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日本文化の核心 松岡正剛著 第三講 イノリとミノリ

こんにちは。

今日は松岡正剛著「日本文化の核心」の第三講「イノリとミノリ」の要約と自身の気づきを備忘録的に書いていこうと思います。

前回の第二講「和漢の境をまたぐ」の記事はこちら

第三講 イノリとミノリのポイント箇条書き

・日本民俗学では日本人を山人、海人、常民、遊民で構成されていると言っている。多くを占めてきたのは常民

・常民は一定の土地に定住した人々のことで、田畑に関わって農産物をつくり、その過程で稔り、実りと祈りの文化を作ってきた。

・常民的な価値観の中心にあるのが「お米」。「お米」にまつわる生活文化は様々な奥行きがある。

・稲作のプロセスに「苗代」を挟んだ。日本の画期的なイノベーション

・田植えから収穫日まで約10か月という「時の育み」のリズムをつくった。これがお米に対するイノリやミノリをもたらした。

・稲玉の神格化と「予祝と収穫のサイクル」

・石川県に伝わるアエノコト、お正月のおもてなしなどコメ信仰があらわれている。その中には神を迎えて送るという日本の客神の神々があらわれている。

・コメ信仰は皇室の大嘗祭、新嘗祭などにもあらわれている

日常の生活における「お米」の影響力の大きさ

年間1人あたりのお米消費量は減っているとはいえ、個人的には「お米」が食生活にないと物足りない。「お米」は食生活の中心であり、それ以上でもそれ以下でもない。それが私のお米に対するイメージだった。

本講を読むと、実は日本の歴史の中での「お米」の影響力というのは、「食」のみにおさまらずコメ信仰や、そこから生まれる儀礼など幅広いことにあらためて気づく。

身近な所で言えばお正月。このお正月の行事にもコメ信仰が根底にあるという。そう考えると、いま残っている儀礼などの形だけしか理解してないことに気づく。

「時の育み」

お米の田植えから収穫までの約10か月という時の育みが、日本の農事サイクルの基本でありイノリとミノリを生んでいった。

この「時の育み」というのは非常に印象的ですし今でも重要だなと感じます。特に経済的な生産活動において、今はこの「時の育み」というのを感じにくくなっているのではと感じます。

サービス産業が中心になるのでしょうがないとは思うのですが、1次産業のような自然を相手に時を育むことによって生まれる価値というのは、人間として生きるために多くの気づきを与えてくれるような気がして考えさせられました。

以上

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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