6/12(Sat)「短歌研究 2021年6月号」
ぬたが食べたい…
昨晩、東京事変のYouTube生配信にてドラム担当・刄田綴色氏の見事な調理を目にしてから、ずっとこの衝動に駆られていた。
午前中スーパーに出向いたものの、「分葱 入荷なし」というまさかの事態。九条葱の代用も検討したのだけど、ぬたの肝は何といっても分葱のあのぬめり。(塩でぬめりを取っちゃう人もいるらしくて驚いた!)
結局、夕食兼晩酌のタイミングで少し遠い八百屋に出向き、ようやく材料が揃った。
おファビュ… !(fabulousの意)
分葱と浅利とホタルイカ。味噌は麦味噌と白味噌を半分ずつ。
すりゴマと山椒をたっぷりかけると美味しいよ。
付け合わせはなんちゃってすき焼き。
春菊推しがすぐにバレてしまう具配分。
正月から糖質制限をしていて日本酒はご無沙汰だったのだけど、ぬたと来ればやむなし...
心身ともに満たされる夕餉だった。
珈琲と入浴で酔いをさました後、歌集に収録する書き下ろしを少し進めて就寝。
*今日の一冊
先週買った短歌研究6月号をようやく開く。
表紙の猫の不遜な笑みがかわいい。
初めに小野田光さんの二十首連作『ゆれる火を生む』を読んだ。
穏やかな実況アナはたましいを微かにゆらし「寄り切りました」
小野田光『ゆれる火を生む』(「短歌研究」2021年6月号)
相撲の実況って、他の競技のそれと比べると少し静かだけれど、その中に相当な熱がこもっているように感じる。まさに『たましいを微かにゆらし』ているような。
また、「穏やかな」と実況アナの印象を入れることで、彼(彼女)がたましいをゆらすまでに至る振れ幅の大きさも伝わってきた。
そして、この歌は会社を休職している先輩(もしくは同僚)のくだりの後に置かれており、その流れの中で読むとまた違った余韻を帯びてくる。
寄り切られた力士と寄り切った力士、それを実況しながら心を熱くするアナウンサー。
会社で淘汰されてしまった人と、淘汰した人、それを第三者として見守るしかない自分。
ぼんやり繋がっている気がした。
「相撲の実況」というだけで黄昏時の画がくっきり浮かぶのも新しい発見だった。こういう、直接表現しなくても景が定まるような歌をわたしも詠めるようになりたい。
弱火にふつふつ煮立っているような、情感のある一連だった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?