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そのニュース、誰が流しているの、ほんとなの?

COVID-19 新型コロナウイルス感染症 で大変な日々が続いています。

相変わらずTwitterではデマやヘイトだらけで、ほんとうに辟易します。が、目が離せなくなり、ついついタイムラインを眺めてしまいます。

信頼する人々のTweetからは勇気や希望をもらいますが、そうしたTweetに群がる有象無象、とびかう罵詈雑言、呆れるやら、恐ろしいやら、気が滅入るやら。ホント、この日本という国はこんなに酷い国だったのかと思います。

中国憎しな人々の取り上げるニュース

そんな中で、中国憎しなヘイトな方のTweetの中に下記の記事をみつけました。

この記事を読むと、中国が全面的に悪いように思えます。

一般の日本のメディアはこのニュースを報じてはいないようです。朝日新聞デジタル(私は新聞も購読していて・デジタルも有料会員登録をしています)で検索してもこのニュースは触れられていません。

大紀元って?

いったいどこのニュースだろう、と思って配信元をみると「大紀元時報」となっています。初めて聞く名前でした。
とりあえずWikipediaの情報だけでも大体の想像はつきます。

さらに検索するとロイターに掲載されたこんなニュースも見つかりました。

これだけで、大体どんな報道姿勢かはわかることと思います。
日本であれば、フジサンケイグループやら読売系列やら、ってところですかね。

そこで、フィンランドのメディアや英字紙をみると、どうも、中国が悪い、ばかりではないことがわかってきました。

これは想定内の出来事

「ヘルシンキ タイムズ」の4/9の記事「Masks ordered from China prove unfit for hospital use – Finland disappointed」から、ところどころ引用して紹介します。(DeepLで翻訳)

Lounema氏によると、この保護具は、例えば、介護施設や在宅介護のスタッフが、無症状のキャリアから患者にウイルスが感染するリスクを減らすために使用することができるという。
(略)
フィンランドは、装置が期待に応えられない可能性があることを認識していると付け加えた。
(略)
市場にはあらゆる種類の売り手がいる。納品される装備品は必ずしも有名メーカーのものとは限らず、原産国さえも不明です。価格は常に上昇しています。これは全く異なる状況です。金銭的なリスクは非常に高いです。

まぁ、「医療用には使えないけど他で使えるからムダにはならないよ。こんな時期だしいろんな売り手がいるから、こういうことも想定内だよ」っていう感じですね。

Lounema氏というのは、マスク調達の担当部署であるEmergency Supply Agency (HVK)の長官です。
元の大紀元の記事ではトミ・ルネマ長官と表記されている方。この問題で辞任されました。

そしてさらにこの問題を追っていくと、こんな記事に行き当たりました。

怪しげなビジネスコンサルタントや美容家がからむスキャンダル?

FOREONER.FI というサイトの4/9付の記事「Trash-masks scandal: the 5 million paid by Finland ended up in a bank account in Belgium」

まずタイトルが、

ゴミマスクスキャンダル:フィンランドが支払った500万ドルがベルギーの銀行口座に

次のリードは、

中国から購入した役に立たないマスクの貨物のスキャンダルの裏には、美容クリニックの起業家、即日融資のビジネスマン、そして地獄の天使まで巻き込んだ奇妙な物語があります。トゥウラ・ハータイネン雇用大臣は、この事件についての説明を求めています。

フィンランドにもなんだか怪しげな方もいるようで、このマスクの調達を請け負った実業家やら借金しているビジネスマンやらが絡んでいるようです。

ちょっと関係を整理すると、
HVKは、フィンランドの実業家ティナ・ジルハ氏が所有する「ルック・メディカル・ケア」という会社に発注。

しかし、そのジルハ氏曰く、別の実業家であるサルマテス氏が「コンサルタント」として介入したと断言、しているとのこと。
そのサルマステ氏という実業家は、ウクライナ、エストニア、英国で事業を展開している人。フィンランドではファストローン事業を営んでいて、不良債権の前科がある。そしてなんとか政府機関を説得して、彼の口座にお金を振り込ませたという。

そして、その三者間での言い分が食い違っているようで、

一連の経緯は全く明らかにされておらず、当事者同士で非難し合っている。ビジネスウーマンのティナ・ジルハさんの法定代理人であるカリ・ウオティさんは、実際には供給保障センターと契約を結んでいるが、現段階では書類の提示を拒否しているという。

そして、スゴイです。リード文にでてくる「地獄の天使」って何かと思ったら…

サルマステは、ジルハと夫のテープ・ヴァルコーネンが購入代金を回収するために暴走族「ヘルズ・エンジェルズ」を送り込んだと主張している。ヘルシンギン・サノマット紙に語った話によると、最近、彼のアパートに侵入しようとする試みがあり、窓から石が投げ込まれたこともあったという。彼はその件で犯罪報告書を提出している。

と、いうように、
HVKから受注したとされるジルハ氏は、サルマテス氏が悪い、そう言っている割には、HVKとの契約書を提示できないという。

サルマテス氏は、ジルハ氏が代金回収するために暴走族まで雇って脅している、と言ってる。

HVKのルネマ長官は辞任することになってしまう。

いまのところ事実関係がはっきりしないようなので、なんとも言えませんが、そんなフィンランドの大スキャンダルなわけです。

決して中国が騙した、中国だけが悪い、というわけではなさそうです。

なんかこれ読んでたら、わが国で起こった #ケチって火炎瓶 事件を思い出しました。
こちらは時の首相が暴走族ならぬ暴力団と絡んでいるわけで、日本のほうがスゴイや。

って、自慢できなんですけど。

結論

で、結局何が言いたかったというと、やはり情報源、情報ソースはしっかり確認しようぜ、って言うことです。

情報リテラシーを高める取り組みしていかないといけません。

【注】
翻訳は、DeepLを使用しました。引用文内の太字は引用者である私が施したもの。多少、翻訳と表現を変えた部分もあります。ご承知おきください。間違いなどあったらご指摘いただければ幸いです。



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