陰謀論者になりたいわけでもない”普通”の難しさ
SNSを取り巻く数多の情報の洪水に呑まれ、一時期SNS断ちを果たしていました。SNSと抽象化しましたが、具体的にはX(twitter)のことです。
※筆者はtwitterという旧名称が気に入っていたので今後もこの表記です。
twitterにおける「おすすめ」のありがたみの無さは今更語るべくもありませんが、これを見ないようにするのがなかなか難しい状況があります。何故なら、最もアクセスしやすいところにタブが存在するからです。
私は主にiPhoneで公式twitterアプリを使用していますが、フォローしている人だけのタイムラインの脇に、常に「おすすめ」がある事実。操作を間違えた途端に目に映る、ロクでもない投稿の数々には食傷気味です。そんな投稿を見たいわけでもないのに、誰が私に向けてこれを「おすすめ」できると思ったのか、謎です。
ともあれ、そんなおすすめに表示される投稿は大体傾向があります。それはいわゆるバズっている投稿。よくある(最近もあるのかわかりませんが)暴露投稿や、著名人のあれそれ等といったエンタメ的投稿、後は陰謀論バズやそれを追いかけているニュース投稿、政治的云々なものが大多数です。
もうおなか一杯やねん
こうしたものがバズってしまう要因は、相互に対立する煽りたい層の動きに他なりません。自社の収益のためによくわからないニュースをSNSで引っ掛けて拡散するマスメディア勢と、そんなマスメディア勢の動きを見て何か裏で動いていてそれを隠している、と主張する陰謀論者の活動です。各々が互いに風を吹かせることによって、その間にいる中間層(一般層ともいう)が疲れてしまうわけです。
そうした情報の洪水から身を守るには、自分自身の中である程度ポリシーを固めておかなければなりません。帆を張って、風の吹くままに流され続けることは一見楽なように見えますが、その実無駄に揺さぶられることで疲弊するだけです。ニュースやSNSがあてにならないならば、行政筋や各企業のプレスリリースなどの公表資料を読めばよいし、ここだけの秘密の9割は虚言でしょう。
これだけ情報が公開されている現代において、情報の選別は重要ですが、自ら裏を取ることが最も重要だと思います。マスメディアは嘘つき、と言っている人に限って、情報のソースがそのマスメディアだったりするわけで、何を言わんかお笑い種です。
一昔前は、行政や企業の発信情報をマスメディアが咀嚼して理解しやすいように報じていたのでしょうが、こと今日においてそのようなものを期待すべきではないでしょう。あなたの手間を減らしてくれる報道はもうありません。結局ちゃんと伝わらないから各企業や行政が直接説明をする羽目になっているのは、非効率極まりない状態です。
情報を正しく比較して解釈する、バランスを取って判断できる”普通”になるのが難しい時代になってしまったものです。