初回介入時の対応と問診の捉え方
皆さん、こんにちは。
都内の整形外科で理学療法士として活動している澤渡と申します。
今回は臨床上、個人的にもっとも大切だと思っている初回介入時の対応と問診の捉え方ついてnoteにまとめていきたいと思います。
本題に入る前に、まずは「私が誰なのか?」という方もいらっしゃるかと思いますので簡単に自己紹介をさせていただきます。
経歴としてはざっくりとこんな感じです。自慢できる大した実績はありませんが、理学療法士免許取得後に総合病院などで勤めた経験はなく、もともとは長年フィットネス業界に在籍した経験を経て、現在は外来の整形外科クリニックに勤めています。
臨床経験は少ないかもしれませんが、長らくフィットネス業界に在籍したこともあり、おそらく数千人以上の方の初回対応やトレーニング指導をしてきました。
今回のテーマは個人的にとても大切にしている内容ですし、これまでの経験が臨床現場でも役立っているなと実感することが多々あります。
そんな、私自身の経験を通じて常に意識して取り組んでいることは、目の前のお客様に対して「目的に合った運動方法を提供できるようにする」ことや「できる限り成果を出せるように導きたい」ということです。
これは、フィットネス業界で勤めていた時も、整形外科で患者さまのリハビリテーションで治療介入を行う現在でも一貫しています。
では、「そのために必要なことは何か?」ということを考え抜いくと、ある一つの答えにたどり着きました。
それは、「継続してもらう」ということです。
ここで言う「継続してもらう」ということは、例えばトレーナーがいないと運動が出来ないと思わせることや治療家がまた(リハビリに)来ないと悪くなると思わせるような相手を依存させるものではなく、お互いが主体的になって目的を達成するために必要な行動を行い、情報を共有していく前向きな状態を表しています。
運動指導もリハビリで提供する治療介入も成果を得るためには1回のセッションで期待できることは少なく、少なからず何回か継続してもらうことが必要です。
それは、提供する側もサービスを受ける側(クライアントや患者自身)も概ね理解していることだと思っています。
では、そのために成果を得るために継続してもらうためには何が必要か?ということになりますが、その継続を促すために求められるスキルは「初回介入時に相手の期待する方向性をしっかりと示せること」だと考えています。
実際に、筋骨格系理学療法ケア(運動器リハビリテーション)による患者満足度に関するシステマティックレビューでは、患者とセラピストの関係性の質は治療介入による機能改善よりも大きいとの報告があります。(下記文献参照)
また別の文献では、問診によって76%は鑑別診断を行うことが可能であり、臨床試験によって鑑別診断の精度を上げることができると報告されています。
この文献の内容で興味深いことは医学生が医学的診断を行う際には、診断テストや広範な「身体検査や臨床試験」の方法を好むのに対し、専門家は病歴を重視すると書かれています。
つまり、問診技術が向上すればするほど問診の必要性が重要視され、初回面談時により問診の時間を割くことが明らかになっています。(下記文献参照)
このように、継続していただくために、そして治療成果を導くためには初回介入時に可能な限り関係性を築く努力をすることこと。そして、適切な情報の引き出しを行うための問診力をつけることが必要不可欠です。
しかし、実際の臨床では身体評価や治療介入テクニックなどの方法論(テクニック)に着目しすぎて初回介入時における問診は過小評価されがちです。
また、学校教育でも初回介入や問診をテーマにした授業などはほとんどなく、臨床現場ではクライアントや患者との関係性を築く方法や問診(情報を収集する方法)はセラピストのスキル経験、個人のセンスに依存されると思っています。
そこで、今回はこれまでの経験に基づき、外来の整形外科領域での初回介入時における問診について内容を絞り、私自身が実践しているカウンセリングテクニックを活用した情報の引き出し方についてお話していこうと思います。
この記事が気になる方はこちらで書ききれなかったことを書いています。もしこちらの記事を読んでいただき、もっと記事を読みたいと思った方は是非本記事の購入をご検討ください。
それでは早速、本題に入ります。
ここから先は
¥ 1,200
いただいたサポートは読者の皆さまのお役に立てられるような形で使用させていただきます。この度はサポートいただき誠にありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。