…)
第2工場は昭和40年代、第3工場に至ってはもういつ竣工したのかよくわからないくらい古い建物でした。
つまり、第2工場、第3工場は老朽化が激しかったということです。
先々代、先代も建物についてはどうにかしようと考えてはいたようです。(古い資料も残っていました…)しかし、実行しようと考えるたびに、タイミング悪く、バブル崩壊や、リーマンショックなどいった危機があったようでそれどころではなくなってしまったようです。

社員を守り、事業を継続する

私が、真剣にどうにかしようと思ったのは、東日本大震災…。幸いにも物理的な被害はありませんでしたが、事業は厳しくなりました。しかし、同じような地震がまたあったら、起きるといわれている直下地震が発生したら、第2工場や第3工場は持たずに倒壊という可能性が捨てきれない。社員が就業中であればどうなるのか…。そして、お客様からご依頼いただいている製品が製造できるのか…と考えるとBCPの観点からも、いずれはどうにかする必要があると考えました。
振り返ると、2017年社長に就任するタイミングで金融機関に再開発の打診をしていました。東日本大震災以降の業績の落ち込みからも回復し、ある程度事業が安定していたので話を進めることにしました。

当初の目論見

そもそも、ちとせBASEが竣工する前の太平社は、創業以降の高度成長の時代の設備や、建物をそのまま使っていました。当時と比較すると事業規模も縮小していますし、3つに製造拠点が分かれていることで人が動いたり、物を動かしたりと正直あまり効率的ではありませんでした。
こうしたことも含めて、今の規模に合わせて本社も含めて第三工場あたりに拠点を築き一つの事業所で効率よくしたいと、当初は考えていました。
いろいろ話を進めていたのですが、当初の目論見は、用地制限という根本的なところで躓いてしまいました。
偶然のご縁も頂き、以前の第一工場に隣接する土地を購入することができたことも幸いしました。
いろいろなタイミングが揃って、当初描いたものとは少し違いましたが、生産拠点をまとめられることができると考え、2019年の秋に「今でしょ!」ということになったのです。

ピンチかチャンスか?

2020年5月から以前の第一工場の解体をスタートさせ、2021年1月から新しい工場の建設を開始し、2022年3月に竣工しました。
新型コロナウイルス感染症の話題が出てきたのが2019年末~2020年初め。正直ここまで長引くようなパンデミックになるとは思っていませんでしたし、ハンコを押してしまったので止められませんでした…。正直、ピンチと思うこともありました。(もう3・4ヵ月遅かったらまた、違った結果になっていかもしれません…)
完成する2022年初めには、ウクライナ問題が勃発しました。幸いなことに、ちとせBASEの建設では、コロナ禍とウクライナ問題で資材が手配できないとか、建設コストの上昇といった影響を受けることは無く済みました。工事を進めている中で、様々な方々から、「結果的にはタイミングよかったね」といっていただきました。
ポジティブに考えれば、タイミングはここしかないというところだったのかもしれません。
いろいろなご縁や、タイミングで竣工にこぎつけたこのチャンスを活かして「ちとせBASE」で新しい価値を生み出すことが今後求められると思っています。

「ちとせBASE」から新しい価値を

建物老朽化という最大の経営課題の一つには対処できました。
しかし、工場を建て替えればそれで終わりではありません。新しい「ちとせBASE」を活用して、業務効率化を行い、新しい価値を生み出さなければ、本来の意味で対処したことにはなりません。

  • 時間的コストの削減、内製率向上に伴う外注加工費削減により、筋肉質な財務体質という価値

  • 生産拠点が1か所にまとまることで、人的資源の有効活用(印刷工程、製本工程それぞれの工程で人材活用をするのではなく、建物を一つの部署として人材活用をするというような)による新しい価値の創造

  • 進捗管理をはじめとした業務フロー、資材等についても、建物を一つの部署としてこれまでにない運用を構築することで生み出させる新しい価値

  • 最新鋭の機材を活用した新たな業務の取り込み、受注の拡大といった新しいビジネスチャンスという新しい価値…

希望的観測が入っている部分もありますが、今後このような新しい価値についても書いていきたいと思います。今後の太平社にご期待ください。

太平社のホームページのコラム欄では、社内報制作の一環として、ちとせBASEでどのような工程で本が出来上がるかを簡単に紹介しています。こちらも見てみてください。
また、ちとせBASEの詳細はこちらを参照してください


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