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伊勢神宮のこころ、式年遷宮の意味(小堀邦夫著)



二十年に一度、千三百年続けられてきた伝統の式年遷宮。直近では平成25年(2013年)に遷御が行われたので記憶されている方も多いだろう。国家レベルの大事業をこれほど長期にわたって形を変えずに続けてきた例は世界でも皆無だろう。世界中が驚く究極のサステナブル事業といっていいだろう。しかし日本人でも式年遷宮の事を詳しいわけではない。 この本の著者小堀氏は伊勢神宮禰宜の方だ。禰宜の立場でここまで書かれたことに敬意を感じる。内容は、式年遷宮の歴史、意味、実際に式年遷宮が行われるプロセスなど式年遷宮の説明にとどまらず、伊勢神宮や神社、神道の事、神社で執り行われている日々の祭とその由来や歴史。神前で唱える祝詞の中にふくまれるやまとことばの話など、日本文化の源流を知ることができる。伊勢神宮も一度はお参りに行ったことがある人も多いが神社のこと、伊勢神宮のことを何も知らなかったことに驚かされるだろう。次ぎに伊勢神宮にお参りに行かれる機会があるときには、ぜひこの本を読んでからお参りしてもらいたい。 神社の事に馴染みの無い読者のためにカラーの図版が多く載せられていることも有り難い本である。

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