プロダクトデザイナーの辻村哲也です。 今回は、2023年11月、ちょっと話題になった餃子の皮の話です。 ある朝、寝起きにスマホでTwitter(自称X)を眺めていると、愛知県の製麺所さんの呟きが目に入りました。 餃子の皮の製造工程で麺帯(生地をシート状に伸ばしたもの)を円形の型で抜いた残りがたくさん出て、再利用するにも限度があって廃棄が出てしまうということのようです。想像するに、打ち粉などの影響で再利用すると品質に問題が出るのでしょうか。 これを見て、最初は残りの皮を使
光学機器メーカー、株式会社ビクセンの製品デザインに関わるようになったのは2008年からです。最初にご依頼いただいたのは赤道儀(天体望遠鏡用架台)のフラッグシップ機の製品デザインでしたが、ビクセンとはどういうメーカーか、製品とデザインはどうあるべきか、というブランディングに関わる議論から始まる2年がかりのプロジェクトとなりました。 天体望遠鏡を入門機からハイエンドまでフルラインナップで扱っているのは国内ではビクセンだけ。それを生かし強みに変えるブランドの方向性を、ワークショッ
(2017.9/27にブログに書いたものを加筆修正) 文脈を抜きにしてデザインの良し悪しは評価できない。 例えば個人で使うもの、不特定多数の人が接する公共の場で使うもの、特定の志向の人を対象とした空間などで使うものは、それぞれデザインに求められることが違い、「良いデザイン」の条件も異なる。 これは人気テレビドラマ「孤独のグルメ」第3シーズン1話「北区赤羽のほろほろ鳥とうな丼」において、石倉三郎さん演じる男性客がテーブルそなえつけの醤油刺しを使おうとしたが醤油が出ず、ぶんぶ