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港のうどん(幻)

旅先では必ず本屋に入る。
古本屋のこともあるし、新刊書店のこともある。
そしてご当地本を買う。
荷物になるので小さめの本を買う。

事前調べによると高松は本の文化が根付いているようすだ。

朝起きて、前日コンビニで買っておいたヨーグルトを飲み、FAV HOTEL高松をチェックアウト。

(大阪人は普通、前日に「明日のパン」を買っておくが、
うどんを食べるつもりなので買わなかった)

本屋ルヌガンガへ向かう。

瓦町の中心部にある個人の新刊書店。

入ってすぐはレジ前におすすめ本が雑貨のように置かれていて、ここに四国や瀬戸内関連のものが並んでいる。
尖った本も、ベストセラーもある。
本好きも、素人も歓迎されている、明るいお店だ。

店の奥には大きなテーブルがある。
コーヒーを飲みながらここで本を読むこともできる。
それもいいけど、、後でうどん食べるしな。

一段上がったところにも本棚。
小上がりのところに、
お客さんの赤ちゃんが仰向けにべちゃっとなって寝ている。
かわいいので、赤ちゃんをチラ見しながら、本を物色。

本棚の横の椅子で、高校生男子が何かを読み耽っている。
図書館ではないのだが、叱られる気配がないので、ここではガッツリ読みも許されているらしい。
(最終的にその男子は、読んでいた本を買っていた)。

荷物が大きいのでテーブルの横に置いていたら、店主の女性に「ご旅行ですか」と聞かれる。
男木島に行くというと、男木島の人の書いた本を勧めてくれた。
移住した人の自給自足の体験記のようなもの。
興味深かったが、今の自分には濃すぎるのでやめておく。

買った本
「うどん県の歩き方」
「Mare Blu(空海特集)」

重いから買わなかったけど立ち読みした本
「思い出すこと」ジュンパ・ラヒリ
「テヘランのすてきな女」金井真紀
マダガスカルの旅の本(写真家の人)

すばらしい本屋さんだった。
高松に来たらまた来よう。

本屋を出て高松築港(ちっこう)へ
もともとあったいくつかの小さな港を統合して新たに築いた港だから築港というらしい。
港にうどんやがあると踏んでいたが、港にはうどん屋がない。
それどころか、食べ物が一つも売っていない。

キオスク的な売店すらない。

うどんが食べたい…。
港うどんがあると思い込んで調べもしなかった自分の浅はかさに悶絶する。
むぅうう。

甘いものが欲しくなった時のために自販機で紙パックのイチゴミルクを購入。

これから「めおん」に乗って男木島へ向かう。
下調べによれば、島にはうどん屋がなさそうである。
うどん。うどん。
頭の中がうどんに支配されている。

しましまのめおん



この後、
男木島の港で、とんでもない食べ物に出会うことになることを、
高松港にいる私はまだ知らない。






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